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エルフの森編
523.炎獣討伐完了?
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炎の渦が晴れ、崩れた炎獣達が転がる。
ダリアの安否を確認すると、ようやくルカ達は一息入れる。
無事に炎獣を倒し切り、集落を守り切った。
その安心感からか、壮大な歓喜の声が上がる。
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
騒然とした挙句、絶望の淵に立たされてたエルフ達が立ち上がる。
顔面蒼白だった表情はもはや光しかない。
“勝った”“守り切った”。そんな希望的な称賛が贈られると、腑抜けた様子は一切無く、堂々とした振る舞いで立ち上がる。
「勝った、勝ったぞ!」
「俺達の勝利だ」
「集落は、集落は無事だな……はぁ、良かった」
「森は……火災の余波無し。うぉっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
エルフの一般兵達が歓喜に満ち溢れる中、ディンネル達エルフの幹部や、シルヴィア達魔術師の卵組は違った。
シルヴィア達は森の中に消えたルカを捜し、最後に炎獣を倒したダリアの下に向かった。
一方のディンネル達は冷静に指示を出す。
「騒がしいぞ、静かにしろ」
「「「森長様!?」」」
「いいか、炎獣の動きが完全に止まり次第、体内からリングを摘出する。そこまでが炎獣討伐だ。それまでは休んでいいが、気を引き締めて置け。いいな」
「「「はい!」」」
ディンネルは的確かつ冷静な指示の下、統率を取ることにした。
周囲に転がる二十近い炎獣の亡骸。
そのどれもに触媒となったリングがあると言うことは、一つ一つ回収しなければならない。
手が足りないここと、岩が未だに熱を持っていることなどから、二次災害を懸念しつつ、ジッと眺めて待つことにした。
「ダリア、お疲れ」
「ル、ルカさん!? わ、私、倒しましたよ」
「うん、見てた。カッコ良かったよ」
「本当ですか! えへへ、ありがとうございます」
ダリアの下に一番に寄ったのはルカだった。
疲れた様子は無いが、放心しているダリアに声を掛けると、凄く喜んでくれる。
ルカも嬉しくて頭を撫でると、頑張った甲斐があったからか、ダリアは顔を真っ赤にして興奮する。
「ところでルカさん、私、どうでしたか?」
「どうって?」
「えっと、私の先生……って言っても分かりませんよね? 色んな剣を使って見たんです。魔眼を使った色んな魔法も。ルカさんの目にはどう映りましたか? その、騎士らしかったですか?」
ダリアは騎士らしさを気にしていた。
それはダリアの師でもある先生と重ねたからだ。
もちろん比べることはできない。なにせ実力に大きな開きがあるからだ。
おまけにルカはダリアの先生を知らない……体でいるので、何となく想像しつつ、悩みながらも言葉を吐く。
「騎士らしいかは分からないけれど、ダリアらしく炎系の魔法を多用してたね。後、華奢な体に似合わない大剣や、速度重視のレイピア、《ファイアダーツ》を使った技巧は確かだったよ」
「それじゃあ……」
「とは言え騎士らしいとは言えないかな。もちろん、騎士には色んな種類があるけれど、一人の剣士としてカウントした方が良いと思うよ」
「剣士……ですか?」
「そう。人の個性も千差万別。ダリアの剣だって騎士でもあるし剣士でもある。ただそれだけの話だよ。って、私は思うな」
ルカは真面目な回答を返した。
するとダリアは黙り込んでしまう。
刺さったのか、思っていた答えと違い幻滅したのか、それは分からないが、何か引っかかったらしい。
「ルカさんは私の先生と相性いいかもしれません」
「そう? 話が合えばいいけど」
「絶対に合います! 私が保証します!」
ダリアは必要に無い保証をした。
にこりと微笑み、満足感を得ると、ルカは再度ダリアの頭を撫で回した。
髪がクシャクシャになると、集まって来たシルヴィアに変な目を向けられる。
「ルカ、ダリアは一応スカーレット王国の第三王女なのよ? そんなに撫でたらダメでしょ?」
