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エルフの森編
500.エルフ達に囲まれて
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集会場を出て真っ直ぐ集落へと向かった。
普段とはまた一味違い景色に浮かれながらも、集落へと近づくにつれ、人の温かみのようなものを空気として感じ取る。
更にはたくさんの騒めきを聞き分けた。
エルフ達が談笑を楽しんでいるのだろう。
今の所警戒心のようなものは感じられない。
ただそこに在る。と言うだけで、ルカ達見知らぬ人間達が足を運んでも恐怖を感じていない模様だ。
恐らく、ほとんどのエルフ達はこの森から出たことがない。
ルカはある程度の予想を立てると、ギュッと胸の口を閉じた。
「ルカ、そんなに気負わなくてもいいよ?」
「そうですよ、この森のエルフ達は外の世界を知らないんです。抱擁してくれる筈ですよ」
「そうだろうけど……まあいいか」
ルカはゾーラとセレビュに諭され胸を撫でた。
確かにエルフ達は基本的に外の土地を離れない。
精霊信仰なども深く根付く場合が多く、土地神を大事に扱う。
それ故に外の脅威を知らないで、悠々自適に暮らす場合も少なくはなく、余所者を警戒する森騎士や森人を除けば、嬉々とした表情で、面白いものを見たとしか思わないのだと言う。
「だから大丈夫だよ」
「そうだよね、お姉ちゃん」
ゾーラとセレビュは自分達の世界を広げていた。
そこにルカ達が入る隙は無く、シルヴィアは頃合いを見て耳打ちをした。
「……ルカ、今の大丈夫?」
「大丈夫もなにも、エルフ族はその土地ごとに生態も習性も変わるから。生活様式だけで言えば一般的だけど、性格や内政までは分からないよ。だからここは信じてみよう」
「信じる……しかないわね」
シルヴィアは険しい表情を見せた。
しかしルカの言葉に一旦の信用を置くと、諦めたようにコクコクと首を縦に振るのだった。
「あっ! ゾーラ、セレビュ!」
「ゾーラとセレビュ!?」
「うわぁぁ! ゾーラとセレビュだ。ねぇねぇ、遊んで遊んで!」
集落に近付くと、一番近くに居たエルフがゾーラとセレビュに気が付いた。
それを皮切りに、たくさんのエルフ達が集まって来る。
ゾーラとセレビュは瞬く間に囲まれてしまい、身動き一つ取れなくなった。
「ねっ、抱擁力あるでしょ?」
「寛容ですよね」
「寛容って言うのかな、これ?」
ゾーラとセレビュはこの状況に慣れ切っているのか、見事にものにしてしまう。
まるで荒波を駆るサーファーのようで、ルカ達は一歩身を引いてしまう。
するとゾーラとセレビュを何個もの人の輪ができ上がると、近付くのさえ悍ましかった。
「これは気配を殺した方がいいような……」
「そうね。流石に姿を消して……」
ルカとシルヴィアが耳打ちをし合うと、エルフ達の耳がピクピク動く。
小さな音さえ聞き分けると、ルカ達のことを見つめた。
一つの視線が浮かび上がると、ルカとシルヴィアは目を見開く。
「人間!?」
「人間さん。人間さんだ!」
「もしかして、さっき森長さんが連れて来た人達だよね?」
「うわぁ、人間だ人間だ。私、初めて見たよ!」
嬉々とした表情がたくさん浮かんでいた。
ゾーラとセレビュを取り巻く人達全員に浸透し、爆発的に侵食する。
この状況はマズい。ルカとシルヴィアはいち早く気が付くが時すでに遅かった。
ギラギラとした好奇心の瞳が獲物を捉えると、齧り付くように襲い掛かった。
「うわわぁ!? なにこれー」
「る、ルカさん。なんだか怖いです」
「どうやら私達のことを歓迎していただいているようですが」
「そんなこと言ってる場合じゃないわよ。ううっ、息が……熱い」
ルカ達はエルフ達に囲まれてしまった。
まるでおしくらまんじゅうで、熱が帯びて気持ち悪い。
