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雷鳥編
272.高度一万メートルの世界
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黒雲を貫いた。
バチバチと火花を散らし、青紫色の紫電が走った。
「うわぁ、凄い!」
ルカは楽しんでいた。
シルヴィア達にも声を掛けようとしたのだが、あまりの風圧とスピードを増す怖さからまるで喋る余裕が無かった。
「まあいっか。それにしても静電気が凄いね!」
「コレデモアルテイドハシャダンシテイマスヨ」
「だろうね。それにしても誰かに乗せて貰うのがこんなに楽だったなんて。私も誰か居ないかな……」
何か忘れている気がした。
しかしルカは思い出せないので一旦持ち帰ることにした。
「それと……」
ルカは言葉を詰まらせた。
ダリアがルカの体をギュッと抑え込んでいた。
今にも振り落とされてしまうのではないかと思い、全員でしがみついていた。
「ありがとう。落とされないようにしてくれて」
「ハイ?」
「雷鳥じゃないよ。バルトラ……連れてきて良かった」
亜空間の出入り口を少しだけ開けていた。
そこからバルトラが魔法を駆使して重力を生み出していた。
もちろん上から叩きつけられる風の影響で吹き飛ばされることは無かったが、左右からの重力のおかげで、シルヴィア達の身も安全だった。
「モウスグデス」
「そうだな。ほらみんな、一万メートルの世界に出るよ!」
雷鳥が黒雲を完全に抜けた。
すると視界が眩しくなり、顔を覆いたくなった。
陽射しが眩しかった。
太陽のもたらした暁光が素晴らしく、一瞬言葉を失った。
黒雲に覆われた暗闇から抜けたことで感じたエネルギーは計り知れなかった。
もちろん気分的な意味で効果をもたらしてくれた。
「ココガコウドイチマンメートルノセカイ」
「ピィーピィー!」
雷鳥の親子は喜んでいた。
真下には大きな雲が広がっていて、まだ上にも雲が続いていた。
雲と雲の間にルカ達は居た。
こんな不思議な体験、並みの魔術師では早々味わえるものではなかった。
貴重なことに感動するかと思いきや、シルヴィア達はほぼ気絶していた。
(流石にこの風圧は体験したことないよね)
そう思ったのだが、ライラックだけはほぼほぼ意識があった。
単純に寝たかったらか寝ていたようで、証拠に指先から糸が巻き付いていた。
全員の体を一部縛り付け、絶対に落ちないようにしていた。
落ちたとしても、一心同体的なコンセプトだった。
「全く。これじゃあ私が全員を支えることになるよね?」
「ごめん」
「起きてるね。シルヴィア達を起こすの手伝って」
「……気絶してる」
ライラックは口意外をほぼ動かさなかった。
しかし空いていた右手で頬をポンポン叩いたが、シルヴィア達の反応が無かった。
心臓は動いているので死んではいないようだが、気絶はしていた。
しかもシルヴィアは少し濡れていた。
「漏らしてるね」
「まあいくら飛び慣れているとは言えね。黒雲と言うか雷雲を抜けたんだから……気圧も上がって頭も痛いはずだよ」
色々と弊害が出ていた。
けれどこの貴重な時間を過ごすためにも全員を叩き起こした。
「おーい、ダリア。ブルースターも起きて起きて」
「シルヴィ、いつまで寝てるのさー。いい加減起きてよねー。いつもいつも私を叱ってるのにさー。おーい、おーきーろー!」
ライラックは耳元で叫んでいた。
シルヴィアの体をブンブン上下に振り回し、無理やりショックを与えた。
おかげで目を覚ましたのだが、目覚め最悪だった。
「はぁっ! ちょっと、えっ? ここは何処なのよ。うがぁっ! げひっげほっ!」
「一気に息を吸っちゃダメだよ。馬鹿なの?」
「貴女には言われたくないわよ」
「私の方が成績上だよ?」
「うるさいわね。げほっげほっ!」
「しかも漏らしてるしさー。ちゃんとしてよねー」
ライラックは次々に言葉を降らせた。
槍のように降り注ぐ言葉を否定できず、赤面してしまった。
「あ、あれ?」
「ここは何処でしょうか?」
ダリアとブルースターも目が覚めた。
しかしが急に明るくなり、眩しさのあまり目を細めた。
「気が付いた?」
「は、はい。ル、ルカさん!?」
「記憶飛んでる?」
「すみません。ここは何処でしょうか? あれ、お尻がモフモフする……ほえっ!?」
ダリアは驚いてしまった。
雷鳥の背中の上に乗っていたことをすっかり忘れていたのか、瞬きを何度もしていた。
「雷鳥の背中ですか。大きいですね」
「当たり前だよ。人間よりも断然大きいんだから」
「そう言う意味ではありませんよ。ですが本当にここが高度一万メートルの世界ですか。感慨深いですね」
ブルースターは《オーロラウィング》で空を飛べる。
最高速まで出せばこのくらいは余裕だろうが、流石に来たことは無かった。
「青空が気持ちいいですね」
「そうだね。ちょっと眩しいけど」
太陽に向かって飛んでいた。
とんでもなく眩しかったが、目を細めれば大丈夫だった。
代わりに太陽の輪郭がはっきり見えた。おまけに景色が素晴らしかった。
「流石に私も来たことなかったけど、良いわね」
「ねえもっと高いところはいけないの?」
「イッテモイイデスヨ」
ライラックの甘い言葉に雷鳥は返答した。
しかし今日のところは止めて貰った。