「シルヴィ、もしかして終わった?」
「終わったもなにも、任せたのはルカでしょ? どうせ、見てたんでしょ?」
「もちろん。みんなお疲れ様」
「お疲れさまでした」
ブルースターは代表して頭を下げる。
如何やら疲れはそこまで無いようで、 魔力の乱れがあるだけだ。
「みんな、魔力が減ってるね」
「そんなの当たり前だよー。炎獣、私達だけで半分倒したんだよー?」
「そういうライは、魔力に乱れも無いみたいだけど?」
「ですね」
「なっ!? まさかサボってたの?」
「サボってないよー? 私の魔糸はそんなに魔力を使わないだけ」
(それができるのは、ライが優れた魔術師だからだけど……隠す気ならそれでいいや)
ルカは無駄な詮索はしなかった。
だからだろうか。ライはニコニコ不気味な笑顔を浮かべている。
追及するなオーラを知らずに出すと、ルカは周囲を一望する。
「とりあえず終わったかな?」
「見たら分かるでしょ、もう終わったのよ」
「シルヴィ、本当にそう思う?」
「なに、また私達を試しているの?」
「そんなつもりは無いけど……見るべきはそこじゃないけどね」
「はっ!?」
シルヴィアは不審に思ったのか、眉根を寄せてしまった。
はっ? と表情を歪めると、もう一度炎獣達を見る。
全員倒されていて、二次災害の被害も無さそうだ。
「なにも無いわよ?」
「炎獣じゃないよ。本当に見るべき問題は……まあその前に、リングを回収しようか」
「そうですね。リングを回収して、再び動き出す前に取り除きましょうか」
「はい、任せてください」
「仕方ないなー」
ルカの号令に合わせ、ブルースター達は作業を始める。
ダリアから借りた刃物を用いて、硬い岩を破壊する。
コールド・ストッパーには触れずに作業を黙々と始めると、シルヴィアはポカンとする。
「あっ、ちょっと待ってルカ! まだ話は終わってない」
そうは言いつつ自分だけ作業に手が付かない。
真面目なシルヴィアには耐え難い。
心の面持ちが付かない中、身震いしながら作業を始めた。
「あー、もう分かったわよ」
シルヴィアも刃物を手にする。
炎獣に跨ると、岩に刃物を突き刺す。
硬い体を剥がし落としながら、残った体力を擦り減らし、リング回収に急ぐのだった。
ダリアの安否を確認すると、ようやくルカ達は一息入れる。
無事に炎獣を倒し切り、集落を守り切った。
その安心感からか、壮大な歓喜の声が上がる。
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
騒然とした挙句、絶望の淵に立たされてたエルフ達が立ち上がる。
顔面蒼白だった表情はもはや光しかない。
“勝った”“守り切った”。そんな希望的な称賛が贈られると、腑抜けた様子は一切無く、堂々とした振る舞いで立ち上がる。
「勝った、勝ったぞ!」
「俺達の勝利だ」
「集落は、集落は無事だな……はぁ、良かった」
「森は……火災の余波無し。うぉっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
エルフの一般兵達が歓喜に満ち溢れる中、ディンネル達エルフの幹部や、シルヴィア達魔術師の卵組は違った。
シルヴィア達は森の中に消えたルカを捜し、最後に炎獣を倒したダリアの下に向かった。
一方のディンネル達は冷静に指示を出す。
「騒がしいぞ、静かにしろ」
「「「森長様!?」」」
「いいか、炎獣の動きが完全に止まり次第、体内からリングを摘出する。そこまでが炎獣討伐だ。それまでは休んでいいが、気を引き締めて置け。いいな」
「「「はい!」」」
ディンネルは的確かつ冷静な指示の下、統率を取ることにした。
周囲に転がる二十近い炎獣の亡骸。
そのどれもに触媒となったリングがあると言うことは、一つ一つ回収しなければならない。
手が足りないここと、岩が未だに熱を持っていることなどから、二次災害を懸念しつつ、ジッと眺めて待つことにした。
「ダリア、お疲れ」
「ル、ルカさん!? わ、私、倒しましたよ」
「うん、見てた。カッコ良かったよ」
「本当ですか! えへへ、ありがとうございます」
ダリアの下に一番に寄ったのはルカだった。
