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悪魔教会編
203.ライラックと狩人④
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ライラックは《鋼鉄の糸》を指先から出すと、ボウガンに付いていた銀の鏃を叩き落とした。すると今度はライラックの番になったのか、指先から容赦なく《鋼鉄の糸》を放つと、ボウガンを構えた教会の幹部の女は矢を放った。
かなり洗練された動きで、次から次へと装填して放たれる。
暗い小屋の中なのでライラックは視界だけで捉えることを諦め、防御も《鋼鉄の糸》に任せることにした。
「何発矢を射っても、私には届かないよー」
「届かせることが問題ではない」
「まあだろうね」
女の動きは鮮やかで軽やかだった。
遠距離の攻撃では分が悪いと瞬時に判断し、一気に接近戦に持ち込もうと画策する。
しかしライラックも読み切っていて、《鋼鉄の糸》だけではなくそもそも動きを阻害する。
「《蚕の糸》」
ライラックは《蚕の糸》で女を拘束した。
ライラックの放った《蚕の糸》に包まれると同時に、動けなくなる。
そこに加えて糸の性質を変えることにした。
「何だこれは!」
「悪いけど、私は言葉で対抗するより戦った方が性に合っているんだよねー。ごめんね、《酸性の糸》」
蚕に包まれた女は中でとんでもないことになっていた。
ドロドロに溶けた酸性の糸が衣服を溶かしにかかる。
もちろん魔法で対抗することもできたが、それすら許さない。
ライラックは遠目から観察していたが、女は無理やりボウガンの矢を放ち《蚕の糸》を突破する。しかし上に着ていた教会の服はドロドロに溶けていて、原形を留めていなかった。
「あれ? あんまり服溶けてないね。もっと肌が透けてもよかったのに」
「何を言っている」
「別に。そういうお約束があってもいいかなーって思っただけだよ?」
「やはり舐めているな。失せろ!」
すると動きが変わった。
指先で何かを弾くみたいな動きをして、ライラックは鉛玉に襲われた。
「おっと、こんどは鉛玉ねっ!」
「これも全部防ぐのか。やはり只者じゃないな」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、何も出てこないよ?」
ライラックは《鋼鉄の糸》で鉛玉を弾き飛ばした。
しかし反動で鉛玉が小屋の天井に当たり、めり込んでいた。
「あららー、これ当たったらヤバいやつだー」
ライラックは乾いた笑みを浮かべた。
しかし天井にめり込むほどの質量を持っているのなら、きっと相手も反撃されるリスクを背負っているということだ。
ライラックはそれを逆手に取ると、天井にめり込んでいた鉛玉を《粘着の糸》で自由自在に操ることにした。
「その鉛玉貰うね」
「なにっ!」
ライラックは糸を複雑にブンブン振り回すと、疲労している女に叩きつけるような仕草をした。
しかし流石に危険だと判断したのか、小屋の壁を自分で破壊して逃げる道を選ぶ。
「くっ、仕方ないか」
「自分で自分の得意な場所を捨てるんだ。しかも屋外に……」
ライラックは乗ってあげることにした。
自分から小屋を飛び出すと、外に逃げて体勢を立て直した女が迎え撃つ。
「屋外なら攻撃は反射しない」
「いやいや、屋外の方が危険なことわかってないでしょ?」
ライラックは指先からたくさんの糸を張り巡らせた。
周囲の木々の枝や幹に引っかけると、まるで蜘蛛の巣のように立体的な糸の檻が完成する。
小屋を飛び出して屋外に出たと思ったら、今度は急にライラックの得意な場所に環境が様変わりしてしまう。
「悪いけど、私は負けないよ?」
「私だって負けるわけにはいかない。それにこの糸は貴女にとっても仇となるはずですよ」
ライラックは返事もしなかった。それならそれで面白い。ライラックは楽しんでいた。
鉛玉を捨て、今度はどんな奇策をしてくるのか。
すると急に履いていた靴を脱ぎ捨て、唇から血を流した。
「大丈夫? もしかして怪我でもしたのかなー?」
「あまり舐めるな。私にこの蜘蛛の巣の檻は非常に相性がいい」
「狩人ってことだよね? それじゃあどっちがこの戦場に相応しいかはっきりしようじゃないかーってな感じで、行ってみよっか」
ライラックは一早く有利な高い場所に待機すると、《鋼鉄の糸》で地面に立っている女に攻撃を仕掛ける。
しかし重さも相まって高速で迫ったはずの意図は軽々とかわされてしまった。
気が付けばそこに女の姿はなく、ライラックは首を捻る。
かと思えば左から殺気を感じ、何かが飛びかかってきた。
「おっとっと!」
糸の上で体をのけ反らせ、ギリギリで攻撃を避けた。
膝で糸を抑え込んで、ライラックは何とか振り落とされないように気を付けたが、あまりの鋭い一撃に、ライラックはビックリしてしまった。