これ以上飛ぶのは流石に酸素が少なくなり、呼吸することが危なかった。
バチバチと火花を散らし、青紫色の紫電が走った。
「うわぁ、凄い!」
ルカは楽しんでいた。
シルヴィア達にも声を掛けようとしたのだが、あまりの風圧とスピードを増す怖さからまるで喋る余裕が無かった。
「まあいっか。それにしても静電気が凄いね!」
「コレデモアルテイドハシャダンシテイマスヨ」
「だろうね。それにしても誰かに乗せて貰うのがこんなに楽だったなんて。私も誰か居ないかな……」
何か忘れている気がした。
しかしルカは思い出せないので一旦持ち帰ることにした。
「それと……」
ルカは言葉を詰まらせた。
ダリアがルカの体をギュッと抑え込んでいた。
今にも振り落とされてしまうのではないかと思い、全員でしがみついていた。
「ありがとう。落とされないようにしてくれて」
「ハイ?」
「雷鳥じゃないよ。バルトラ……連れてきて良かった」
亜空間の出入り口を少しだけ開けていた。
そこからバルトラが魔法を駆使して重力を生み出していた。
もちろん上から叩きつけられる風の影響で吹き飛ばされることは無かったが、左右からの重力のおかげで、シルヴィア達の身も安全だった。
「モウスグデス」
「そうだな。ほらみんな、一万メートルの世界に出るよ!」
雷鳥が黒雲を完全に抜けた。
すると視界が眩しくなり、顔を覆いたくなった。
陽射しが眩しかった。
太陽のもたらした暁光が素晴らしく、一瞬言葉を失った。
黒雲に覆われた暗闇から抜けたことで感じたエネルギーは計り知れなかった。
もちろん気分的な意味で効果をもたらしてくれた。
「ココガコウドイチマンメートルノセカイ」
「ピィーピィー!」
雷鳥の親子は喜んでいた。
真下には大きな雲が広がっていて、まだ上にも雲が続いていた。
雲と雲の間にルカ達は居た。
こんな不思議な体験、並みの魔術師では早々味わえるものではなかった。
貴重なことに感動するかと思いきや、シルヴィア達はほぼ気絶していた。
(流石にこの風圧は体験したことないよね)
そう思ったのだが、ライラックだけはほぼほぼ意識があった。
単純に寝たかったらか寝ていたようで、証拠に指先から糸が巻き付いていた。
全員の体を一部縛り付け、絶対に落ちないようにしていた。
落ちたとしても、一心同体的なコンセプトだった。
「全く。これじゃあ私が全員を支えることになるよね?」
「ごめん」
「起きてるね。シルヴィア達を起こすの手伝って」
「……気絶してる」
ライラックは口意外をほぼ動かさなかった。
しかし空いていた右手で頬をポンポン叩いたが、シルヴィア達の反応が無かった。
心臓は動いているので死んではいないようだが、気絶はしていた。
しかもシルヴィアは少し濡れていた。
「漏らしてるね」
「まあいくら飛び慣れているとは言えね。黒雲と言うか雷雲を抜けたんだから……気圧も上がって頭も痛いはずだよ」
色々と弊害が出ていた。
けれどこの貴重な時間を過ごすためにも全員を叩き起こした。
「おーい、ダリア。ブルースターも起きて起きて」
「シルヴィ、いつまで寝てるのさー。いい加減起きてよねー。いつもいつも私を叱ってるのにさー。おーい、おーきーろー!」
ライラックは耳元で叫んでいた。
シルヴィアの体をブンブン上下に振り回し、無理やりショックを与えた。
おかげで目を覚ましたのだが、目覚め最悪だった。
「はぁっ! ちょっと、えっ? ここは何処なのよ。うがぁっ! げひっげほっ!」
「一気に息を吸っちゃダメだよ。馬鹿なの?」
「貴女には言われたくないわよ」
「私の方が成績上だよ?」
「うるさいわね。げほっげほっ!」
「しかも漏らしてるしさー。ちゃんとしてよねー」
ライラックは次々に言葉を降らせた。
槍のように降り注ぐ言葉を否定できず、赤面してしまった。
「あ、あれ?」
「ここは何処でしょうか?」
ダリアとブルースターも目が覚めた。
しかしが急に明るくなり、眩しさのあまり目を細めた。
「気が付いた?」
「は、はい。ル、ルカさん!?」
「記憶飛んでる?」
「すみません。ここは何処でしょうか? あれ、お尻がモフモフする……ほえっ!?」
ダリアは驚いてしまった。
雷鳥の背中の上に乗っていたことをすっかり忘れていたのか、瞬きを何度もしていた。
「雷鳥の背中ですか。大きいですね」
「当たり前だよ。人間よりも断然大きいんだから」
「そう言う意味ではありませんよ。ですが本当にここが高度一万メートルの世界ですか。感慨深いですね」
ブルースターは《オーロラウィング》で空を飛べる。
最高速まで出せばこのくらいは余裕だろうが、流石に来たことは無かった。
「青空が気持ちいいですね」
「そうだね。ちょっと眩しいけど」
太陽に向かって飛んでいた。
とんでもなく眩しかったが、目を細めれば大丈夫だった。
代わりに太陽の輪郭がはっきり見えた。おまけに景色が素晴らしかった。
「流石に私も来たことなかったけど、良いわね」
「ねえもっと高いところはいけないの?」
「イッテモイイデスヨ」
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これ以上飛ぶのは流石に酸素が少なくなり、呼吸することが危なかった。
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