疲れた様子は無いが、放心しているダリアに声を掛けると、凄く喜んでくれる。
ルカも嬉しくて頭を撫でると、頑張った甲斐があったからか、ダリアは顔を真っ赤にして興奮する。
「ところでルカさん、私、どうでしたか?」
「どうって?」
「えっと、私の先生……って言っても分かりませんよね? 色んな剣を使って見たんです。魔眼を使った色んな魔法も。ルカさんの目にはどう映りましたか? その、騎士らしかったですか?」
ダリアは騎士らしさを気にしていた。
それはダリアの師でもある先生と重ねたからだ。
もちろん比べることはできない。なにせ実力に大きな開きがあるからだ。
おまけにルカはダリアの先生を知らない……体でいるので、何となく想像しつつ、悩みながらも言葉を吐く。
「騎士らしいかは分からないけれど、ダリアらしく炎系の魔法を多用してたね。後、華奢な体に似合わない大剣や、速度重視のレイピア、《ファイアダーツ》を使った技巧は確かだったよ」
「それじゃあ……」
「とは言え騎士らしいとは言えないかな。もちろん、騎士には色んな種類があるけれど、一人の剣士としてカウントした方が良いと思うよ」
「剣士……ですか?」
「そう。人の個性も千差万別。ダリアの剣だって騎士でもあるし剣士でもある。ただそれだけの話だよ。って、私は思うな」
ルカは真面目な回答を返した。
するとダリアは黙り込んでしまう。
刺さったのか、思っていた答えと違い幻滅したのか、それは分からないが、何か引っかかったらしい。
「ルカさんは私の先生と相性いいかもしれません」
「そう? 話が合えばいいけど」
「絶対に合います! 私が保証します!」
ダリアは必要に無い保証をした。
にこりと微笑み、満足感を得ると、ルカは再度ダリアの頭を撫で回した。
髪がクシャクシャになると、集まって来たシルヴィアに変な目を向けられる。
「ルカ、ダリアは一応スカーレット王国の第三王女なのよ? そんなに撫でたらダメでしょ?」
「シルヴィ、もしかして終わった?」
「終わったもなにも、任せたのはルカでしょ? どうせ、見てたんでしょ?」
「もちろん。みんなお疲れ様」
「お疲れさまでした」
ブルースターは代表して頭を下げる。
如何やら疲れはそこまで無いようで、 魔力の乱れがあるだけだ。
「みんな、魔力が減ってるね」
「そんなの当たり前だよー。炎獣、私達だけで半分倒したんだよー?」
「そういうライは、魔力に乱れも無いみたいだけど?」
「ですね」
「なっ!? まさかサボってたの?」
「サボってないよー? 私の魔糸はそんなに魔力を使わないだけ」
(それができるのは、ライが優れた魔術師だからだけど……隠す気ならそれでいいや)
ルカは無駄な詮索はしなかった。
だからだろうか。ライはニコニコ不気味な笑顔を浮かべている。
追及するなオーラを知らずに出すと、ルカは周囲を一望する。
「とりあえず終わったかな?」
「見たら分かるでしょ、もう終わったのよ」
「シルヴィ、本当にそう思う?」
「なに、また私達を試しているの?」
「そんなつもりは無いけど……見るべきはそこじゃないけどね」
「はっ!?」
シルヴィアは不審に思ったのか、眉根を寄せてしまった。
はっ? と表情を歪めると、もう一度炎獣達を見る。
全員倒されていて、二次災害の被害も無さそうだ。
「なにも無いわよ?」
「炎獣じゃないよ。本当に見るべき問題は……まあその前に、リングを回収しようか」
「そうですね。リングを回収して、再び動き出す前に取り除きましょうか」
「はい、任せてください」
「仕方ないなー」
ルカの号令に合わせ、ブルースター達は作業を始める。
ダリアから借りた刃物を用いて、硬い岩を破壊する。
コールド・ストッパーには触れずに作業を黙々と始めると、シルヴィアはポカンとする。
「あっ、ちょっと待ってルカ! まだ話は終わってない」
そうは言いつつ自分だけ作業に手が付かない。
真面目なシルヴィアには耐え難い。
心の面持ちが付かない中、身震いしながら作業を始めた。
「あー、もう分かったわよ」
シルヴィアも刃物を手にする。
炎獣に跨ると、岩に刃物を突き刺す。
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