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エルフの森編
524.炎の悪魔は不敵に笑う
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ルカ達はせっせと炎獣だったものの亡骸に刃物を突き刺す。
各々がピッケルやシャベルを手に岩を砕き、炎の失った内部に手を突っ込む。
この中にリングが埋まっている筈。
ゴソゴソと弄る様に腕を動かすと、滑らかな曲線が指先に触れた。
「これかな」
ルカは触れた物を指で挟み取り出す。
炎獣の中から取り出されたのは綺麗なリング。
まだ若干温もりを感じるが、魔力の余波のようなものだろう。
「やっぱり同じものだ」
「ってことは、同一犯よね?」
「そうだね。ダリア、視えるかな?」
「視てみますね。えーっと、うわぁ、なんですか、この淀んで濁った魔力は……み、視たくないです」
ダリアははっきりと申し出た。
それだけリングに残されていた魔力が不快なのだろう。
表情を訝しめ、すぐさま魔眼を使うのを辞めると、ダリアはルカにリングを返した。
「やっぱり……ってことは、この炎獣を作り出した相手は相当な強者なんだね」
「強者と言うよりもたちが悪い相手と言うべきではないでしょうか?」
「確かにね。たちは悪い上に、こんなもの、持っているだけで悪影響だ」
ルカはそう言うと、搔き集めたリング達を一つにまとめる。
手の中に閉じ込めると、その機能と仕様を完全に封じる。
「《タイム・ストップ》」
ルカはリングの機能だけを停止させた。
少ない魔力のおかげか、エルフの森に出る影響も少ない。
今できるのはこの程度で、ルカは時間の停止されたリングを宙に放り投げる。
「ブルースター、撃って!」
「いいんですか?」
「もちろん。ドカンと一発で破壊して」
「分かりました。《星の銃》!」
ブルースターは指先に残った魔力を搔き集める。
口走りながら魔術を唱えると、宙に投げられたリング達は粉々に破壊される。
散り散りになった金属がキラリと光ると、細かくなってエルフの森の養分になった。
「ルカ。リング壊して本当に良かったの?」
「もちろん。あんなもの、形を取り留めているだけで無駄だよ」
「それはそうだけど……って、それで悪い影響でも出たらどうするのよ?」
「大丈夫。そうなった時は、この森のエルフ達に任せるから」
「うっわ、最低ね」
「ありがとう。そう言って貰えてなによりだよ」
ルカはニヤリと笑みを浮かべる。
するとシルヴィアは怪訝な表情を浮かべた。
如何やらルカが珍しく嫌味なことを言ったからだろうが、そんなことはさておきだった。
「おーい、そっちは終わったの?」
離れた場所からゾーラが声を掛けた。
手を振って合図を出すと、炎獣の中からリングを取り出し終えたらしい。
ディンネルが他のエルフ達に指示を出し、セレビュがリングを袋に仕舞う。
「終わったよ」
「そっか。それじゃあこれから集落で宴をするんだけど、どうする?」
「「「また、宴……」」」
「あはは、チャカチャ村と同じだ」
この辺りの人達は人種関係無く宴が好きらしい。
とは言え宴にはあまりいい思い出が無い。
チャカチャ村の時のような油断が悲劇を招くかも。
そんな気が無くは無く、頬を掻きながらルカは表情を訝しめるも、一度集落に戻ることは変わらなかった。
「チャカチャ村と同じ?」
「どうしたのよ、ルカ?」
「……いや、なんでもないよ」
ルカは何となく嫌な予感がした。
しかし一度やられて凝りている筈。
ルカは自分の中で折りを付けると、「それはない」と拒絶して、集落に戻るのだった。
古の森。
その最深部の地下。
周囲を取り囲む魔力を喰らい、一人立ち尽くす姿があった。
「いやいや、面白いね。まさかここまで来てくれるなんて。これは楽しみだ」
ニヤリと笑みを浮かべると、頭から生やした角と牙のような鋭い歯。
二つが周囲の炎に揺らめき、異様に嘲笑っている。
「それにしても、この森のエルフ達はなかなかに優秀だ。これは贄には丁度良い」
自分の足下を睨み付ける。
嬉々とした笑みを浮かべると、転がっている朽ちた骨を踏み付けた。
「そろそろ俺も動こうか。森の魔力と軟弱エルフの肉じゃ物足りない。炎獣を屠る腕があるのなら、俺血肉にも持って来いだろうな。ふっはっはっはっ!」
細い腕を恰幅の良い服の内側に入れる。
そこにはたくさんのリングが入っていた。
ガラスの様にキラリとするリングを肉の無い指でなぞると、頭の中に断末魔が響いて心地が良い。
「ああ、いい。全く、本物を取っておいて良かった。この声、なんと美しいんだ。やはり来てよかった。この地は全く素晴らしい」
そうは言うものの、憎たらしくもあった。
自身の左腕。そこには手首より先が無い。
初めから無かったかのように切断面は存在せず、手が無いままになっていた。
「あの魔法使いもいるだろうか。いや、いて貰わなければ困る。俺の腕を試し、趣向を施すには、あの魔法使いでなければならない。さて、明日の夜。試しで仕方がないな、ふはははははははははははははは!」
全身を広げ、高笑いを始めた。
古の魔力漂う森の奥地で、嬉々とした表情が浮かび上がる。
