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聖夜編
399.ライラックの糸捌き①
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《星の銃》が破裂して、眩い閃光が爆散した。
広範囲で広がり静寂の夜を一瞬にして喧騒へと書き換えると、召喚士の男もたちまち目が眩んだ。
「なんだ?」
周囲を見回すと、黒い影が空に二つ浮かんでいた。
しかし一つは宙を不自然に浮いていて、もう一人は虹色の翼を生やしている。
おまけにとてつもない魔力を威圧とばかりに放っていた。
召喚士の男は息を飲むが一切動じはしない。
「誰だ」
「誰も何も無いよー」
ライラックは返事をした。
飄々としている上に如何にも眠そうな口調。
警戒する必要も無いと解釈したのも束の間、召喚士の男は全身を縛り付けられた。
ギュン! ギュイーン!
「うっ!?」
「はい捕まえた」
ライラックはいつの間にか姿を晒し、ローブ姿の男に忍び寄っていた。
あまりの早さに全く反応できなかった。
それどころか指先から出した糸によって全身を縛り付けられてしまった。
これでは動けない。召喚士の男は苦い表情を浮かべる。
「ほらほら如何したのさー?」
「チッ、いつからそこに」
「そんなこと言ってる暇は無いんじゃないのかなー? もっと強く縛っちゃうよー?」
ライラックは《拘束の糸》をより一層引き絞った。
召喚士の男の体に深く食い込んでいき、肉を抓り上げる。
激痛が全身を駆け巡った。激しい痛みが苦痛になり、奥歯を噛み締めるしかない。
ローブで顔を覆ってはいたものの、その表情と喘ぎ声は苦悶以外の何物でもなかった。
「ど、何処にこんなパワーが!」
「油断大敵だよー」
「油断も隙も無かったはずだ!」
「叫ぶと苦しいだけだって。もう全部諦めてさ、楽になろうよー。ねぇ?」
ライラックは耳元で囁いた。
全てを諦めさせ自滅へと誘う。
言葉の一つ一つに抑揚を付け、ローブ姿の男を戒めの渦に落とそうと画策していた。
けれどそう上手くも行かず、糸を緩めた気はないのだがローブを一度脱ぎ捨てることで摩擦を生んで抜け出したらしい。
「ありゃぁ?」
意外なテクニックが炸裂した。流石のライラックも驚いてしまうが、そこで驚いているだけでは終わらない。
抜け出した瞬間、目付きを素早く帰ると再び糸を飛ばす。
伸ばしたいとは粘着性で、ローブを失った男の右腕に絡みついた。
「なんだこの糸は!?」
「せーのっ」
糸を伸ばして反動を付ける。地面を蹴り上げると伸縮性の糸によって男に近付いた。
腹ががら空き。狙いを定めて気を抜いている隙に蹴りを喰らわせる。
「ぐはっ!」
「甘い甘い。私の糸から抜け出そうなんて、百年早いよー」
ライラックに蹴られたことで嗚咽する。
口から痰を吐き出すとその場でへたり込んだ。
けれど腕はまだ動いていた。何とか立ち上がると、目の色を変える。
血走っているようで、相当怒っているのが目に見えて伝わった。
「良くもやってくれたな」
「良くもやったよ。でも喰らったのは君でしょー?」
ライラックは挑発で返した。
召喚士の男は苛立ちを感じて右腕を振った。
背後で控えていたモグラ型モンスター、ウォビュートモールが動き出す。
鋼鉄の爪を降り上げて、ライラックを狙って攻撃を仕掛けた。
「やれ」
「やらせませんよ!」
ライラックは動かなかった。
何故ならウォビュートモールの攻撃を遮ったのは、ブルースターだったからだ。
指先に光属性の魔力を集め一気に撃ち出す。
《星の銃》がウォビュートモールの振りかざした右脚を軽く撃ち抜いて、吹き飛ばすことはできなかったが、動きを少しだけ止めることはできた。
「モグルァァァァァァァァァァァァァァァ!」
ウォビュートモールは腕を撃ち抜かれ痛がっている。
右脚をブンブン振り回しれ暴れた。
けれど傷口は瞬く間に塞がってしまった。如何やらモンスターらしく、再生能力も桁違いに高いらしい。
「ただのモンスターではないようですね。これは厄介です」
《オーロラウィング》を広げるブルースターは思った以上の力を見せるウォビュートモールを睨む。それほどまでに手強くて一人で相手をするのは厳しそうだった。
その感情を表情だけでライラックはある程度読み解く。
アイコンタクトを繰り出し、召喚士の男に気が付かれないようにコミュニケーションを取り合う。
「何をしている」
ローブを失った男は尋ねた。
真っ赤に充血した血眼の目で睨みつけると、怪訝な表情を浮かべていた。
けれどライラックは飄々とした口調で返した。
「さあねー。教えてあげないよー、だ」
「ふん。どんな小細工をしようが、もう油断はしない。ここからは制限解除だ。ウォビュートモール、早く蹴散らせ!」
召喚士の男は目から血を流して命じた。
するとウォビュートモールはまるで見えない拘束が外れたみたいに両の前脚を広げる。
その瞬間放たれた殺気はブルースターを直撃した。
委縮するかと思われたがまるで表情を変えず、指の銃口を向けていた。
広範囲で広がり静寂の夜を一瞬にして喧騒へと書き換えると、召喚士の男もたちまち目が眩んだ。
「なんだ?」
周囲を見回すと、黒い影が空に二つ浮かんでいた。
しかし一つは宙を不自然に浮いていて、もう一人は虹色の翼を生やしている。
おまけにとてつもない魔力を威圧とばかりに放っていた。
召喚士の男は息を飲むが一切動じはしない。
「誰だ」
「誰も何も無いよー」
ライラックは返事をした。
飄々としている上に如何にも眠そうな口調。
警戒する必要も無いと解釈したのも束の間、召喚士の男は全身を縛り付けられた。
ギュン! ギュイーン!
