失踪14年 美月の帰還

軽部雄二

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第110章

再会

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「美月ちゃん・・・・。」
「ひとみさん、元気でしたか。」
 ひとみと美月は真夏の目の前でひしと抱き合った。ここは佐渡島。ひとみの実家である。ひとみは美月の面会の申し出を応託し、真夏が美月を伴って佐渡島を訪れたのである。ひとみと美月は涙を流して互いの無事を喜び合った。真夏の目には北に拉致され苦難を支えあった二人の確固たる絆が見て取れた。
「美月ちゃんが帰って来る選択をしてくれて良かった。ずっと心配していたのよ。」
 ひとみは美月の腕を擦りながらそう言った。その言葉が真夏には引っ掛かった。「帰って来る選択をしてくれて良かった。」と、ひとみは言った。もしかすると美月も帰って来ようとすれば、もっと早く帰って来れた?自らの選択で北に残る選択をしていた?だとすると、人質を取られている訳でもない美月は何故、北に残りたかったのだろうか?美月は真夏の顔をチラリと見た。その表情には聞かれたくないような表情。真夏の気の所為だろうか・・・・・。
「ここで立ち話はあれよね。中へどうぞ。古い家だけど。」
 ひとみは二人を家に招き入れようとした。真夏が玄関に入ろうとすると、美月が押し止める。
「真夏さん。申し訳ないけど、車で待っていて貰えるかしら。二人だけで話したいの。」
「えっ・・・・・でも。」
 真夏がひとみを見ると、ひとみもそれに追随した。
「済みません。二人だけで話させて貰えますか。」
 二人にその様に言われると、真夏としても応じざるを得ない。
「分かったわ。車で待っている。ごゆっくり・・・・・。」
 真夏は不承不承、乗って来たレンタカーに戻った。二人は笑顔で談笑しながら家の中へ消えてゆく・・・・・。
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