熱気が中央のルカ達を取り巻き、嬉々とした瞳とニコニコした口が動いた。
「ねえ人間さん、人間さんは何処から来たの?」
「えっと、マギアラよ」
「マギアラ?」
「スカーレット王国、西方の街ですよ。魔法の発展した街なんです」
「魔法の発展? 古代魔法とか、精霊魔法じゃないの?」
「えっと……そ、そうね。それに今は魔術で……うわぁ!」
エルフの少女が質問をすると、シルヴィアとダリアが代表して答えた。
息が詰まりそうな中、必死に口を動かすと、次から次へと質問が飛び交う。
「ま、魔術! 魔術ってなに」
「魔術は魔法を誰でも使えるようにしたものね」
「ねぇねぇ、人間ってなにを食べるの? やっぱり、植物だよね」
「次は食べ物!? 確かに植物も食べるけど、主食じゃ……うがぁ!」
シルヴィアは質問攻めにあっていた。
エルフ達に服を掴まれ、腕を引っ張られ、非常に大変だ。
「お姉さん達、獣人の国って行ったことある?」
「獣人の国? バーミリオン王国のことですか。私は行ったことは無いですが、一度足を運んでみたいですね」
「ねぇねぇ、ノーザンスノーホワイトは?」
「最北端の国だね。あの国は吹雪が酷いから、こことは違って植物が育たないよ」
「七色の鳥って見たことある?」
「七色の鳥? ルカさん、なんのことでしょうか」
「多分極色鳥、カラフルバードだね。一部の地域にしか生息していないから、なかなか遭えないよ」
「海底の国ってあるの?」
「うーん、私の故郷だとそんなおとぎ話もあるみたいだよー? まあ、私は知らないけどねー」
ルカ達はその後も質問攻めが続いた。
体力が全て無くなるまで続いた。
気が付けば表情は芳しくなく、ルカは空を見上げて口走った。
「あー、疲れた」
ルカ達はエルフの集落に来て早々、人間知らずの種族による洗礼を浴びてしまった。
苦しい。疲れた。ゾーラとセレビュは手を貸してくれず、俯瞰して見守っている。
本当にこの集落がこの森が危機的状況なのか。疑ってしまう程の対応に、ルカ達は唖然とした。
普段とはまた一味違い景色に浮かれながらも、集落へと近づくにつれ、人の温かみのようなものを空気として感じ取る。
更にはたくさんの騒めきを聞き分けた。
エルフ達が談笑を楽しんでいるのだろう。
今の所警戒心のようなものは感じられない。
ただそこに在る。と言うだけで、ルカ達見知らぬ人間達が足を運んでも恐怖を感じていない模様だ。
恐らく、ほとんどのエルフ達はこの森から出たことがない。
ルカはある程度の予想を立てると、ギュッと胸の口を閉じた。
「ルカ、そんなに気負わなくてもいいよ?」
「そうですよ、この森のエルフ達は外の世界を知らないんです。抱擁してくれる筈ですよ」
「そうだろうけど……まあいいか」
ルカはゾーラとセレビュに諭され胸を撫でた。
確かにエルフ達は基本的に外の土地を離れない。
精霊信仰なども深く根付く場合が多く、土地神を大事に扱う。
それ故に外の脅威を知らないで、悠々自適に暮らす場合も少なくはなく、余所者を警戒する森騎士や森人を除けば、嬉々とした表情で、面白いものを見たとしか思わないのだと言う。
「だから大丈夫だよ」
「そうだよね、お姉ちゃん」
ゾーラとセレビュは自分達の世界を広げていた。
そこにルカ達が入る隙は無く、シルヴィアは頃合いを見て耳打ちをした。
「……ルカ、今の大丈夫?」
「大丈夫もなにも、エルフ族はその土地ごとに生態も習性も変わるから。生活様式だけで言えば一般的だけど、性格や内政までは分からないよ。だからここは信じてみよう」
「信じる……しかないわね」
シルヴィアは険しい表情を見せた。
しかしルカの言葉に一旦の信用を置くと、諦めたようにコクコクと首を縦に振るのだった。
「あっ! ゾーラ、セレビュ!」
「ゾーラとセレビュ!?」
「うわぁぁ! ゾーラとセレビュだ。ねぇねぇ、遊んで遊んで!」
