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炎の悪魔編
534.何処の世界でも子供は子供
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「うーん、外の世界よね? 私もそこまで行ったことがある訳じゃないけど、面白い場所は結構あるわよ」
「本当!?」
「聞かせて聞かせて!」
「いいわよ。ついでに私達の冒険譚も聞かせてあげるわ」
「「「やったぁー!」」」
シルヴィアは子供達に“森の外”の話を披露していた。
しかも自分の経験に基づくもので、リアリティは高い。
集まって聞いている子供達も楽しそうだ。
「えっと、森には行っちゃダメです」
「どうして?」
「森に遊びに行きたいよー」
一方のダリアも子供達に囲まれていた。
みんな森に行って遊びたいらしい。
だけど炎の悪魔が潜んでいる以上、危険極まりないので、ダリアも頭を使った。
「それじゃあ私と遊びませんか?」
「「えっ、お姉ちゃんと!?」
「うん。それじゃあ鬼ごっこをしましょう。私が鬼をします……ガォー、食べちゃうぞー」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
子供達は一斉に逃げ出した。
ダリアは威圧感を解放し、狼のような素振りを見せる。
一体何処が鬼ごっこなのか。これじゃあ狼ごっこじゃないかと、適当なツッコミはせず、ルカはダリアの頑張りを見届ける。
「外の世界の果実ですか?」
「うん。この森に生えている木の実、もう飽きちゃった」
「だよねー。全部変な味だもんねー」
「そうですか? かなり貴重な物ですが……確かにエルフの森の外に生っている果実の中には珍しいものもありますよ。この森にもあるような、定番のものもそうですが、フランジェスと呼ばれる花の花弁の形をした果実を使ったお菓子や……」
「「お菓子!?」」
「はい、お菓子です。とても風味が強く、花の香りがするんですよ」
「「食べたい―」」
「すみません、今は手持ちが無く……」
「「えー、食べたい食べたい!」」
子供達が駄々をこね始めた。
だけどこれも仕方がない。子供ってそういう生き物だ。
ルカは客観的に見守ると、ライラックの方にも視線を向けた。
何やら糸を使って芸を披露していた。
「それじゃあ見ててねー」
「糸?」
「糸でなにか巻き取るの?」
「巻き取らないよー。私がするのはねー、ひょいっと!」
「「クマのぬいぐるみだー!」」
ライラックは一芸を披露していた。
なんと魔糸を使ってぬいぐるみを瞬時に編んでしまう。
大きさとしては鞄に付けるくらいだろうか?
それでも精巧に作られていて、ライラックの技術の高さを言わしめる。
「凄いな、みんな」
ルカはそんな友達のコミュ力の高さに圧倒されていた。
と言うのも、一人だけ子供達から離れている。
子供が苦手なこともあるが、なにをしてあげればいいのか、具体的に分からなかった。
「私のは、子供たちに伝わらない可能性があるからね……」
実際、大人にも伝わらないこともある。
やはり千年前のものは異質過ぎて取っ掛かりが無いのだろう。
そう思って肩を落とすと、目の前に少年と少女がやって来る。
顔立ちが似ているが、双子だろうか?
「ねぇ、お姉さん」
「ん、なに?」
「お姉さんは遊ばないの?」
「お姉ちゃんは遊んでくれないの?」
如何やら催促に来たらしい。
シルヴィア達の交流では満足しなかったのか、果たして飽きてしまったのか。
その真意は決して分からないのだが、如何やらルカを所望らしい。
果て、なにも考えていなかったが、どうしようか?
「私と遊びたいの?」
「お姉さんも凄い人なんでしょ!」
「ねぇねぇ、外の世界の魔法、見せてよ!」
「外の世界の魔法?」
この森の子供達は外の世界を知らない。
そのせいだろうか。今、外の世界では魔法なんてものはほとんどおとぎ話だ。
魔術が主流になっている今、“外の世界の魔法”なんてものは無い。
「それじゃあ外の世界の魔術を見せるよ。見ててね」
ルカは両手のひらを合わせる。
ピタッと指先までくっつけると、内側でバチバチと魔力が迸る。
紫電が光り、エルフの子供たちの目を惹いた。
「うわぁ、綺麗」
「これが外の世界の魔法なの?」
「まだまだ、こんなものじゃないよ」
そう言うと、ルカは手のひらを離した。
ビリビリと紫電を放ち、手の中から現れたのは紫色の玉。
電気と気流を纏うと、ルカの指先の上でクルクルと回転する。
「綺麗でしょ?」
「「うん、とっても綺麗」」
「そうだね、それじゃあもう少し……それっ」
ルカはまるで糸で釣ったみたいに紫色の玉を操る。
ギュインと音を立て、宙で高速縦回転を披露した。
「うわぁ、速い速い!」
「なに、それ。どうやってるの?」
「これは魔素を電気に変換して、変換した電気によって放熱された熱を使って気流を起こしているんだよ。後は指先の感覚で上手く回転軸を合わせると、こんな風にね!」
ルカは紫色の玉を空に投げた。
エルフの子供たちの視線が引っ張られる。
首が上を浮き、紫色の玉を追うと、パチンと弾けて安全な火花を散らした。
「たまや~」
「「たまや?」」
「なんでもないよ。でも綺麗でしょ。簡素な花火だけど」
「「花火? うん、とっても綺麗」」
エルフの子供達は当然見たことが無いものだった。
ルカが作り出したのは簡素な花火。
紫色の玉が手元から消えると、エルフの子供達の視線と好奇心を釘付けにするのだった。
(やっぱり、子供って単純でいいな)
