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波状編
639.勧誘の答え
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何気ない帰り道。
ルカはシルヴィア達と別れると、ふと考えてしまった。
それはナナミのことだった。
「ナナミか。あのまま人の期待を背負い続けるのは大変だろうに」
ナナミが背負うのは人からの期待だ。
それが重圧になれば、いずれ壊れることになる。
人間、強くはないのだ。破綻する日も近い。
「まあ、私の知った話じゃないけどね」
どのみちルカが気にするような話ではない。
アッサリと切り替えてしまうと、ナナミのことは忘れる。
「さてと、今日はなにを食べて……ん?」
ルカは夕食のことを考えていた。
一体何を作ろうかと頭の中で練る中、不意に視界に映った。
「アレは……ナナミ先輩?」
ナナミが走っていた。全速力で何処かに向かう。
急いでいるようで、もちろん声を掛ける気はない。
けれど何処に向かっているのか気になり視線の先を追うと、商店街の方に向かっていた。
生徒会の打ち上げでもあるのだろうか? ルカには関係のない話だ。
「声は掛けないでおこうかな」
「なに? 私に用でもあるのかな?」
「いや、無いですけど?」
ふと背後から声を掛けられた。
今ルカの目の前を通り過ぎた筈のナナミが、何故かルカの背後を奪っていた。
「……あれ、驚かないの?」
「気が付いていましたから」
ルカは真面目に答える。
ナナミは別に姿を消した訳でも、高速でも動いた訳でもない。
単に魔術で体を液状化して、瞬時に背後に付いただけ。
ルカにしてみればなんてことはない。経験則で見敗れる。
「そっか、気が付いていたんだね。やっぱり面白いよ、ルカちゃんは」
「それはどうも」
変な期待を寄せられてしまった。ルカは面倒に想う。
このままの勢いで生徒会へ勧誘されないか、多少不安も残る。
それを予期していたのか、ナナミはニヤッと笑みを浮かべる。
「ねぇルカちゃん。生徒会に入ってみない?」
「遠慮します」
「即答だね!?」
ルカは予定通りの返しを実行した。
素早く生徒会に入らないことを本人に伝える。
するとあまりの即答振りに、ナナミは瞬きをする。
「そっか、残念だよ」
「残念?」
「うん。ルカちゃんは強いでしょ?」
「早計ですね。戦ってもいないのに」
ナナミはルカのことを買い被っていた。否、それこそが真実だ。
ルカは自分の力を実力を隠しているつもりでいた。
けれどナナミにはバレているらしい。
「あはは、分かるよ。強者には強者の風格が」
「えっ?」
ナナミの口からそんな言葉が飛び出すとは思ってもみなかった。
確かに実力差のある者ほど墓穴を掘るとは聞く。
けれど今の発言ができること、それ即ちが強者だと自身を誇示していた。
「あっ、私は強者じゃないよ! 経験則経験則」
ナナミは自分のキャラに合っていないと気が付く。
すぐさま訂正を促し掛けるも、もう遅い。
ナナミは自分自身を強いと認識している。いいことだ。
「気にしなくてもいいですよ。所で、何処かに向かうんじゃないんですか?」
「うん。これから生徒会メンバーで打ち上げだよ」
「打ち上げ。そうですか。それなら急いだ方が……」
ルカがそこまで口にした瞬間、空気が変わる。
厳密にはナナミの雰囲気が変わった。
闇が増幅されると、ルカを試す様に手刀が繰り出される。
「はっ?」
「うっ……くっ」
何故か手刀が繰り出されたので、ルカは受け止めた。
もちろん手首を掴むことで完全無力化を図る。
無事に成功させると、ナナミは険しい顔をする。
「なんですか、ナナミ先輩?」
あまりにも突然の行動だった。
ルカはナナミに訊き返すも、何故かナナミは無言だ。
それどころか心の闇が見える。心の奥底から溢れ出ている。
「ナナミ先輩? はっ」
つまらないと感じたので、ふと息を吐いた。
こんなことをしても意味は無い。強さは証明した。
ルカに戦う意識が消えると、ナナミは我に返る。
「やっぱり強いね、ルカちゃんは」
「ナナミ先輩」
ナナミが放出した心の闇が、スッと心の中に戻った。
手刀を下ろし、ルカのことを讃える。
切り替えの早さにはルカも自信があるが、ナナミも相当早い。
「それじゃあ私行くね。なにか気が変わったら、いつでも生徒会は待ってるから。じゃあ、気を付けて帰ってね」
「あっ、ナナミ先輩……行っちゃったか」
言いたいことだけ言い残すと、ナナミはすぐさま目の前から消える。
生徒会メンバーとの打ち上げに向かってしまう。
ルカは完全な巻き込まれ事故だったことを悟り、頬を指で掻く。
「まさかあんな形で奇襲されるなんてね。ナナミ先輩、心の闇が増幅してるな」
手刀から繰り出されたのは水属性とは違う魔力。
完全に闇属性を扱い切っていて、心の闇の増幅を示す。
流石に強いかもしれない。ルカは笑みを浮かべた。
「いつまで持つか。決壊も近いのはあながち間違いじゃないのかもね」
あれだけ心の闇を抱いているのだから、決壊も近いかもしれない。
いくら深いナナミの心のダムも、限界はあるのだ。
「私に関係無いんだけどさ」
何処まで行ってもルカには関係のない話だ。
