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雷鳥編
231.許可証と密猟者
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村長の家にやって来たルカ達だったが、随分と立て込んでいるようでまともに話を取り入ってもらえるか不安だった。
しかしライラックの活躍とノーブルから預かっていたナタリーの朱印付きの許可証のおかげですんなりと了解を得ることに成功した。
「まさかこの時期に学生さんがやって来るなんてな」
「珍しいんですか?」
「珍しいよ。ほら、ここに来る時に雪山を見ただろ?」
「あっ、確かに……」
雷山の頂上付近は今いる場所の標高と足しても5千メートルはある。
当然雪も積もっていて、100%寒いのは覚悟した方がいい。
そんなところに一学生が登ろうとするのは、言ってしまえば命知らずってことになる。
「あー、死にに行くってことだねー」
「ちょっと、私たちは自殺する気はないわよ!」
「わかっているよー。って、雪山を登って自殺する人なんてほとんどいないでしょ?」
「おいおい、暗い話はしないで欲しいな」とルカは思いつつ、2人を止めることにした。
そんな1階の学生にはない発想や行動から村長と青年は眉根を寄せていた。
「お前たち、本当に変な学生だな」
「流石はナタリーさんのお墨付きですね。あっ、村長。せっかくですので、頼んでみませんか?」
「頼む?」何か嫌な予感がルカの頭に中に流れ込んでくる。
しかし心優しいダリアとブルースターは、何かともわからない頼みを聞く姿勢を取っていた。
ルカは迷っていた。迷うのではなく、躊躇った。
絶対に嫌な予感がする。このニオイは戦闘になる流れだ。
ただでさえ雪山は危険なのに、これ以上の面倒に飛び込むのは流石に危ない。
例えば目の前に目的地があったとして、その目的地に辿り着くために橋を渡るとしよう。
けれどその橋と目標があまりにも難儀なら結局その橋や道筋は危険でしかないのだ。
「ちょっと待ってダリア、ブルースター!」
「如何したんですか、ルカさん?」
「そんな慌てたような表情を浮かべて、何か間違いがあるのでしょうか?」
いや、間違ってはいない。
ルカは心の奥が引っかかれた気がして、口にし難くなった。
けれどわかる。これは経験則だ。
千年前だとか今だとかは関係ないが、ルカにはこの先の展開はここまでの言葉のヒントでわかっている。
「実はな学生さんよ。俺たちは今、ある奴らに悩まされてんだ」
「「ある奴らですか?」」
「うん。実はね、ライトニングバードの密猟者があの雪山で見かけたそうなんだ」
ほら、やっぱり来た。どうせこの話だと思っていた。
ライトニングバードが密猟者に狙われていることは重々承知だ。
その対策をいくつも張り巡らせても、相手は魔術に精通している。
つまり並みの対策ではほとんど無意味で、そのことに気が付いているらしい。
「知っていると思うが、ライトニングバードは貴重な天然記念物。観光の一種に放っているが、密猟者に狙われて年々数を減らしている」
「酷い話です」
「全くですね。神の裁きを受けるべきだと私も思います」
ブルースターが普通に怖いことを言い出した。
教会の人とは思えない不幸を呼ぶ言葉に、ルカはドン引きした。
けれどルカもこのままは良くないことだと理解している。
ライトイングバードは素材としても優秀だけど、雷系統の魔術を使う以外でほとんど需要はない。
そもそも雷系統の魔術自体が一般的ではないのだが、一部の貴族界隈や闇取引などで高値が付いている。それが数を減らし、密猟者の魔の手を生み出し続ける原因だった。
「残念だけど僕たちに魔術の才能は無くてね。今までは注意喚起と実力行使しかできなかったんだ」
ふと壁際には銃身がへし折れた猟銃が掛かっている。
人間には効くだろうが、魔術が使える人にはほとんど意味がない。
魔力を込めていなければ、魔術師の《シールド》は突破できない。
「なるほどね。確かに魔術師相手に魔力付与無しの重火器はほとんど意味ないわ」
「油断してたら別だけどね」
「まあそんな人いないよ」
ルカとライラックがそんな話をすると、シルヴィアは唇を噛んだ。
もしかしするとシルヴィアは普段は油断しているらしい。
「シルヴィ。油断してたら死ぬよ」
「わ、わかっているわよ。それで如何するの?」
「如何するって?」
「密猟者よ。捕まえるんでしょ?」
如何してそういう方向にシフトする。
ルカは余計なことが増えて少し面倒に思った。
とは言えルカもこのままにはしておけない。
面倒とは思いつつもやるべきことだと判断した。
「わかったよ。それじゃあ密猟者を見つけたら」
「「「ボッコボコにする!」」」
ブルースター以外の3人の意思が疎通した。
ボコボコにすると死んじゃう気がするけど、ルカの魔法や魔術を食らうよりはまだマシだと思うことにした。
「何だかわかんねえけど、気ぃ付けてな。それじゃあ頼むぜ」