集落に近付くと、一番近くに居たエルフがゾーラとセレビュに気が付いた。
それを皮切りに、たくさんのエルフ達が集まって来る。
ゾーラとセレビュは瞬く間に囲まれてしまい、身動き一つ取れなくなった。
「ねっ、抱擁力あるでしょ?」
「寛容ですよね」
「寛容って言うのかな、これ?」
ゾーラとセレビュはこの状況に慣れ切っているのか、見事にものにしてしまう。
まるで荒波を駆るサーファーのようで、ルカ達は一歩身を引いてしまう。
するとゾーラとセレビュを何個もの人の輪ができ上がると、近付くのさえ悍ましかった。
「これは気配を殺した方がいいような……」
「そうね。流石に姿を消して……」
ルカとシルヴィアが耳打ちをし合うと、エルフ達の耳がピクピク動く。
小さな音さえ聞き分けると、ルカ達のことを見つめた。
一つの視線が浮かび上がると、ルカとシルヴィアは目を見開く。
「人間!?」
「人間さん。人間さんだ!」
「もしかして、さっき森長さんが連れて来た人達だよね?」
「うわぁ、人間だ人間だ。私、初めて見たよ!」
嬉々とした表情がたくさん浮かんでいた。
ゾーラとセレビュを取り巻く人達全員に浸透し、爆発的に侵食する。
この状況はマズい。ルカとシルヴィアはいち早く気が付くが時すでに遅かった。
ギラギラとした好奇心の瞳が獲物を捉えると、齧り付くように襲い掛かった。
「うわわぁ!? なにこれー」
「る、ルカさん。なんだか怖いです」
「どうやら私達のことを歓迎していただいているようですが」
「そんなこと言ってる場合じゃないわよ。ううっ、息が……熱い」
ルカ達はエルフ達に囲まれてしまった。
まるでおしくらまんじゅうで、熱が帯びて気持ち悪い。
熱気が中央のルカ達を取り巻き、嬉々とした瞳とニコニコした口が動いた。
「ねえ人間さん、人間さんは何処から来たの?」
「えっと、マギアラよ」
「マギアラ?」
「スカーレット王国、西方の街ですよ。魔法の発展した街なんです」
「魔法の発展? 古代魔法とか、精霊魔法じゃないの?」
「えっと……そ、そうね。それに今は魔術で……うわぁ!」
エルフの少女が質問をすると、シルヴィアとダリアが代表して答えた。
息が詰まりそうな中、必死に口を動かすと、次から次へと質問が飛び交う。
「ま、魔術! 魔術ってなに」
「魔術は魔法を誰でも使えるようにしたものね」
「ねぇねぇ、人間ってなにを食べるの? やっぱり、植物だよね」
「次は食べ物!? 確かに植物も食べるけど、主食じゃ……うがぁ!」
シルヴィアは質問攻めにあっていた。
エルフ達に服を掴まれ、腕を引っ張られ、非常に大変だ。
「お姉さん達、獣人の国って行ったことある?」
「獣人の国? バーミリオン王国のことですか。私は行ったことは無いですが、一度足を運んでみたいですね」
「ねぇねぇ、ノーザンスノーホワイトは?」
「最北端の国だね。あの国は吹雪が酷いから、こことは違って植物が育たないよ」
「七色の鳥って見たことある?」
「七色の鳥? ルカさん、なんのことでしょうか」
「多分極色鳥、カラフルバードだね。一部の地域にしか生息していないから、なかなか遭えないよ」
「海底の国ってあるの?」
「うーん、私の故郷だとそんなおとぎ話もあるみたいだよー? まあ、私は知らないけどねー」
ルカ達はその後も質問攻めが続いた。
体力が全て無くなるまで続いた。
気が付けば表情は芳しくなく、ルカは空を見上げて口走った。
「あー、疲れた」
ルカ達はエルフの集落に来て早々、人間知らずの種族による洗礼を浴びてしまった。
苦しい。疲れた。ゾーラとセレビュは手を貸してくれず、俯瞰して見守っている。
本当にこの集落がこの森が危機的状況なのか。疑ってしまう程の対応に、ルカ達は唖然とした。
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