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村亡編
461.魔素を食らう手
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ルカは土地の魔力に意識を飛ばした。
同調をする気はない。そんなことをすれば飲まれるからだ。
けれど軽く掠る程度に意識を土地の魔素に飛ばしてみた。
すると深い闇が全身を冷たく包み込み、ルカのことを引きずり込む。
(おかしいな。さっきまで焼き付けるような熱を感じたはずなのに)
ルカは奇妙な体験をした。
畑の土は熱い。熱くて仕方ない。
そして意識を潜航させた時も同様に熱かった。
けれど今一瞬だけ感じた闇は冷たくて、ルカの意識体に絡み付こうとしていた。
(本来なら気持ち悪いはずだけど、今回は微妙に変だね。まるで私のことを守ってくれているみたいだ)
ルカが感じたのは深い闇属性の魔力。それはルカの意識体を守るみたいに薄い包帯に変わる。触れた瞬間、闇の包帯は冷却ジェルのような冷たい感触に変化し、ルカのことを覆った。包帯のような闇が冷却効果を持つと、まるで宇宙を揺蕩うように感じてしまう。
(これだけのことをしないと意識が焼き尽くされるってことかな? ありがとう。それだけ私に伝えたいことがあるんだね。それなら見させて貰うよ)
ルカは目を見開いた。意識体が持つ感覚的な視覚だ。
とは言えそこに広がるのは土ではない。
真っ暗闇の世界はまるで本物の宇宙。もしくは深海。
何とも例え難い不思議な感覚に苛まれると、ルカは目を凝らして魔素の流れを掴むように感覚を張り巡らせた。
(一体何処に……根本的な問題が)
ルカは魔眼を持っていないので、いくら目を凝らしても見えはしない。
けれど全身の感覚を研ぎ澄ませると、段々と周囲の状況が見え隠れする。
ここはあくまでも農場の畑。その土の奥底。魔素は大概な程散っている。
けれど妙に魔素の量が少ない。これが野菜を萎れさせた原因の一つの筈だ。
となれば見つけるべきは、魔素を食い荒らし、栄養を奪っているなにものか。
(とは言え、そんな単純な訳もないかな。なかなか見つからないよね。仕方ない……)
ルカは周囲を見回し意識を研ぎ澄ますが全く見えてこない。
このまま意識体を飛ばし潜航し続けていても仕方がない。
そう思い、あまりやりたくは無かったが魔法を使った。
(意識体の消耗が激しいからやりたくないけど、《パーフェクト・サーチ》)
得意のパーフェクト系魔法を使った。
体の奥深くから魔力が吸われる。そのせいで意識体の半分が持って行かれた。
(魔力量がそこまで多く無いのがここまで響くなんて。この状態じゃ呼吸法も……はぁ、よし、整ったね)
ルカは保有している魔力量がそこまで多くは無い。
決して少なくはないものの、使う魔法の効力には見合っていなかった。
そのせいもあり、意識体だけでは補いきれない。
ましてやこの状態では呼吸法も使えないので、意識を振り絞り、時空系魔法と併用しながら保ち続けた。かなり無茶な芸当だったが、ルカだから無事でいられた。
(とりあえずこれでいいとして。見えてきたのは……嘘でしょ?)
ルカは《パーフェクト・サーチ》を使い、周囲を見回してみる。
すると魔眼では無いのだが、たくさんの魔素や魔力の断片を確認できる。
全てが頭の中に広がる景色を投影しているもので、おかげでルカは見つけたかったものを見つけられた。けれどその異様な光景に、流石に身が竦んでしまう。
視界に広がるのは巨大な手。
しかも熱を放ち近付くことすらままならない。
正直意識体とは言え、長時間凝視することもできない熱量を際限なく熱を放ち続けていた。
あまりにも異様、否、不気味な光景だった。
ルカ以上に大きな巨大な手は、恐らく三メートルはあるはず。
けれどそれは実体ではない。魔力を編んで作られた架空の手だ。
にもかかわらず、その手は本物のようで、今も生きているらしい。
その手は魔素を吸収し、それが熱の原因となっていた。
もしかすると、いや、もしかしなくても、これが畑の土を熱くし、野菜を萎れさせた正体。
そう仮定すると、この手は何だろうか? ルカはそんな余裕を抱いてはいけないはずだが、情報を集めたくなる。
(もしもこの手がチャカチャ村……だけじゃなく被害を広げているのなら……)
ルカは想像を広げた。
もちろんエルフの森のことだった。
とは言え、エルフの森の謎の火災と繋がりがあるのかはいまいち定かではない。
そもそも目の前の手がただのモンスターのもの……かと言われれば、そんな様子は無く、むしろもっとマズい気がした。
それもそのはず、魔素に干渉し、魔力として際限なく吸収し続けるなんて真似、通常モンスターの許容量では不可能ではないが、近くはあった。
(って、それならマズいね。ここで放置して、後で私が責められても困るから、未然に防がないと……とは言って、意識体で勝てるのかは分からないけどね)
ルカとして見ても、勝てるのか如何かはっきりとは言えない。
むしろ勝てたら奇跡だ。