「任せてください。まとめて倒してきますから」
「殺しちゃダメだからね」
青年はルカ達に伝えた。
だけど誰かが制御しないと本当に死人が出かねないと思った。
寒いとは言っても頭を少しは働かせてほしいとルカは頭を抱えた。
しかしライラックの活躍とノーブルから預かっていたナタリーの朱印付きの許可証のおかげですんなりと了解を得ることに成功した。
「まさかこの時期に学生さんがやって来るなんてな」
「珍しいんですか?」
「珍しいよ。ほら、ここに来る時に雪山を見ただろ?」
「あっ、確かに……」
雷山の頂上付近は今いる場所の標高と足しても5千メートルはある。
当然雪も積もっていて、100%寒いのは覚悟した方がいい。
そんなところに一学生が登ろうとするのは、言ってしまえば命知らずってことになる。
「あー、死にに行くってことだねー」
「ちょっと、私たちは自殺する気はないわよ!」
「わかっているよー。って、雪山を登って自殺する人なんてほとんどいないでしょ?」
「おいおい、暗い話はしないで欲しいな」とルカは思いつつ、2人を止めることにした。
そんな1階の学生にはない発想や行動から村長と青年は眉根を寄せていた。
「お前たち、本当に変な学生だな」
「流石はナタリーさんのお墨付きですね。あっ、村長。せっかくですので、頼んでみませんか?」
「頼む?」何か嫌な予感がルカの頭に中に流れ込んでくる。
しかし心優しいダリアとブルースターは、何かともわからない頼みを聞く姿勢を取っていた。
ルカは迷っていた。迷うのではなく、躊躇った。
絶対に嫌な予感がする。このニオイは戦闘になる流れだ。
ただでさえ雪山は危険なのに、これ以上の面倒に飛び込むのは流石に危ない。
例えば目の前に目的地があったとして、その目的地に辿り着くために橋を渡るとしよう。
けれどその橋と目標があまりにも難儀なら結局その橋や道筋は危険でしかないのだ。
「ちょっと待ってダリア、ブルースター!」
「如何したんですか、ルカさん?」
「そんな慌てたような表情を浮かべて、何か間違いがあるのでしょうか?」
いや、間違ってはいない。
ルカは心の奥が引っかかれた気がして、口にし難くなった。
けれどわかる。これは経験則だ。
千年前だとか今だとかは関係ないが、ルカにはこの先の展開はここまでの言葉のヒントでわかっている。
「実はな学生さんよ。俺たちは今、ある奴らに悩まされてんだ」
「「ある奴らですか?」」
「うん。実はね、ライトニングバードの密猟者があの雪山で見かけたそうなんだ」
ほら、やっぱり来た。どうせこの話だと思っていた。
ライトニングバードが密猟者に狙われていることは重々承知だ。
その対策をいくつも張り巡らせても、相手は魔術に精通している。
つまり並みの対策ではほとんど無意味で、そのことに気が付いているらしい。
「知っていると思うが、ライトニングバードは貴重な天然記念物。観光の一種に放っているが、密猟者に狙われて年々数を減らしている」
「酷い話です」
「全くですね。神の裁きを受けるべきだと私も思います」
ブルースターが普通に怖いことを言い出した。
教会の人とは思えない不幸を呼ぶ言葉に、ルカはドン引きした。
けれどルカもこのままは良くないことだと理解している。
ライトイングバードは素材としても優秀だけど、雷系統の魔術を使う以外でほとんど需要はない。
そもそも雷系統の魔術自体が一般的ではないのだが、一部の貴族界隈や闇取引などで高値が付いている。それが数を減らし、密猟者の魔の手を生み出し続ける原因だった。
「残念だけど僕たちに魔術の才能は無くてね。今までは注意喚起と実力行使しかできなかったんだ」
ふと壁際には銃身がへし折れた猟銃が掛かっている。
人間には効くだろうが、魔術が使える人にはほとんど意味がない。
魔力を込めていなければ、魔術師の《シールド》は突破できない。
「なるほどね。確かに魔術師相手に魔力付与無しの重火器はほとんど意味ないわ」
「油断してたら別だけどね」
「まあそんな人いないよ」
ルカとライラックがそんな話をすると、シルヴィアは唇を噛んだ。
もしかしするとシルヴィアは普段は油断しているらしい。
「シルヴィ。油断してたら死ぬよ」
「わ、わかっているわよ。それで如何するの?」
「如何するって?」
「密猟者よ。捕まえるんでしょ?」
如何してそういう方向にシフトする。
ルカは余計なことが増えて少し面倒に思った。
とは言えルカもこのままにはしておけない。
面倒とは思いつつもやるべきことだと判断した。
「わかったよ。それじゃあ密猟者を見つけたら」
「「「ボッコボコにする!」」」
ブルースター以外の3人の意思が疎通した。
ボコボコにすると死んじゃう気がするけど、ルカの魔法や魔術を食らうよりはまだマシだと思うことにした。
「何だかわかんねえけど、気ぃ付けてな。それじゃあ頼むぜ」
「任せてください。まとめて倒してきますから」
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