例えナナミ自身が身を滅ぼしても関りは無い。
ルカは高を括ってしまうと、自宅まで真っ直ぐ帰った。
ルカはシルヴィア達と別れると、ふと考えてしまった。
それはナナミのことだった。
「ナナミか。あのまま人の期待を背負い続けるのは大変だろうに」
ナナミが背負うのは人からの期待だ。
それが重圧になれば、いずれ壊れることになる。
人間、強くはないのだ。破綻する日も近い。
「まあ、私の知った話じゃないけどね」
どのみちルカが気にするような話ではない。
アッサリと切り替えてしまうと、ナナミのことは忘れる。
「さてと、今日はなにを食べて……ん?」
ルカは夕食のことを考えていた。
一体何を作ろうかと頭の中で練る中、不意に視界に映った。
「アレは……ナナミ先輩?」
ナナミが走っていた。全速力で何処かに向かう。
急いでいるようで、もちろん声を掛ける気はない。
けれど何処に向かっているのか気になり視線の先を追うと、商店街の方に向かっていた。
生徒会の打ち上げでもあるのだろうか? ルカには関係のない話だ。
「声は掛けないでおこうかな」
「なに? 私に用でもあるのかな?」
「いや、無いですけど?」
ふと背後から声を掛けられた。
今ルカの目の前を通り過ぎた筈のナナミが、何故かルカの背後を奪っていた。
「……あれ、驚かないの?」
「気が付いていましたから」
ルカは真面目に答える。
ナナミは別に姿を消した訳でも、高速でも動いた訳でもない。
単に魔術で体を液状化して、瞬時に背後に付いただけ。
ルカにしてみればなんてことはない。経験則で見敗れる。
「そっか、気が付いていたんだね。やっぱり面白いよ、ルカちゃんは」
「それはどうも」
変な期待を寄せられてしまった。ルカは面倒に想う。
このままの勢いで生徒会へ勧誘されないか、多少不安も残る。
それを予期していたのか、ナナミはニヤッと笑みを浮かべる。
「ねぇルカちゃん。生徒会に入ってみない?」
「遠慮します」
「即答だね!?」
ルカは予定通りの返しを実行した。
素早く生徒会に入らないことを本人に伝える。
するとあまりの即答振りに、ナナミは瞬きをする。
「そっか、残念だよ」
「残念?」
「うん。ルカちゃんは強いでしょ?」
「早計ですね。戦ってもいないのに」
ナナミはルカのことを買い被っていた。否、それこそが真実だ。
ルカは自分の力を実力を隠しているつもりでいた。
けれどナナミにはバレているらしい。
「あはは、分かるよ。強者には強者の風格が」
「えっ?」
ナナミの口からそんな言葉が飛び出すとは思ってもみなかった。
確かに実力差のある者ほど墓穴を掘るとは聞く。
けれど今の発言ができること、それ即ちが強者だと自身を誇示していた。
「あっ、私は強者じゃないよ! 経験則経験則」
ナナミは自分のキャラに合っていないと気が付く。
すぐさま訂正を促し掛けるも、もう遅い。
ナナミは自分自身を強いと認識している。いいことだ。
「気にしなくてもいいですよ。所で、何処かに向かうんじゃないんですか?」
「うん。これから生徒会メンバーで打ち上げだよ」
「打ち上げ。そうですか。それなら急いだ方が……」
ルカがそこまで口にした瞬間、空気が変わる。
厳密にはナナミの雰囲気が変わった。
闇が増幅されると、ルカを試す様に手刀が繰り出される。
「はっ?」
「うっ……くっ」
何故か手刀が繰り出されたので、ルカは受け止めた。
もちろん手首を掴むことで完全無力化を図る。
無事に成功させると、ナナミは険しい顔をする。
「なんですか、ナナミ先輩?」
あまりにも突然の行動だった。
ルカはナナミに訊き返すも、何故かナナミは無言だ。
それどころか心の闇が見える。心の奥底から溢れ出ている。
「ナナミ先輩? はっ」
つまらないと感じたので、ふと息を吐いた。
こんなことをしても意味は無い。強さは証明した。
ルカに戦う意識が消えると、ナナミは我に返る。
「やっぱり強いね、ルカちゃんは」
「ナナミ先輩」
ナナミが放出した心の闇が、スッと心の中に戻った。
手刀を下ろし、ルカのことを讃える。
切り替えの早さにはルカも自信があるが、ナナミも相当早い。
「それじゃあ私行くね。なにか気が変わったら、いつでも生徒会は待ってるから。じゃあ、気を付けて帰ってね」
「あっ、ナナミ先輩……行っちゃったか」
言いたいことだけ言い残すと、ナナミはすぐさま目の前から消える。
生徒会メンバーとの打ち上げに向かってしまう。
ルカは完全な巻き込まれ事故だったことを悟り、頬を指で掻く。
「まさかあんな形で奇襲されるなんてね。ナナミ先輩、心の闇が増幅してるな」
手刀から繰り出されたのは水属性とは違う魔力。
完全に闇属性を扱い切っていて、心の闇の増幅を示す。
流石に強いかもしれない。ルカは笑みを浮かべた。
「いつまで持つか。決壊も近いのはあながち間違いじゃないのかもね」
あれだけ心の闇を抱いているのだから、決壊も近いかもしれない。
いくら深いナナミの心のダムも、限界はあるのだ。
「私に関係無いんだけどさ」
何処まで行ってもルカには関係のない話だ。
例えナナミ自身が身を滅ぼしても関りは無い。
ルカは高を括ってしまうと、自宅まで真っ直ぐ帰った。
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