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波状編
637.決闘を観て思うこと1
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卒業式も無事に終わった。
ルカ達在校生は片付けを終わらせた。
実に半日以上掛ったが、それでも何とか終了。
生徒会メンバーよりかは早く下校できた。
「にしても疲れたわね」
そんな中、シルヴィアが呟く。
一体何に疲れたのだろうか?
ルカは少し考えると、肉体的なことを引き合いに出す。
「そうだね。たくさん荷物を持ったからね」
「そっちじゃないわよ」
如何やらハズレらしい。
では一体なんのことを言っているのか?
ルカは考えると、ダリアがアシストしてくれる。
「白熱していましたよね、決闘」
「そうよ、あんなの痺れるわ。それに疲れるのは私だけ?」
確かにそれなら納得が行く。
アレだけの白熱した決闘を見たのは久々。
ルカも同意すると、首を縦に振る。
「確かに、痺れるものはあったね」
「ルカがそう言うなんて、意外ね」
「心外だな。私だって感性は残っているよ」
ルカにも思うことはあった。
二人の壮絶な感情のぶつかり合い。
ただ熱いだけの決闘ではなく、お互いの感情をぶつけ合う。
空気を震わし、魔素を感化させてくれた。
「ふふーん、いつか戦ってみたい?」
「冗談止めてよ」
「冗談じゃないよー」
ライラックも茶化して見せた。
確かに戦ってみたいと思う場合もあるだろう。
けれどシルヴィアは実力を推し測ると、即刻拒否する。
「本当に?」
「絶対に戦いたくないわよ!」
シルヴィアは断固として拒否した。
そんなこと言って、いつか戦うことになっても知らない。
ルカはそう思うと、逆に視線がルカを射る上に訊ねられる。
「ルカはどうなのよ?」
「どうって?」
「ナナミ生徒会長と戦いたくないの?」
漠然とした質問だった。
そんなもの、考えなくてもいい。
ルカにとって、戦闘も決闘もつまらないのだ。
「思わないよ、戦いたいなんてね」
ルカは決して戦いたいとは思わない。
そんなバカな話を願わないし、期待もしない。
むしろ戦っても何も得られないし、ルカが勝つのは当たり前だ。
「あの、ルカさんなら勝てますか?」
「どうかな。九割九分勝つと思うけど」
「随分とした余裕ね」
「自分が強いと思わないと、誰にも勝てないからね」
ルカは自分のことを最強だとは思っていない。
けれど弱いとは思わない。それなりに戦える、だから強いと思うことにする。
思い込んでいなければ、勝てる相手にも勝てなくなるからだ。
「少なくとも自分には負けたくない。それなら自分が強いと信じるしかないでしょ?」
ルカなりの自分への心構えだ。
否、全体的に必要な心構えだ。
他人が仮に敵だとしても、自分だけは自分の味方である。
そうでなければ心の平穏は保てない。闇に染まれば、それさえ見失うと、ルカは知っていた。もちろん経験談ではない。
「なにその顔?」
「いや、真っ当なこと言うなって思ったのよ」
「真っ当だと思うけど?」
ルカはいつだって真っ当だと思っていた。
とは言え、シルヴィア達には伝わっていなかった。
だから久々にストレートな顔をされ、ルカは表情を顰めた。
「でもナナミ生徒会長って本当に強いわよね。どうしたらあんなに強くなれるのかしら?」
シルヴィアは不意に考えてしまう。
確かにあれだけの強さは、今の時代では異常だ。
どれだけ修羅場をくぐっていたのか、容易く想像できる。まあ、ルカ達に比べればなんてことは無いのだが。
けれど純粋な興味だというのなら、間違えない範囲で見で構えておけばいい。
それなら教えてもいいだろう。
少なくとも今は取っ掛かりを、ヒントを提示する。
「心の闇じゃないかな?」
「「「心の闇?」」ですか?」
ルカはナナミの強さを理解していた。
確かに技量は凄まじいし、生徒会長なだけあり、人格も知識も好感度も高い。
けれど欠かせないものがある。それは人に見せない“心の闇”だ。
「うん、心の闇……あれ?」
ルカはコクリと頷き、自分の意見を貫く。
とは言えあまりヒットしない。
好感を以って持って貰えず、逆に笑われる。
「どうしたの、みんな?」
「いや、ルカって時々不思議なこと言うわよね」
「不思議なこと?」
シルヴィアに表情を顰められた。
何も不思議なことは言っていないつもりなルカ。
けれど状況はあまりにも悪い。完全に少数派だ。
「当り前でしょ。ナナミ生徒会長に限って、そんなことあり得る?」
「無いでしょうね」
「はい。私も無いと思いますよ」
シルヴィアだけではなかった。
ブルースターもダリアでさえ、ルカの味方にならない。
ここはライラックに助力を貰おう。そう思って声を掛ける。
「ライは?」
「私はどっちでもいいよー。いてっ!」
ライラックはシルヴィアに頭をコツンと殴られた。
突然過ぎてビックリしている。
だけどライラックなら躱せた筈なのに、まるでわざと殴られたみたいだ。
「なんで殴るのさー」
「ライはもっとちゃんと言葉を使いなさい」
「使ってるよー」
「使って無いから言ってるんでしょ!?」
ライラックは頭を押さえていた。
シルヴィアを睨み付けるが、口喧嘩で勝てない。
シルヴィアに勝ち星を譲ると、ムッとした顔をする。
「とにかく、バカな話でしょ?」
「バカな話って、事実なんだけど」
「根拠もない事実に意味があるの?」
「あー……まあいいや」
これはいくら言っても証拠が無いから聞いてはくれない。
これぞニイジマ・ナナミの人徳。
恐ろしい真での影響力にルカは唖然とするが、それだけニイジマ・ナナミの強みを知った。
ルカ達在校生は片付けを終わらせた。
実に半日以上掛ったが、それでも何とか終了。
生徒会メンバーよりかは早く下校できた。
「にしても疲れたわね」
そんな中、シルヴィアが呟く。
一体何に疲れたのだろうか?
