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71.する………よ?
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翌日。校庭には新入合宿に行くために新入生達が集まっているのはいい。それは普通なことだからいい。
しかし、そんな中でなぜ僕はナツ先生の隣に立たされているのだろうか。
他のクラスでは先生が前に立って新入生達に2列に並ぶように指示を出しているのでナツ先生がうちのクラスの前に立っているのは普通なのだ。
その隣に僕が立たされていることがやっぱりおかしいのだ。
「えっと、ナツ先生。なんで僕はここに立たされているのでしょうか?」
「委員長ですからね」
そう返してくるナツ先生は笑顔なのだけど、目だけは「昨日の恨み」と言っているのがわかってしまった。
昨日は言いたいことは言えたのであのあとすぐに帰ったのだが、僕が色々とやらかしたことを言ったことでシイ先生からお説教でもされたのかもしれない。
とはいえ、それも全部ナツ先生の自業自得であって僕のせいではないはずなんだけどね。
なんて思いつつも、苦笑する。
「ほら、みんな2列に並んで」
ナツ先生が声をかけると、みんな暖かい目でナツ先生を見ながら指示に従って2列に並んだ。
うん。さっきのみんなの目は先生を見ると言うより頑張っている子供を見ている目だったね。
横をチラッと見ると、ナツ先生もそれに気づいているみたいで、みんなを軽く睨んでいるがその睨みも怖くないので余計にみんなの視線が暖かくなり、さらにナツ先生が睨みつけるという悪循環ともいえる状況が出来ていた。
やっぱりそれもナツ先生が昨日やらかしまくったせいなので自業自得なわけだけど、このままでは話が先に進まなくなりそうなので内心ため息を吐きながらナツ先生に声をかける。
「先生。2列に並びましたけど、このあとはどうすのですか?」
「このあとはバスに乗って四季始まり駅まで行って電車に乗り換えて今日の目的地の春町まで行きます」
「だそうだ」
『はーい』
「コウくん。私は学年主任のところに報告に行くのでここはお願いしますね」
みんなの返事を聞いて少しは落ち着いたのか、ナツ先生はクラスを離れていった。しかし、
「お願いされてもね」
「いや。委員長なんだからちゃんとクラスをまとめてくれよ」
先頭に座るユウが言ってくるが、待機しているだけのこの状況でまとめるもなにもないのだけどね。
「なら、静かにしろよ、ユウ」
「いや、静かじゃねーか」
「僕に話しかけてきている時点でうるさいから一生黙ってろ」
「一生はヒドくね?」
僕達の会話にクラスメイト達がクスクスと笑い出す。
「お前のせいでクラスがうるさくなったじゃねーか」
「いや。お前の口の悪さが原因だろ?」
「よし。自分で黙るか物理的に黙らされるか好きな方を選んでいいよ」
笑顔でそう言うと、ユウだけではなくクラスメイトの笑いも止まり、1部では小さいながらもガタガタ震えている人達までいた。
そんな怖く言ったつもりはないのだけど。
「みんな。バスに移動する………よ?」
学年主任に報告をして帰ってきたナツ先生はクラスの状況が飲み込めずに首を傾げながらそう言ってくるのだった。
しかし、そんな中でなぜ僕はナツ先生の隣に立たされているのだろうか。
他のクラスでは先生が前に立って新入生達に2列に並ぶように指示を出しているのでナツ先生がうちのクラスの前に立っているのは普通なのだ。
その隣に僕が立たされていることがやっぱりおかしいのだ。
「えっと、ナツ先生。なんで僕はここに立たされているのでしょうか?」
「委員長ですからね」
そう返してくるナツ先生は笑顔なのだけど、目だけは「昨日の恨み」と言っているのがわかってしまった。
昨日は言いたいことは言えたのであのあとすぐに帰ったのだが、僕が色々とやらかしたことを言ったことでシイ先生からお説教でもされたのかもしれない。
とはいえ、それも全部ナツ先生の自業自得であって僕のせいではないはずなんだけどね。
なんて思いつつも、苦笑する。
「ほら、みんな2列に並んで」
ナツ先生が声をかけると、みんな暖かい目でナツ先生を見ながら指示に従って2列に並んだ。
うん。さっきのみんなの目は先生を見ると言うより頑張っている子供を見ている目だったね。
横をチラッと見ると、ナツ先生もそれに気づいているみたいで、みんなを軽く睨んでいるがその睨みも怖くないので余計にみんなの視線が暖かくなり、さらにナツ先生が睨みつけるという悪循環ともいえる状況が出来ていた。
やっぱりそれもナツ先生が昨日やらかしまくったせいなので自業自得なわけだけど、このままでは話が先に進まなくなりそうなので内心ため息を吐きながらナツ先生に声をかける。
「先生。2列に並びましたけど、このあとはどうすのですか?」
「このあとはバスに乗って四季始まり駅まで行って電車に乗り換えて今日の目的地の春町まで行きます」
「だそうだ」
『はーい』
「コウくん。私は学年主任のところに報告に行くのでここはお願いしますね」
みんなの返事を聞いて少しは落ち着いたのか、ナツ先生はクラスを離れていった。しかし、
「お願いされてもね」
「いや。委員長なんだからちゃんとクラスをまとめてくれよ」
先頭に座るユウが言ってくるが、待機しているだけのこの状況でまとめるもなにもないのだけどね。
「なら、静かにしろよ、ユウ」
「いや、静かじゃねーか」
「僕に話しかけてきている時点でうるさいから一生黙ってろ」
「一生はヒドくね?」
僕達の会話にクラスメイト達がクスクスと笑い出す。
「お前のせいでクラスがうるさくなったじゃねーか」
「いや。お前の口の悪さが原因だろ?」
「よし。自分で黙るか物理的に黙らされるか好きな方を選んでいいよ」
笑顔でそう言うと、ユウだけではなくクラスメイトの笑いも止まり、1部では小さいながらもガタガタ震えている人達までいた。
そんな怖く言ったつもりはないのだけど。
「みんな。バスに移動する………よ?」
学年主任に報告をして帰ってきたナツ先生はクラスの状況が飲み込めずに首を傾げながらそう言ってくるのだった。
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