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聖夜編
392.シルヴィアと大男①
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ルカの姿が見えなくなった。おまけに敵のボスレーヴの姿も一緒に消えた。
少なくとも視界には入っていない。
完全に姿も音も聴こえなくなると、取り残された四人は互いに距離を取り合うと動くに動けなかった。
「ダリア、如何するの?」
シルヴィアはダリアに尋ねる。
ここで二人を同時に相手するのはかなり面倒。
どうせなら分断させたいとシルヴィアは思ったのだ。
しかしそれをやるにしてもダリアとの連携は必至。呼吸を合わせなければ無理な話だった。
「ダリア?」
「シルヴィアさん。この人、私に任せて貰えませんか?」
シルヴィアは驚いてしまった。まさかダリアから提案を受けるとは思わなかったのだ。
目の前の相手。そこに居たのは小男。ナイフをチラつかせ、指の間でクルクル回転させていた。
敵もかなり慎重な様子で仕掛けてはこない。
けれど少しでも気を緩めれば、怒りとストレスから来る衝動が波のように襲って来るのは明白。シルヴィアはしっかりと読み切った上でダリアの提案をすかさず飲んだ。
「分かったわ。ダリア、この男お願いできる」
「任せてください」
小男はダリアに任せることにした。
そうなれば自然とシルヴィアと大男クブのマッチアップになった。
ダリアとシルヴィアは目で合図をすると、まずは分断させ一対一の状況を作り出すことにした。
「チッ! さっきは良くもやってくれたっすね。でも今度はそう上手く……」
「行くわよ。《ウィンドカーテン》!」
「そうですよ《スカーレットファイア》!」
シルヴィアは風を放った。カーテンが風に揺らめくみたいに小男と大男の間を駆ける。
さらにダリアは炎を放った。緋色の炎が風に飲まれ、轟々と燃え始めると、シルヴィアと大男クブ、ダリアと小男チッチに分断された。念願の一対一を作り出した。
「ふぅ。クブって言われてたわね」
「うっす」
「うっすって。そっち系のキャラなのね」
「うーすぅ?」
「それしか言わないのね。まあいいわ。私、貴方を倒すから。いいわねっ」
「勝負? やる! 勝てば美味い肉食い放題。お前の肉も食ってやる!」
クブは巨体を活かして地面を踏み込む。
圧迫感が瞬間、シルヴィアの目の前に訪れた。
目を見開くと眼上に棍棒の端切れが現れ、シルヴィアの頭を吹き飛ばそうとしていた。
「ちょっと危ないわねっ!」
シルヴィアは軽い身のこなしでバックステップを踏んだ。
風が左右を抜けていき、棍棒の軌道を見事に書き換えた。
棍棒がグィーン! とシルヴィアとは真逆の方に運ばれる。
クブも腕を持って行かれてしまったのか、目を見開いて肩を落とした。
「な、なにが、起きた?」
「そんなの知る必要無いわよ。巻き起こすは嵐、吹きすさぶは雷、雨足は槍となり粉砕し破壊せよ—《ハリケーンアタック》!」
シルヴィアはバックステップを取りながら後ろに飛ぶと、右の拳を突き出した。
魔力が一斉に集まり、シルヴィアの拳から風属性の魔術が発動された。
突然突風が巻き起こり嵐へと変わった。雨と雷が混ざり合い、天変地異を引き起こす。
それはまるで嵐そのもの。クブは嵐を纏った攻撃を直撃され、後ろに吹き飛んだ。
「グッブァァァァァァァァァァァァァァァ!」
頭から地面に叩き付けられた。後頭部が強く打ちつけられたことで激痛に苛まれる。
しかし動くことすらできない。
雨によってずぶ濡れになった体は重く、雷に打たれたことで感電してしまっていた。
痺れる程度で収まったのはシルヴィアが人死にが出ないように威力を抑えたことと、クブが筋肉で覆われていたからだ。まさに奇跡の産物で、仰向けのままピクピク震えていた。
「残念だったわね。私の方が強かったわ」
「負けない……肉、肉、肉を食う!」
クブの体がピクピクと震え、指先が動き出した。
シルヴィアは目を丸くした。油断はできないと悟り身構えると、クブは欲の限りで立ち上がった。
全身から静電気が青白く放たれている。それが筋肉を刺激して無理やり動いているようだ。
「なんて欲望なの。全く、もう一回吹き飛ばすわよ!」
シルヴィアは《ハリケーンアタック》をもう一発放とうとしていた。
しかしクブはシルヴィアが魔術を使う前に持っていた棍棒を投げつけた。
突然のことでシルヴィアは《ハリケーンアタック》の詠唱を止めると急ぎ上空に舞い上がって緊急回避をした。
「はぁはぁ……危なすぎるわよ」
「うはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
クブは駆け出して腕を降り上げた。シルヴィアのことを地面に叩き付けようとしたのだ。
シルヴィアは目を見開き魔術を唱える隙を与えて貰えない。
それどころかクブはどんどん動きが俊敏になって行き、シルヴィアを捕まえる勢いだった。
「うっはぁ! うっはぁ! ふん!」
「ちょっと、ちょっと待ってよ! うわぁ!」
クブはシルヴィアを捕まえようとするがなかなか捕まらない。
そこで落ちていた石を拾い上げるとシルヴィアに投げつけた。
躱そうとはした。しかし石が急に軌道を変えて、シルヴィアの左腕に直撃。
