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炎の悪魔編
549.適材適所の行動を
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何をよりもすべきこと。
それは、集落に住む人々を守ることだ。
「腸が煮えくり返りそうだが、まずは避難が先決だ」
ディンネルは頭を抑えつつ、冷静に物事を見直す。
混乱し、何処に逃げればいいのか分かっていない、エルフの人々。
そんなか弱い住民を避難させることが、森長としての最優先事項だった。
「でも、森長。この火事の中で、逃げるなんて無理だよね?」
「そうだね、お姉ちゃん。あの赤い空が炎を閉じ込めているのなら、その外側に出ることはできないよね、森長」
ゾーラとセレビュの読みはある程度正しい。
空が赤く染まり、このままでは、森の外に出ることさえできない。
それだけ強力な魔法によって決壊が張られており、ルカ達は閉じ込められているも同じだった。
「ルカ、貴女の魔術でどうにかならないの?」
「できるけど、私の力をここで解放すれば、とんでもないことになるよ」
「と、とんでもないことって?」
「存在が消し飛ぶ。もちろん私以外の全てがね。敵も味方も全てが更地。最初からいない存在になるだけ。それでもいい?」
「よ、よくないわよ。上段にしてもキツいでしょ?」
「……冗談じゃないけどね」
ルカに頼るシルヴィアは、逆に悍ましい言葉を発せられた。
冗談にしては恐ろしく、完全にビビり、身震いする。
ルカとしては冗談でも無いのだが、どんな形であれ、却下されたのは確かだ。
「よし、地上がダメなら、地下に行け。この先の川と森は干上がっているようだが、地下にならまだ水が残っている筈だ。そこなら、しばらくは持つだろう」
ディンネルはそうこうしている間に考えをまとめた。
如何やらエルフの森の地下には、ちょっとした空間が広がっているらしい。
住民のほとんどを避難させるには充分らしく、早速ゾーラとセレビュは行動に移る。
「それじゃあ、私達が避難させるよ」
「そうだね、お姉ちゃん」
「頼んだぞ、二人共」
「「はい」」
ゾーラとセレビュは素早く移動した。
まだ燃えていない木を伝い、住民達を誘導する。
テキパキとした動きは目を見張る中、次の行動に移ろうとするディンネルは、他のエルフから声を掛けられた。
「森長!」
「その声は、ハルパンか」
ディンネルの後ろには、エルフの幹部が居た。
手にはバケツを持っており、宙には水の玉が浮かんでいる。
積極的に火事を消化しようと必死だ。
「森長、どうなってるんだ、この状況?」
「私にも分からない。だが、これが私の恐れていたことだ」
「ってことは、森長の予想は当たってたってことなんだ。んじゃ、俺達はどうすれば?」
「決まっているだろ。お前がしている行動が、正しい行動だ」
ハルパンは、動けるエルフの兵達を動かし、率先して、火事を消している。
それが正しい講堂で、ディンネルはルカの言葉を思い返す。
「誰かを頼るか……ハルパン、お前は、動ける兵を使って、少しでも家事を消化しろ」
「えっ、それじゃあ森長は?」
「私は原因究明に当たる。ここは適材適所だ。それと、逃げ遅れた住民がいれば、地下に避難誘導を頼んだ。幹部達を使ってもいい、頼めるか?」
ハルパンは重要な仕事を与えられる。
ゴクリと息を飲み、水の玉の中に、気泡が浮かぶ。
緊張感が漂う中、ハルパンは、ディンネルの言葉を飲む。
「分かりました。お任せください!」
「頼んだぞ」
「はい!」
そう言うと、自身を持ってハルパンは飛び出す。
エルフの兵を何人か連れ、逃げ遅れた住民にために尽力する。
「森長!」
「ん? お前は……」
「ケイビン。どうしたの、こんな所で?」
そこにやって来たエルフはまだ居た。
ルカに魔術を教わったケイビンが姿を現し、森長の前で堂々とする。
「森長、俺も消火を手伝います」
「お前がか? 確かお前は、魔術師部隊の筈だが?」
「だからこそです。俺には戦うだけの魔術も、魔法なんてとてもじゃないけど、才能が無い。けれど消火活動くらいならできます。やらせてください、森長」
ケイビンは熱く語った。目で訴えかけている。
ルカはケイビンの努力を知っている。
だからこそ、ディンネルに伝わって欲しかった。
「……いいだろう。だが、しくじるなよ。火に油を注げば、より一層、この森の“死”は早まるだけだ」
「分かっています。では、行かせていただきます」
ケイビンはそう言うと、集落の方に向かう。
そんなケイビンが横切る瞬間、ルカは背中を押す。
「まあ、気楽にやればいいよ」
「ありがとう、ルカ君」
ケイビンは、集落に向かって走った。
ルカもケイビンがこの半日でどれだけ成長したものか、見ものだった。
とは言え、今はそんなことをする暇は無い。
ルカはディンネルに訊ねる。
「それで、私達は?」
「決まっているだろ。まずは炎獣の処理だ」
「まあ、賢明かな」
ルカ達の役目は、襲い来る炎獣の討伐だ。
きっと数は多いのだろう。
