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エルフの森編
504.消えた二人を追って
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ルカ達はパークに弓を返却し、弓工房を立ち去った。
貴重な体験をしたのだが、ルカ達はドッと疲れが溜まっていた。
連続で疲労が溜まることをしたからで、頭を抱えさせられた。
「うっ、頭が痛いわ……」
「あはは、シルヴィは人慣れしてるでしょー?」
「そういう意味じゃなくて……はぁ、なんでもないわ」
シルヴィアはライラックに茶化される。
しかし反応して、わざわざ相槌を打つことさえ億劫だった。
それだけ疲労が蓄積されており、長旅の疲れもあり、顔色も悪い。
「せっかく森の外から来てくれたのに、疲れっぱなしは寂しいね」
「そうだね、お姉ちゃん」
一体誰のせいでこうなっているのか分かっていなかった。
ルカは呑気なゾーラとセレビュをチラ見し、視線の端に留める。
するとゾーラとセレビュは何か思いついたのか、頭の上に灯りが灯る。
「そうだ、セレビュ。私、良いこと思い付いたよ」
「同じだね、お姉ちゃん。私も思いついたよ」
流石は姉妹、考えは同じでまとまるのも早い。
ルカは顔色を窺うと、如何やら同系の考えらしい。
しかし何を考えているのかまでは読み切れず、ゾーラとセレビュはルカ達に声を掛けた。
「それじゃあ今度は、本当に良い場所に連れて行ってあげるよ」
「そうだね、お姉ちゃん。今度は本当に良い場所に連れて行ってあげる」
ゾーラとセレビュはそう答える。
けれど口振りが気に食わない。
シルヴィアはついつい口を滑らせてしまった。
「その言い方、まるでここまでは余談みたいな感じがするわね……あっ、すみません。別に嫌だったわけじゃなくてですね」
シルヴィアは必死に取り繕おうとした。
しかし既に時は遅い。一度言ってしまった言葉を取り消すのは難しかった。
「ん?」
「気にしていませんよ」
「そうだよ。あれはジョークだったから」
「じょ、ジョーク?」
ゾーラとセレビュは少し違っていた。
ここまでは本当に余談だったらしく、シルヴィアは表情を渋く訝しめた。
信用が一気に落ち込んだ瞬間を目撃し、ルカは憐れみさえ覚えるが、ゾーラとセレビュはまるで気にしていなかった。
「それじゃあ行こう」
「そうだね、お姉ちゃん。付いて来てください」
「あっ、ゾーラさん、セレビュさん! ……行っちゃった」
「追い掛けるしかないね」
ゾーラとセレビュはルカ達を置いて先に行く。
これはもう追い掛けるしかない。
ルカ達は疲れた足を引き攣ると、二人の背中を追い掛けることになった。
「ううっ、本当に良い場所なのかしら?」
「信じてみるしかないよ」
「信じるって言うのかしら、こう言うの?」
「それはそうですよね。でも私は楽しかったですよ!」
シルヴィアのネガティブな声に反応し、ルカは相槌を打ち続けた。
けれどダリアはポジティブに捉えていた。
それだけ日々の鍛錬の成果が出ているのだろう。
ルカはダリアの頭をソッと撫でると、クシャクシャになった髪の代わりに笑みを浮かべてくれた。
「くすぐったいです、ルカさん」
「ダリアは良い子だね。本当に良い子だよ」
「そうですね。ダリアさんは良い子ですよね」
「そうね。ダリア、ちゃんとしてるわね」
「えっ、ええっ!?」
ダリアは自分の評価に驚いていた。
けれどダリアには伝わっていないものの、ダリア自身凄く優しい。
だからだろうか。この振り回される状況でも、一切の愚痴を吐かなかった。
「でも流石に愚痴は吐いても良いと思うよー」
「ぐ、愚痴ですか?」
「そうだね。実際、二人共消えてる」
「「「えっ!?」」」
ライラックとルカは気が付いていた。
視線の先、先を歩いていたゾーラとセレビュの姿が無い。
忽然と姿を消すと、シルヴィア達気が付いていなかった組みは目を見張り、視線をキョロキョロ動かしていた。
