僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい

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7.もちろんお仕置き

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 車が走り出して少しすると、ヒサコさんも完全に落ち着いたみたいで、

「先ほどは混乱してしまってすいませんでした」

 謝罪されてしまった。

「いえ。もとはといえばチョウちゃんが悪いので気にしていませんよ」

 とはいえ、あそこまで取り乱すとは思っていなかったので、そこは少し意外だったりした。

 でも、それだけヒサコさんにとっては恥ずかし写真だったというわけだ。

「えっと………」

 ヒサコさんは何かいいたそうにしていたのでこちらから聞いてみる。

「どうかしました?」
「えっと………ホントに15歳ですか?」

 戸惑い顔で一瞬言いよどんだかと思うと、そんなことを聞かれた。

「はい。15歳ですよ?」

 年齢詐称なんてしてませんよ。性別偽ってるとか性別詐称とか性別詐欺とかはよく言われるけど。

「気を悪くしたのでしたらすいません。15歳にしてはずいぶんと落ち着いていたので」
「気は悪くしていないので大丈夫ですよ。落ち着いているのは、多分周りにチョウちゃんみたいな人間が多かったせいでしょうね」

 なぜか僕の周りには1人はトラブルメーカーと呼ばれる人がいるので、常に冷静でいることは心がけている。
 というか、冷静でないと対処しきれず、最終的には僕にまで被害が及ぶので、落ち着いていることが僕には必要不可欠なことだった、ということもおおいに関係しているだろう。

「苦労したのですね」

 ヒサコさんに同情されて苦笑するしかなかった。

「楽しい部分もあるので、苦労しかない、とは言いませんけどね」

 そう楽しくはあるのだ。見ているだけなら。トラブルメーカー達は毎日毎日なにかしでかすので楽しくはあるのだ。巻き込まれなければ。だから毎日退屈はしなかった。後始末を押し付けられなければ。

 なぜかトラブルメーカー達は僕を巻き込むので見てるだけとはいかず、最終的には後始末まで押し付けられることもあるので、プラマイゼロどころかマイナスよりなのだが、やっぱり楽しくはあるのだ。

「そうですか」

 そう言いながら微笑むヒサコさん。

「ヒサコさんだってチョウちゃんに苦労かけられているのでは?」

 僕が物心ついてから最初に会ったトラブルメーカーが誰か、と聞かれれば、真っ先にチョウちゃんと答えるくらいのトラブルメーカーだからね。

「そうですね。後部座席見てもらえますか?」

 そう言われたので後部座席を見ると、おかえり!コウくん!、とデカデカと書かれている周りに、早く会いたいよ!、とか、私はこの時を待ってた!、あと♡とか☆とかのデコレーションが描かれた巨大なプラカードがあった。

 確かにこれだけ大きくてデカデカと名前を書いてあるプラカードならすぐに見つかるが、それだけ周りからも注目を集めるということだ。
 しかし、これを持たれて待たれていたら僕は絶対回れ右して近づくことなく電車で行っていただろうから、ヒサコさんがマトモな人でホントによかったと思う。

「今回も、それを持って待っててね、なんて言われた時にはおもいっきりビンタしましたからね」

 あぁ。ビンタしたくなった、ではなく、ビンタしましたからね、なんだ。

 まぁ、これは自業自得なので完璧にチョウちゃんが悪いけど。と、同時に僕のせいでこんな無茶振りをされているヒサコさんに少し申し訳なくなった。

「すいません。僕を迎えに来たせいでこんな無茶振りをされてしまって」
「いえ!コウくんは悪くないのですから謝らないでください!
 もとはといえば自分で迎えに来ないうえにこんな無茶振りしてきたチョウが悪いのですから!それにさっきも言いましたけど、ビンタはしてきたのでだいぶスッキリはしてきましたから!」

 晴れ晴れと言うヒサコさんはいい笑顔で笑っていた。

 それならいいのか?まぁヒサコさんがいいって思っているならいいのか。そう納得しておこう。

「そうですか」
「そうですよ。だから、コウくんもチョウに会ったらお仕置きしてやってください」
「はい」

 もちろんお仕置きはするつもりではいる。なにをするかは決めていないけど。

 せっかく今の話題に一区切りついたので、新幹線の中でふと思ったというか、母さんに聞き忘れたことを思い出したのでヒサコさんに聞いてみる。

「そういえば、僕が通うことになる高校ってどこなんですか?」
「チョウか親御さんから聞いていないのですか?」
「チョウちゃんからは聞いていないですし、両親には聞くのを忘れてしまったせいで知らないのですよ」

 苦笑しならが頭を掻く。

 たまにこういうおっちょこちょいをしてしまうので、みんなからは、普段は冷静だけどどこか抜けてる、とよく言われる。

「コウくんが通うのは女子高校ですよ」

 ヒサコさんから高校の名前を聞いた瞬間に思ったことは、小説町にそんな高校あったけ?、だった。
 しかし、すぐに1つの高校のことを思い出して、まさか!、と思ったがすぐに、それはないよな~、なんて自己完結しかけたが、それじゃあダメだと思ったのでちゃんとヒサコさんに聞いた。

「それって何町にある高校ですか?」
「物語乃中心町ですよ」

 その答えを聞いた瞬間、ダッシュボードに頭を打ち付けながら、

「やっぱりか!」

 と叫んでしまった。

「え?えっ!?大丈夫ですか!コウくん!大丈夫ですか!」

 狼狽えながらも安全運転を続けるヒサコさんは、起き上がらない僕の方を心配そうにチラチラと見てきた。
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