ルカはエルフの子供達とはいえ、ただの子供として捉えていた。
きっとシルヴィア達よりも年上だろう。
それでもエルフにとっては歳相応。そう思えば思えるほど、ルカは頬に手を置くと、ぼんやりした。
「本当!?」
「聞かせて聞かせて!」
「いいわよ。ついでに私達の冒険譚も聞かせてあげるわ」
「「「やったぁー!」」」
シルヴィアは子供達に“森の外”の話を披露していた。
しかも自分の経験に基づくもので、リアリティは高い。
集まって聞いている子供達も楽しそうだ。
「えっと、森には行っちゃダメです」
「どうして?」
「森に遊びに行きたいよー」
一方のダリアも子供達に囲まれていた。
みんな森に行って遊びたいらしい。
だけど炎の悪魔が潜んでいる以上、危険極まりないので、ダリアも頭を使った。
「それじゃあ私と遊びませんか?」
「「えっ、お姉ちゃんと!?」
「うん。それじゃあ鬼ごっこをしましょう。私が鬼をします……ガォー、食べちゃうぞー」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
子供達は一斉に逃げ出した。
ダリアは威圧感を解放し、狼のような素振りを見せる。
一体何処が鬼ごっこなのか。これじゃあ狼ごっこじゃないかと、適当なツッコミはせず、ルカはダリアの頑張りを見届ける。
「外の世界の果実ですか?」
「うん。この森に生えている木の実、もう飽きちゃった」
「だよねー。全部変な味だもんねー」
「そうですか? かなり貴重な物ですが……確かにエルフの森の外に生っている果実の中には珍しいものもありますよ。この森にもあるような、定番のものもそうですが、フランジェスと呼ばれる花の花弁の形をした果実を使ったお菓子や……」
「「お菓子!?」」
「はい、お菓子です。とても風味が強く、花の香りがするんですよ」
「「食べたい―」」
「すみません、今は手持ちが無く……」
「「えー、食べたい食べたい!」」
子供達が駄々をこね始めた。
だけどこれも仕方がない。子供ってそういう生き物だ。
ルカは客観的に見守ると、ライラックの方にも視線を向けた。
何やら糸を使って芸を披露していた。
「それじゃあ見ててねー」
「糸?」
「糸でなにか巻き取るの?」
「巻き取らないよー。私がするのはねー、ひょいっと!」
「「クマのぬいぐるみだー!」」
ライラックは一芸を披露していた。
なんと魔糸を使ってぬいぐるみを瞬時に編んでしまう。
大きさとしては鞄に付けるくらいだろうか?
それでも精巧に作られていて、ライラックの技術の高さを言わしめる。
「凄いな、みんな」
ルカはそんな友達のコミュ力の高さに圧倒されていた。
と言うのも、一人だけ子供達から離れている。
子供が苦手なこともあるが、なにをしてあげればいいのか、具体的に分からなかった。
「私のは、子供たちに伝わらない可能性があるからね……」
実際、大人にも伝わらないこともある。
やはり千年前のものは異質過ぎて取っ掛かりが無いのだろう。
そう思って肩を落とすと、目の前に少年と少女がやって来る。
顔立ちが似ているが、双子だろうか?
「ねぇ、お姉さん」
「ん、なに?」
「お姉さんは遊ばないの?」
「お姉ちゃんは遊んでくれないの?」
如何やら催促に来たらしい。
シルヴィア達の交流では満足しなかったのか、果たして飽きてしまったのか。
その真意は決して分からないのだが、如何やらルカを所望らしい。
果て、なにも考えていなかったが、どうしようか?
「私と遊びたいの?」
「お姉さんも凄い人なんでしょ!」
「ねぇねぇ、外の世界の魔法、見せてよ!」
「外の世界の魔法?」
この森の子供達は外の世界を知らない。
そのせいだろうか。今、外の世界では魔法なんてものはほとんどおとぎ話だ。
魔術が主流になっている今、“外の世界の魔法”なんてものは無い。
「それじゃあ外の世界の魔術を見せるよ。見ててね」
ルカは両手のひらを合わせる。
ピタッと指先までくっつけると、内側でバチバチと魔力が迸る。
紫電が光り、エルフの子供たちの目を惹いた。
「うわぁ、綺麗」
「これが外の世界の魔法なの?」
「まだまだ、こんなものじゃないよ」
そう言うと、ルカは手のひらを離した。
ビリビリと紫電を放ち、手の中から現れたのは紫色の玉。
電気と気流を纏うと、ルカの指先の上でクルクルと回転する。
「綺麗でしょ?」
「「うん、とっても綺麗」」
「そうだね、それじゃあもう少し……それっ」
ルカはまるで糸で釣ったみたいに紫色の玉を操る。
ギュインと音を立て、宙で高速縦回転を披露した。
「うわぁ、速い速い!」
「なに、それ。どうやってるの?」
「これは魔素を電気に変換して、変換した電気によって放熱された熱を使って気流を起こしているんだよ。後は指先の感覚で上手く回転軸を合わせると、こんな風にね!」
ルカは紫色の玉を空に投げた。
エルフの子供たちの視線が引っ張られる。
首が上を浮き、紫色の玉を追うと、パチンと弾けて安全な火花を散らした。
「たまや~」
「「たまや?」」
「なんでもないよ。でも綺麗でしょ。簡素な花火だけど」
「「花火? うん、とっても綺麗」」
エルフの子供達は当然見たことが無いものだった。
ルカが作り出したのは簡素な花火。
紫色の玉が手元から消えると、エルフの子供達の視線と好奇心を釘付けにするのだった。
(やっぱり、子供って単純でいいな)
ルカはエルフの子供達とはいえ、ただの子供として捉えていた。
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