それもそのはずルカの意識体に預けた魔力は限りがあり、唇を噛んで焦りを見せてしまった。
同調をする気はない。そんなことをすれば飲まれるからだ。
けれど軽く掠る程度に意識を土地の魔素に飛ばしてみた。
すると深い闇が全身を冷たく包み込み、ルカのことを引きずり込む。
(おかしいな。さっきまで焼き付けるような熱を感じたはずなのに)
ルカは奇妙な体験をした。
畑の土は熱い。熱くて仕方ない。
そして意識を潜航させた時も同様に熱かった。
けれど今一瞬だけ感じた闇は冷たくて、ルカの意識体に絡み付こうとしていた。
(本来なら気持ち悪いはずだけど、今回は微妙に変だね。まるで私のことを守ってくれているみたいだ)
ルカが感じたのは深い闇属性の魔力。それはルカの意識体を守るみたいに薄い包帯に変わる。触れた瞬間、闇の包帯は冷却ジェルのような冷たい感触に変化し、ルカのことを覆った。包帯のような闇が冷却効果を持つと、まるで宇宙を揺蕩うように感じてしまう。
(これだけのことをしないと意識が焼き尽くされるってことかな? ありがとう。それだけ私に伝えたいことがあるんだね。それなら見させて貰うよ)
ルカは目を見開いた。意識体が持つ感覚的な視覚だ。
とは言えそこに広がるのは土ではない。
真っ暗闇の世界はまるで本物の宇宙。もしくは深海。
何とも例え難い不思議な感覚に苛まれると、ルカは目を凝らして魔素の流れを掴むように感覚を張り巡らせた。
(一体何処に……根本的な問題が)
ルカは魔眼を持っていないので、いくら目を凝らしても見えはしない。
けれど全身の感覚を研ぎ澄ませると、段々と周囲の状況が見え隠れする。
ここはあくまでも農場の畑。その土の奥底。魔素は大概な程散っている。
けれど妙に魔素の量が少ない。これが野菜を萎れさせた原因の一つの筈だ。
となれば見つけるべきは、魔素を食い荒らし、栄養を奪っているなにものか。
(とは言え、そんな単純な訳もないかな。なかなか見つからないよね。仕方ない……)
ルカは周囲を見回し意識を研ぎ澄ますが全く見えてこない。
このまま意識体を飛ばし潜航し続けていても仕方がない。
そう思い、あまりやりたくは無かったが魔法を使った。
(意識体の消耗が激しいからやりたくないけど、《パーフェクト・サーチ》)
得意のパーフェクト系魔法を使った。
体の奥深くから魔力が吸われる。そのせいで意識体の半分が持って行かれた。
(魔力量がそこまで多く無いのがここまで響くなんて。この状態じゃ呼吸法も……はぁ、よし、整ったね)
ルカは保有している魔力量がそこまで多くは無い。
決して少なくはないものの、使う魔法の効力には見合っていなかった。
そのせいもあり、意識体だけでは補いきれない。
ましてやこの状態では呼吸法も使えないので、意識を振り絞り、時空系魔法と併用しながら保ち続けた。かなり無茶な芸当だったが、ルカだから無事でいられた。
(とりあえずこれでいいとして。見えてきたのは……嘘でしょ?)
ルカは《パーフェクト・サーチ》を使い、周囲を見回してみる。
すると魔眼では無いのだが、たくさんの魔素や魔力の断片を確認できる。
全てが頭の中に広がる景色を投影しているもので、おかげでルカは見つけたかったものを見つけられた。けれどその異様な光景に、流石に身が竦んでしまう。
視界に広がるのは巨大な手。
しかも熱を放ち近付くことすらままならない。
正直意識体とは言え、長時間凝視することもできない熱量を際限なく熱を放ち続けていた。
あまりにも異様、否、不気味な光景だった。
ルカ以上に大きな巨大な手は、恐らく三メートルはあるはず。
けれどそれは実体ではない。魔力を編んで作られた架空の手だ。
にもかかわらず、その手は本物のようで、今も生きているらしい。
その手は魔素を吸収し、それが熱の原因となっていた。
もしかすると、いや、もしかしなくても、これが畑の土を熱くし、野菜を萎れさせた正体。
そう仮定すると、この手は何だろうか? ルカはそんな余裕を抱いてはいけないはずだが、情報を集めたくなる。
(もしもこの手がチャカチャ村……だけじゃなく被害を広げているのなら……)
ルカは想像を広げた。
もちろんエルフの森のことだった。
とは言え、エルフの森の謎の火災と繋がりがあるのかはいまいち定かではない。
そもそも目の前の手がただのモンスターのもの……かと言われれば、そんな様子は無く、むしろもっとマズい気がした。
それもそのはず、魔素に干渉し、魔力として際限なく吸収し続けるなんて真似、通常モンスターの許容量では不可能ではないが、近くはあった。
(って、それならマズいね。ここで放置して、後で私が責められても困るから、未然に防がないと……とは言って、意識体で勝てるのかは分からないけどね)
ルカとして見ても、勝てるのか如何かはっきりとは言えない。
むしろ勝てたら奇跡だ。
それもそのはずルカの意識体に預けた魔力は限りがあり、唇を噛んで焦りを見せてしまった。
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