ここからが最終局面。ルカ達は気を奮い立たせると、炎獣を倒しに向かった。
それは、集落に住む人々を守ることだ。
「腸が煮えくり返りそうだが、まずは避難が先決だ」
ディンネルは頭を抑えつつ、冷静に物事を見直す。
混乱し、何処に逃げればいいのか分かっていない、エルフの人々。
そんなか弱い住民を避難させることが、森長としての最優先事項だった。
「でも、森長。この火事の中で、逃げるなんて無理だよね?」
「そうだね、お姉ちゃん。あの赤い空が炎を閉じ込めているのなら、その外側に出ることはできないよね、森長」
ゾーラとセレビュの読みはある程度正しい。
空が赤く染まり、このままでは、森の外に出ることさえできない。
それだけ強力な魔法によって決壊が張られており、ルカ達は閉じ込められているも同じだった。
「ルカ、貴女の魔術でどうにかならないの?」
「できるけど、私の力をここで解放すれば、とんでもないことになるよ」
「と、とんでもないことって?」
「存在が消し飛ぶ。もちろん私以外の全てがね。敵も味方も全てが更地。最初からいない存在になるだけ。それでもいい?」
「よ、よくないわよ。上段にしてもキツいでしょ?」
「……冗談じゃないけどね」
ルカに頼るシルヴィアは、逆に悍ましい言葉を発せられた。
冗談にしては恐ろしく、完全にビビり、身震いする。
ルカとしては冗談でも無いのだが、どんな形であれ、却下されたのは確かだ。
「よし、地上がダメなら、地下に行け。この先の川と森は干上がっているようだが、地下にならまだ水が残っている筈だ。そこなら、しばらくは持つだろう」
ディンネルはそうこうしている間に考えをまとめた。
如何やらエルフの森の地下には、ちょっとした空間が広がっているらしい。
住民のほとんどを避難させるには充分らしく、早速ゾーラとセレビュは行動に移る。
「それじゃあ、私達が避難させるよ」
「そうだね、お姉ちゃん」
「頼んだぞ、二人共」
「「はい」」
ゾーラとセレビュは素早く移動した。
まだ燃えていない木を伝い、住民達を誘導する。
テキパキとした動きは目を見張る中、次の行動に移ろうとするディンネルは、他のエルフから声を掛けられた。
「森長!」
「その声は、ハルパンか」
ディンネルの後ろには、エルフの幹部が居た。
手にはバケツを持っており、宙には水の玉が浮かんでいる。
積極的に火事を消化しようと必死だ。
「森長、どうなってるんだ、この状況?」
「私にも分からない。だが、これが私の恐れていたことだ」
「ってことは、森長の予想は当たってたってことなんだ。んじゃ、俺達はどうすれば?」
「決まっているだろ。お前がしている行動が、正しい行動だ」
ハルパンは、動けるエルフの兵達を動かし、率先して、火事を消している。
それが正しい講堂で、ディンネルはルカの言葉を思い返す。
「誰かを頼るか……ハルパン、お前は、動ける兵を使って、少しでも家事を消化しろ」
「えっ、それじゃあ森長は?」
「私は原因究明に当たる。ここは適材適所だ。それと、逃げ遅れた住民がいれば、地下に避難誘導を頼んだ。幹部達を使ってもいい、頼めるか?」
ハルパンは重要な仕事を与えられる。
ゴクリと息を飲み、水の玉の中に、気泡が浮かぶ。
緊張感が漂う中、ハルパンは、ディンネルの言葉を飲む。
「分かりました。お任せください!」
「頼んだぞ」
「はい!」
そう言うと、自身を持ってハルパンは飛び出す。
エルフの兵を何人か連れ、逃げ遅れた住民にために尽力する。
「森長!」
「ん? お前は……」
「ケイビン。どうしたの、こんな所で?」
そこにやって来たエルフはまだ居た。
ルカに魔術を教わったケイビンが姿を現し、森長の前で堂々とする。
「森長、俺も消火を手伝います」
「お前がか? 確かお前は、魔術師部隊の筈だが?」
「だからこそです。俺には戦うだけの魔術も、魔法なんてとてもじゃないけど、才能が無い。けれど消火活動くらいならできます。やらせてください、森長」
ケイビンは熱く語った。目で訴えかけている。
ルカはケイビンの努力を知っている。
だからこそ、ディンネルに伝わって欲しかった。
「……いいだろう。だが、しくじるなよ。火に油を注げば、より一層、この森の“死”は早まるだけだ」
「分かっています。では、行かせていただきます」
ケイビンはそう言うと、集落の方に向かう。
そんなケイビンが横切る瞬間、ルカは背中を押す。
「まあ、気楽にやればいいよ」
「ありがとう、ルカ君」
ケイビンは、集落に向かって走った。
ルカもケイビンがこの半日でどれだけ成長したものか、見ものだった。
とは言え、今はそんなことをする暇は無い。
ルカはディンネルに訊ねる。
「それで、私達は?」
「決まっているだろ。まずは炎獣の処理だ」
「まあ、賢明かな」
ルカ達の役目は、襲い来る炎獣の討伐だ。
きっと数は多いのだろう。
ここからが最終局面。ルカ達は気を奮い立たせると、炎獣を倒しに向かった。
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