苦しみあぐねる森。そこには生というものは存在しておらず、森の存在は痩せ細って消えて行くのだった。
各々がピッケルやシャベルを手に岩を砕き、炎の失った内部に手を突っ込む。
この中にリングが埋まっている筈。
ゴソゴソと弄る様に腕を動かすと、滑らかな曲線が指先に触れた。
「これかな」
ルカは触れた物を指で挟み取り出す。
炎獣の中から取り出されたのは綺麗なリング。
まだ若干温もりを感じるが、魔力の余波のようなものだろう。
「やっぱり同じものだ」
「ってことは、同一犯よね?」
「そうだね。ダリア、視えるかな?」
「視てみますね。えーっと、うわぁ、なんですか、この淀んで濁った魔力は……み、視たくないです」
ダリアははっきりと申し出た。
それだけリングに残されていた魔力が不快なのだろう。
表情を訝しめ、すぐさま魔眼を使うのを辞めると、ダリアはルカにリングを返した。
「やっぱり……ってことは、この炎獣を作り出した相手は相当な強者なんだね」
「強者と言うよりもたちが悪い相手と言うべきではないでしょうか?」
「確かにね。たちは悪い上に、こんなもの、持っているだけで悪影響だ」
ルカはそう言うと、搔き集めたリング達を一つにまとめる。
手の中に閉じ込めると、その機能と仕様を完全に封じる。
「《タイム・ストップ》」
ルカはリングの機能だけを停止させた。
少ない魔力のおかげか、エルフの森に出る影響も少ない。
今できるのはこの程度で、ルカは時間の停止されたリングを宙に放り投げる。
「ブルースター、撃って!」
「いいんですか?」
「もちろん。ドカンと一発で破壊して」
「分かりました。《星の銃》!」
ブルースターは指先に残った魔力を搔き集める。
口走りながら魔術を唱えると、宙に投げられたリング達は粉々に破壊される。
散り散りになった金属がキラリと光ると、細かくなってエルフの森の養分になった。
「ルカ。リング壊して本当に良かったの?」
「もちろん。あんなもの、形を取り留めているだけで無駄だよ」
「それはそうだけど……って、それで悪い影響でも出たらどうするのよ?」
「大丈夫。そうなった時は、この森のエルフ達に任せるから」
「うっわ、最低ね」
「ありがとう。そう言って貰えてなによりだよ」
ルカはニヤリと笑みを浮かべる。
するとシルヴィアは怪訝な表情を浮かべた。
如何やらルカが珍しく嫌味なことを言ったからだろうが、そんなことはさておきだった。
「おーい、そっちは終わったの?」
離れた場所からゾーラが声を掛けた。
手を振って合図を出すと、炎獣の中からリングを取り出し終えたらしい。
ディンネルが他のエルフ達に指示を出し、セレビュがリングを袋に仕舞う。
「終わったよ」
「そっか。それじゃあこれから集落で宴をするんだけど、どうする?」
「「「また、宴……」」」
「あはは、チャカチャ村と同じだ」
この辺りの人達は人種関係無く宴が好きらしい。
とは言え宴にはあまりいい思い出が無い。
チャカチャ村の時のような油断が悲劇を招くかも。
そんな気が無くは無く、頬を掻きながらルカは表情を訝しめるも、一度集落に戻ることは変わらなかった。
「チャカチャ村と同じ?」
「どうしたのよ、ルカ?」
「……いや、なんでもないよ」
ルカは何となく嫌な予感がした。
しかし一度やられて凝りている筈。
ルカは自分の中で折りを付けると、「それはない」と拒絶して、集落に戻るのだった。
古の森。
その最深部の地下。
周囲を取り囲む魔力を喰らい、一人立ち尽くす姿があった。
「いやいや、面白いね。まさかここまで来てくれるなんて。これは楽しみだ」
ニヤリと笑みを浮かべると、頭から生やした角と牙のような鋭い歯。
二つが周囲の炎に揺らめき、異様に嘲笑っている。
「それにしても、この森のエルフ達はなかなかに優秀だ。これは贄には丁度良い」
自分の足下を睨み付ける。
嬉々とした笑みを浮かべると、転がっている朽ちた骨を踏み付けた。
「そろそろ俺も動こうか。森の魔力と軟弱エルフの肉じゃ物足りない。炎獣を屠る腕があるのなら、俺血肉にも持って来いだろうな。ふっはっはっはっ!」
細い腕を恰幅の良い服の内側に入れる。
そこにはたくさんのリングが入っていた。
ガラスの様にキラリとするリングを肉の無い指でなぞると、頭の中に断末魔が響いて心地が良い。
「ああ、いい。全く、本物を取っておいて良かった。この声、なんと美しいんだ。やはり来てよかった。この地は全く素晴らしい」
そうは言うものの、憎たらしくもあった。
自身の左腕。そこには手首より先が無い。
初めから無かったかのように切断面は存在せず、手が無いままになっていた。
「あの魔法使いもいるだろうか。いや、いて貰わなければ困る。俺の腕を試し、趣向を施すには、あの魔法使いでなければならない。さて、明日の夜。試しで仕方がないな、ふはははははははははははははは!」
全身を広げ、高笑いを始めた。
古の魔力漂う森の奥地で、嬉々とした表情が浮かび上がる。
苦しみあぐねる森。そこには生というものは存在しておらず、森の存在は痩せ細って消えて行くのだった。
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