ルカは少し考えると、肉体的なことを引き合いに出す。
「そうだね。たくさん荷物を持ったからね」
「そっちじゃないわよ」
如何やらハズレらしい。
では一体なんのことを言っているのか?
ルカは考えると、ダリアがアシストしてくれる。
「白熱していましたよね、決闘」
「そうよ、あんなの痺れるわ。それに疲れるのは私だけ?」
確かにそれなら納得が行く。
アレだけの白熱した決闘を見たのは久々。
ルカも同意すると、首を縦に振る。
「確かに、痺れるものはあったね」
「ルカがそう言うなんて、意外ね」
「心外だな。私だって感性は残っているよ」
ルカにも思うことはあった。
二人の壮絶な感情のぶつかり合い。
ただ熱いだけの決闘ではなく、お互いの感情をぶつけ合う。
空気を震わし、魔素を感化させてくれた。
「ふふーん、いつか戦ってみたい?」
「冗談止めてよ」
「冗談じゃないよー」
ライラックも茶化して見せた。
確かに戦ってみたいと思う場合もあるだろう。
けれどシルヴィアは実力を推し測ると、即刻拒否する。
「本当に?」
「絶対に戦いたくないわよ!」
シルヴィアは断固として拒否した。
そんなこと言って、いつか戦うことになっても知らない。
ルカはそう思うと、逆に視線がルカを射る上に訊ねられる。
「ルカはどうなのよ?」
「どうって?」
「ナナミ生徒会長と戦いたくないの?」
漠然とした質問だった。
そんなもの、考えなくてもいい。
ルカにとって、戦闘も決闘もつまらないのだ。
「思わないよ、戦いたいなんてね」
ルカは決して戦いたいとは思わない。
そんなバカな話を願わないし、期待もしない。
むしろ戦っても何も得られないし、ルカが勝つのは当たり前だ。
「あの、ルカさんなら勝てますか?」
「どうかな。九割九分勝つと思うけど」
「随分とした余裕ね」
「自分が強いと思わないと、誰にも勝てないからね」
ルカは自分のことを最強だとは思っていない。
けれど弱いとは思わない。それなりに戦える、だから強いと思うことにする。
思い込んでいなければ、勝てる相手にも勝てなくなるからだ。
「少なくとも自分には負けたくない。それなら自分が強いと信じるしかないでしょ?」
ルカなりの自分への心構えだ。
否、全体的に必要な心構えだ。
他人が仮に敵だとしても、自分だけは自分の味方である。
そうでなければ心の平穏は保てない。闇に染まれば、それさえ見失うと、ルカは知っていた。もちろん経験談ではない。
「なにその顔?」
「いや、真っ当なこと言うなって思ったのよ」
「真っ当だと思うけど?」
ルカはいつだって真っ当だと思っていた。
とは言え、シルヴィア達には伝わっていなかった。
だから久々にストレートな顔をされ、ルカは表情を顰めた。
「でもナナミ生徒会長って本当に強いわよね。どうしたらあんなに強くなれるのかしら?」
シルヴィアは不意に考えてしまう。
確かにあれだけの強さは、今の時代では異常だ。
どれだけ修羅場をくぐっていたのか、容易く想像できる。まあ、ルカ達に比べればなんてことは無いのだが。
けれど純粋な興味だというのなら、間違えない範囲で見で構えておけばいい。
それなら教えてもいいだろう。
少なくとも今は取っ掛かりを、ヒントを提示する。
「心の闇じゃないかな?」
「「「心の闇?」」ですか?」
ルカはナナミの強さを理解していた。
確かに技量は凄まじいし、生徒会長なだけあり、人格も知識も好感度も高い。
けれど欠かせないものがある。それは人に見せない“心の闇”だ。
「うん、心の闇……あれ?」
ルカはコクリと頷き、自分の意見を貫く。
とは言えあまりヒットしない。
好感を以って持って貰えず、逆に笑われる。
「どうしたの、みんな?」
「いや、ルカって時々不思議なこと言うわよね」
「不思議なこと?」
シルヴィアに表情を顰められた。
何も不思議なことは言っていないつもりなルカ。
けれど状況はあまりにも悪い。完全に少数派だ。
「当り前でしょ。ナナミ生徒会長に限って、そんなことあり得る?」
「無いでしょうね」
「はい。私も無いと思いますよ」
シルヴィアだけではなかった。
ブルースターもダリアでさえ、ルカの味方にならない。
ここはライラックに助力を貰おう。そう思って声を掛ける。
「ライは?」
「私はどっちでもいいよー。いてっ!」
ライラックはシルヴィアに頭をコツンと殴られた。
突然過ぎてビックリしている。
だけどライラックなら躱せた筈なのに、まるでわざと殴られたみたいだ。
「なんで殴るのさー」
「ライはもっとちゃんと言葉を使いなさい」
「使ってるよー」
「使って無いから言ってるんでしょ!?」
ライラックは頭を押さえていた。
シルヴィアを睨み付けるが、口喧嘩で勝てない。
シルヴィアに勝ち星を譲ると、ムッとした顔をする。
「とにかく、バカな話でしょ?」
「バカな話って、事実なんだけど」
「根拠もない事実に意味があるの?」
「あー……まあいいや」
これはいくら言っても証拠が無いから聞いてはくれない。
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