「うっ!?」
「はい捕まえた」
ライラックはいつの間にか姿を晒し、ローブ姿の男に忍び寄っていた。
あまりの早さに全く反応できなかった。
それどころか指先から出した糸によって全身を縛り付けられてしまった。
これでは動けない。召喚士の男は苦い表情を浮かべる。
「ほらほら如何したのさー?」
「チッ、いつからそこに」
「そんなこと言ってる暇は無いんじゃないのかなー? もっと強く縛っちゃうよー?」
ライラックは《拘束の糸》をより一層引き絞った。
召喚士の男の体に深く食い込んでいき、肉を抓り上げる。
激痛が全身を駆け巡った。激しい痛みが苦痛になり、奥歯を噛み締めるしかない。
ローブで顔を覆ってはいたものの、その表情と喘ぎ声は苦悶以外の何物でもなかった。
「ど、何処にこんなパワーが!」
「油断大敵だよー」
「油断も隙も無かったはずだ!」
「叫ぶと苦しいだけだって。もう全部諦めてさ、楽になろうよー。ねぇ?」
ライラックは耳元で囁いた。
全てを諦めさせ自滅へと誘う。
言葉の一つ一つに抑揚を付け、ローブ姿の男を戒めの渦に落とそうと画策していた。
けれどそう上手くも行かず、糸を緩めた気はないのだがローブを一度脱ぎ捨てることで摩擦を生んで抜け出したらしい。
「ありゃぁ?」
意外なテクニックが炸裂した。流石のライラックも驚いてしまうが、そこで驚いているだけでは終わらない。
抜け出した瞬間、目付きを素早く帰ると再び糸を飛ばす。
伸ばしたいとは粘着性で、ローブを失った男の右腕に絡みついた。
「なんだこの糸は!?」
「せーのっ」
糸を伸ばして反動を付ける。地面を蹴り上げると伸縮性の糸によって男に近付いた。
腹ががら空き。狙いを定めて気を抜いている隙に蹴りを喰らわせる。
「ぐはっ!」
「甘い甘い。私の糸から抜け出そうなんて、百年早いよー」
ライラックに蹴られたことで嗚咽する。
口から痰を吐き出すとその場でへたり込んだ。
けれど腕はまだ動いていた。何とか立ち上がると、目の色を変える。
血走っているようで、相当怒っているのが目に見えて伝わった。
「良くもやってくれたな」
「良くもやったよ。でも喰らったのは君でしょー?」
ライラックは挑発で返した。
召喚士の男は苛立ちを感じて右腕を振った。
背後で控えていたモグラ型モンスター、ウォビュートモールが動き出す。
鋼鉄の爪を降り上げて、ライラックを狙って攻撃を仕掛けた。
「やれ」
「やらせませんよ!」
ライラックは動かなかった。
何故ならウォビュートモールの攻撃を遮ったのは、ブルースターだったからだ。
指先に光属性の魔力を集め一気に撃ち出す。
《星の銃》がウォビュートモールの振りかざした右脚を軽く撃ち抜いて、吹き飛ばすことはできなかったが、動きを少しだけ止めることはできた。
「モグルァァァァァァァァァァァァァァァ!」
ウォビュートモールは腕を撃ち抜かれ痛がっている。
右脚をブンブン振り回しれ暴れた。
けれど傷口は瞬く間に塞がってしまった。如何やらモンスターらしく、再生能力も桁違いに高いらしい。
「ただのモンスターではないようですね。これは厄介です」
《オーロラウィング》を広げるブルースターは思った以上の力を見せるウォビュートモールを睨む。それほどまでに手強くて一人で相手をするのは厳しそうだった。
その感情を表情だけでライラックはある程度読み解く。
アイコンタクトを繰り出し、召喚士の男に気が付かれないようにコミュニケーションを取り合う。
「何をしている」
ローブを失った男は尋ねた。
真っ赤に充血した血眼の目で睨みつけると、怪訝な表情を浮かべていた。
けれどライラックは飄々とした口調で返した。
「さあねー。教えてあげないよー、だ」
「ふん。どんな小細工をしようが、もう油断はしない。ここからは制限解除だ。ウォビュートモール、早く蹴散らせ!」
召喚士の男は目から血を流して命じた。
するとウォビュートモールはまるで見えない拘束が外れたみたいに両の前脚を広げる。
その瞬間放たれた殺気はブルースターを直撃した。
委縮するかと思われたがまるで表情を変えず、指の銃口を向けていた。
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