「ちょっと待って、はぐれた? こんなに歩いて来たのに?」
「そう言えばここ、集落からかなり離れていますよね?」
「もしかすると私達を試しているのでしょうか?」
「な、なによそれ。私達、ダメダメってこと?」
「そうじゃないと思うけど……とにかく見るべきはそこじゃないかな」
テンパっているシルヴィア達。
確かに目の付け所は良く、ゾーラとセレビュの二人はルカ達を試しているようだ。
これも森長の指示なのだろうが、それなら応えてみせる。
それが一番手っ取り早かった。
「ちょっとルカ、ライ。二人共ずっと見ていたんでしょ? 何処に行ったのかくらい分かるわよね?」
「もちろん分かるよ。ねっ、ライ」
「うんうん。実際、目の前から消えただけだもんねー」
ルカとライは気が付いていた。実際、目で追っていたのだから迷うはずがない。
けれどシルヴィア達に答えは教えない。
理由は単純で、答えを教えただけだとゾーラとセレビュは認めてくれないと思ったからだ。
「全員で気が付くこと。それが条件だと思うよ」
「全員ができないとダメなの? それは流石に……」
「そうですよ。できないことがあったっていいと思います」
ダリアはシルヴィアの肩を持った。
得意不得意があってもいい。それこそがより良い社会で、個性を大事にするべきだと主張する。
その言葉を受けたのか、ルカは少しヒントを出した。これが答えだとばかりに、指先を突き付ける。
「私達は人間だよ。エルフの求める常識とは違うし、全てができると思わないことだよ。なんならこの森の火災を起こしたっていい。これは脅迫じゃないよ、この世で一番悍ましいのはただの人間なだけ」
ルカは威圧感を孕んだ殺気を飛ばした。
すると木々達が騒めき立ち、ガサガサと葉を散らせる。
「ああ、森が怒ってる」
「人間は恐ろしいことを考えるね、お姉ちゃん」
「うん。森長の言ってた通りだけど、それでも」
「仕方ないね、お姉ちゃん。私達は森長じゃないから」
そこまで答え終えると、ゾーラとセレビュの声が止んだ。
代わりに騒めく木々達が強靭な枝と蔦を下ろす。
まるで登って来るように指示しているようで、ルカ達は丁度目の前まで来た枝を頼りに、木の上に再び登るのだった。
貴重な体験をしたのだが、ルカ達はドッと疲れが溜まっていた。
連続で疲労が溜まることをしたからで、頭を抱えさせられた。
「うっ、頭が痛いわ……」
「あはは、シルヴィは人慣れしてるでしょー?」
「そういう意味じゃなくて……はぁ、なんでもないわ」
シルヴィアはライラックに茶化される。
しかし反応して、わざわざ相槌を打つことさえ億劫だった。
それだけ疲労が蓄積されており、長旅の疲れもあり、顔色も悪い。
「せっかく森の外から来てくれたのに、疲れっぱなしは寂しいね」
「そうだね、お姉ちゃん」
一体誰のせいでこうなっているのか分かっていなかった。
ルカは呑気なゾーラとセレビュをチラ見し、視線の端に留める。
するとゾーラとセレビュは何か思いついたのか、頭の上に灯りが灯る。
「そうだ、セレビュ。私、良いこと思い付いたよ」
「同じだね、お姉ちゃん。私も思いついたよ」
流石は姉妹、考えは同じでまとまるのも早い。
ルカは顔色を窺うと、如何やら同系の考えらしい。
しかし何を考えているのかまでは読み切れず、ゾーラとセレビュはルカ達に声を掛けた。
「それじゃあ今度は、本当に良い場所に連れて行ってあげるよ」
「そうだね、お姉ちゃん。今度は本当に良い場所に連れて行ってあげる」
ゾーラとセレビュはそう答える。
けれど口振りが気に食わない。
シルヴィアはついつい口を滑らせてしまった。
「その言い方、まるでここまでは余談みたいな感じがするわね……あっ、すみません。別に嫌だったわけじゃなくてですね」
シルヴィアは必死に取り繕おうとした。
しかし既に時は遅い。一度言ってしまった言葉を取り消すのは難しかった。
「ん?」
「気にしていませんよ」
「そうだよ。あれはジョークだったから」
「じょ、ジョーク?」