「あはは、なかなかやるねっ、ドッグルさん」
「どうして私の名前を知っているのかは知りませんが、そのヘラへラした表情は気に食わないな」
ライラックは命を削り合う相手にも常に笑っていた。
相手がドッグルだと確定したので、面白そうに感じている。
かなり洗練された動きで、次から次へと装填して放たれる。
暗い小屋の中なのでライラックは視界だけで捉えることを諦め、防御も《鋼鉄の糸》に任せることにした。
「何発矢を射っても、私には届かないよー」
「届かせることが問題ではない」
「まあだろうね」
女の動きは鮮やかで軽やかだった。
遠距離の攻撃では分が悪いと瞬時に判断し、一気に接近戦に持ち込もうと画策する。
しかしライラックも読み切っていて、《鋼鉄の糸》だけではなくそもそも動きを阻害する。
「《蚕の糸》」
ライラックは《蚕の糸》で女を拘束した。
ライラックの放った《蚕の糸》に包まれると同時に、動けなくなる。
そこに加えて糸の性質を変えることにした。
「何だこれは!」
「悪いけど、私は言葉で対抗するより戦った方が性に合っているんだよねー。ごめんね、《酸性の糸》」
蚕に包まれた女は中でとんでもないことになっていた。
ドロドロに溶けた酸性の糸が衣服を溶かしにかかる。
もちろん魔法で対抗することもできたが、それすら許さない。
ライラックは遠目から観察していたが、女は無理やりボウガンの矢を放ち《蚕の糸》を突破する。しかし上に着ていた教会の服はドロドロに溶けていて、原形を留めていなかった。
「あれ? あんまり服溶けてないね。もっと肌が透けてもよかったのに」
「何を言っている」
「別に。そういうお約束があってもいいかなーって思っただけだよ?」
「やはり舐めているな。失せろ!」
すると動きが変わった。
指先で何かを弾くみたいな動きをして、ライラックは鉛玉に襲われた。
「おっと、こんどは鉛玉ねっ!」
「これも全部防ぐのか。やはり只者じゃないな」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、何も出てこないよ?」
ライラックは《鋼鉄の糸》で鉛玉を弾き飛ばした。
しかし反動で鉛玉が小屋の天井に当たり、めり込んでいた。
「あららー、これ当たったらヤバいやつだー」
ライラックは乾いた笑みを浮かべた。
しかし天井にめり込むほどの質量を持っているのなら、きっと相手も反撃されるリスクを背負っているということだ。
ライラックはそれを逆手に取ると、天井にめり込んでいた鉛玉を《粘着の糸》で自由自在に操ることにした。
「その鉛玉貰うね」
「なにっ!」
ライラックは糸を複雑にブンブン振り回すと、疲労している女に叩きつけるような仕草をした。
しかし流石に危険だと判断したのか、小屋の壁を自分で破壊して逃げる道を選ぶ。
「くっ、仕方ないか」
「自分で自分の得意な場所を捨てるんだ。しかも屋外に……」
ライラックは乗ってあげることにした。
自分から小屋を飛び出すと、外に逃げて体勢を立て直した女が迎え撃つ。
「屋外なら攻撃は反射しない」
「いやいや、屋外の方が危険なことわかってないでしょ?」
ライラックは指先からたくさんの糸を張り巡らせた。
周囲の木々の枝や幹に引っかけると、まるで蜘蛛の巣のように立体的な糸の檻が完成する。
小屋を飛び出して屋外に出たと思ったら、今度は急にライラックの得意な場所に環境が様変わりしてしまう。
「悪いけど、私は負けないよ?」
「私だって負けるわけにはいかない。それにこの糸は貴女にとっても仇となるはずですよ」
ライラックは返事もしなかった。それならそれで面白い。ライラックは楽しんでいた。
鉛玉を捨て、今度はどんな奇策をしてくるのか。
すると急に履いていた靴を脱ぎ捨て、唇から血を流した。
「大丈夫? もしかして怪我でもしたのかなー?」
「あまり舐めるな。私にこの蜘蛛の巣の檻は非常に相性がいい」
「狩人ってことだよね? それじゃあどっちがこの戦場に相応しいかはっきりしようじゃないかーってな感じで、行ってみよっか」
ライラックは一早く有利な高い場所に待機すると、《鋼鉄の糸》で地面に立っている女に攻撃を仕掛ける。
しかし重さも相まって高速で迫ったはずの意図は軽々とかわされてしまった。
気が付けばそこに女の姿はなく、ライラックは首を捻る。
かと思えば左から殺気を感じ、何かが飛びかかってきた。
「おっとっと!」
糸の上で体をのけ反らせ、ギリギリで攻撃を避けた。
膝で糸を抑え込んで、ライラックは何とか振り落とされないように気を付けたが、あまりの鋭い一撃に、ライラックはビックリしてしまった。
「あはは、なかなかやるねっ、ドッグルさん」
「どうして私の名前を知っているのかは知りませんが、そのヘラへラした表情は気に食わないな」
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