肘関節が青紫色に腫れ出すと、苦言を呈して地面に落ちることだけを阻止した。
まさに形勢逆転。ピンチに陥ってしまった。
少なくとも視界には入っていない。
完全に姿も音も聴こえなくなると、取り残された四人は互いに距離を取り合うと動くに動けなかった。
「ダリア、如何するの?」
シルヴィアはダリアに尋ねる。
ここで二人を同時に相手するのはかなり面倒。
どうせなら分断させたいとシルヴィアは思ったのだ。
しかしそれをやるにしてもダリアとの連携は必至。呼吸を合わせなければ無理な話だった。
「ダリア?」
「シルヴィアさん。この人、私に任せて貰えませんか?」
シルヴィアは驚いてしまった。まさかダリアから提案を受けるとは思わなかったのだ。
目の前の相手。そこに居たのは小男。ナイフをチラつかせ、指の間でクルクル回転させていた。
敵もかなり慎重な様子で仕掛けてはこない。
けれど少しでも気を緩めれば、怒りとストレスから来る衝動が波のように襲って来るのは明白。シルヴィアはしっかりと読み切った上でダリアの提案をすかさず飲んだ。
「分かったわ。ダリア、この男お願いできる」
「任せてください」
小男はダリアに任せることにした。
そうなれば自然とシルヴィアと大男クブのマッチアップになった。
ダリアとシルヴィアは目で合図をすると、まずは分断させ一対一の状況を作り出すことにした。
「チッ! さっきは良くもやってくれたっすね。でも今度はそう上手く……」
「行くわよ。《ウィンドカーテン》!」
「そうですよ《スカーレットファイア》!」
シルヴィアは風を放った。カーテンが風に揺らめくみたいに小男と大男の間を駆ける。
さらにダリアは炎を放った。緋色の炎が風に飲まれ、轟々と燃え始めると、シルヴィアと大男クブ、ダリアと小男チッチに分断された。念願の一対一を作り出した。
「ふぅ。クブって言われてたわね」
「うっす」
「うっすって。そっち系のキャラなのね」
「うーすぅ?」
「それしか言わないのね。まあいいわ。私、貴方を倒すから。いいわねっ」
「勝負? やる! 勝てば美味い肉食い放題。お前の肉も食ってやる!」
クブは巨体を活かして地面を踏み込む。
圧迫感が瞬間、シルヴィアの目の前に訪れた。
目を見開くと眼上に棍棒の端切れが現れ、シルヴィアの頭を吹き飛ばそうとしていた。
「ちょっと危ないわねっ!」
シルヴィアは軽い身のこなしでバックステップを踏んだ。
風が左右を抜けていき、棍棒の軌道を見事に書き換えた。
棍棒がグィーン! とシルヴィアとは真逆の方に運ばれる。
クブも腕を持って行かれてしまったのか、目を見開いて肩を落とした。
「な、なにが、起きた?」
「そんなの知る必要無いわよ。巻き起こすは嵐、吹きすさぶは雷、雨足は槍となり粉砕し破壊せよ—《ハリケーンアタック》!」
シルヴィアはバックステップを取りながら後ろに飛ぶと、右の拳を突き出した。
魔力が一斉に集まり、シルヴィアの拳から風属性の魔術が発動された。
突然突風が巻き起こり嵐へと変わった。雨と雷が混ざり合い、天変地異を引き起こす。
それはまるで嵐そのもの。クブは嵐を纏った攻撃を直撃され、後ろに吹き飛んだ。
「グッブァァァァァァァァァァァァァァァ!」
頭から地面に叩き付けられた。後頭部が強く打ちつけられたことで激痛に苛まれる。
しかし動くことすらできない。
雨によってずぶ濡れになった体は重く、雷に打たれたことで感電してしまっていた。
痺れる程度で収まったのはシルヴィアが人死にが出ないように威力を抑えたことと、クブが筋肉で覆われていたからだ。まさに奇跡の産物で、仰向けのままピクピク震えていた。
「残念だったわね。私の方が強かったわ」
「負けない……肉、肉、肉を食う!」
クブの体がピクピクと震え、指先が動き出した。
シルヴィアは目を丸くした。油断はできないと悟り身構えると、クブは欲の限りで立ち上がった。
全身から静電気が青白く放たれている。それが筋肉を刺激して無理やり動いているようだ。
「なんて欲望なの。全く、もう一回吹き飛ばすわよ!」
シルヴィアは《ハリケーンアタック》をもう一発放とうとしていた。
しかしクブはシルヴィアが魔術を使う前に持っていた棍棒を投げつけた。
突然のことでシルヴィアは《ハリケーンアタック》の詠唱を止めると急ぎ上空に舞い上がって緊急回避をした。
「はぁはぁ……危なすぎるわよ」
「うはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
クブは駆け出して腕を降り上げた。シルヴィアのことを地面に叩き付けようとしたのだ。
シルヴィアは目を見開き魔術を唱える隙を与えて貰えない。
それどころかクブはどんどん動きが俊敏になって行き、シルヴィアを捕まえる勢いだった。
「うっはぁ! うっはぁ! ふん!」
「ちょっと、ちょっと待ってよ! うわぁ!」
クブはシルヴィアを捕まえようとするがなかなか捕まらない。
そこで落ちていた石を拾い上げるとシルヴィアに投げつけた。
躱そうとはした。しかし石が急に軌道を変えて、シルヴィアの左腕に直撃。
肘関節が青紫色に腫れ出すと、苦言を呈して地面に落ちることだけを阻止した。
まさに形勢逆転。ピンチに陥ってしまった。
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