ゾーラとセレビュは少し違っていた。
ここまでは本当に余談だったらしく、シルヴィアは表情を渋く訝しめた。
信用が一気に落ち込んだ瞬間を目撃し、ルカは憐れみさえ覚えるが、ゾーラとセレビュはまるで気にしていなかった。
「それじゃあ行こう」
「そうだね、お姉ちゃん。付いて来てください」
「あっ、ゾーラさん、セレビュさん! ……行っちゃった」
「追い掛けるしかないね」
ゾーラとセレビュはルカ達を置いて先に行く。
これはもう追い掛けるしかない。
ルカ達は疲れた足を引き攣ると、二人の背中を追い掛けることになった。
「ううっ、本当に良い場所なのかしら?」
「信じてみるしかないよ」
「信じるって言うのかしら、こう言うの?」
「それはそうですよね。でも私は楽しかったですよ!」
シルヴィアのネガティブな声に反応し、ルカは相槌を打ち続けた。
けれどダリアはポジティブに捉えていた。
それだけ日々の鍛錬の成果が出ているのだろう。
ルカはダリアの頭をソッと撫でると、クシャクシャになった髪の代わりに笑みを浮かべてくれた。
「くすぐったいです、ルカさん」
「ダリアは良い子だね。本当に良い子だよ」
「そうですね。ダリアさんは良い子ですよね」
「そうね。ダリア、ちゃんとしてるわね」
「えっ、ええっ!?」
ダリアは自分の評価に驚いていた。
けれどダリアには伝わっていないものの、ダリア自身凄く優しい。
だからだろうか。この振り回される状況でも、一切の愚痴を吐かなかった。
「でも流石に愚痴は吐いても良いと思うよー」
「ぐ、愚痴ですか?」
「そうだね。実際、二人共消えてる」
「「「えっ!?」」」
ライラックとルカは気が付いていた。
視線の先、先を歩いていたゾーラとセレビュの姿が無い。
忽然と姿を消すと、シルヴィア達気が付いていなかった組みは目を見張り、視線をキョロキョロ動かしていた。
「ちょっと待って、はぐれた? こんなに歩いて来たのに?」
「そう言えばここ、集落からかなり離れていますよね?」
「もしかすると私達を試しているのでしょうか?」
「な、なによそれ。私達、ダメダメってこと?」
「そうじゃないと思うけど……とにかく見るべきはそこじゃないかな」
テンパっているシルヴィア達。
確かに目の付け所は良く、ゾーラとセレビュの二人はルカ達を試しているようだ。
これも森長の指示なのだろうが、それなら応えてみせる。
それが一番手っ取り早かった。
「ちょっとルカ、ライ。二人共ずっと見ていたんでしょ? 何処に行ったのかくらい分かるわよね?」
「もちろん分かるよ。ねっ、ライ」
「うんうん。実際、目の前から消えただけだもんねー」
ルカとライは気が付いていた。実際、目で追っていたのだから迷うはずがない。
けれどシルヴィア達に答えは教えない。
理由は単純で、答えを教えただけだとゾーラとセレビュは認めてくれないと思ったからだ。
「全員で気が付くこと。それが条件だと思うよ」
「全員ができないとダメなの? それは流石に……」
「そうですよ。できないことがあったっていいと思います」
ダリアはシルヴィアの肩を持った。
得意不得意があってもいい。それこそがより良い社会で、個性を大事にするべきだと主張する。
その言葉を受けたのか、ルカは少しヒントを出した。これが答えだとばかりに、指先を突き付ける。
「私達は人間だよ。エルフの求める常識とは違うし、全てができると思わないことだよ。なんならこの森の火災を起こしたっていい。これは脅迫じゃないよ、この世で一番悍ましいのはただの人間なだけ」
ルカは威圧感を孕んだ殺気を飛ばした。
すると木々達が騒めき立ち、ガサガサと葉を散らせる。
「ああ、森が怒ってる」
「人間は恐ろしいことを考えるね、お姉ちゃん」
「うん。森長の言ってた通りだけど、それでも」
「仕方ないね、お姉ちゃん。私達は森長じゃないから」
そこまで答え終えると、ゾーラとセレビュの声が止んだ。
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