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85.どこの
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「え?」
お風呂の扉を開けた状態で固まった僕の目の前には豪華な露天風呂があった。
「え?」
全くもって理解が追いつかないのでそんな言葉を繰り返してしまった。
「そんなところで固まってないで、早くお風呂に入りましょうよ」
その声に振り返ると、そこには女性が立っていた。
「いや、こんなこと出来るのはアオかワラぐらいだろうとは思っていたけどね」
僕の後ろに居る女性の名前は市座敷(しざしき)ワラ。この龍春荘で働く仲居さんであり、女将につぐのNo.2の存在なんだけど、その正体は座敷わらしである。
「ふふっ。久しぶりね、コウ」
ワラはそう言いながら後ろから抱きついてきた。
「うん。久しぶり、ワラ。
で、ここは一体どこなの?僕は部屋のお風呂に入ろうとしたはずなんだけど?」
「ここは私達の家のお風呂ですよ。だから耳をすませれば」
ワラに言われた通りに耳をすましてみると、
「なんなのよ!あの猿賊の数は!」「うるさいわね。先にコウと会ったバツよ」「バツってなによ!あの町で暮らしてるんだから先に会うのは普通じゃない!」「せめて私達に一言入れるとかしてから会いにいきなさい」「なんでそんな」
そこまでリンとアオの争う声は聞こえたけど、ワラが声をシャットアウトしたのだろう。それから先の争う声は聞こえなかった。
「というわけです」
「うん。確かにここはワラ達の家だね」
じゃないとリンとアオの争う声が聞こえてくるはずはないからね。
とはいえ、1つ言いたいことがあるとすれば、
「リンもワラも軽々しく力を使いすぎてない?」
リンは僕と同じ学校に通いたいからと力を使って無理矢理入り込んできたし、ワラは龍春荘の僕達の部屋と自宅のお風呂を繋いで僕を招きこんできたし、なんでそんなくだらないことに力を使うかな。
「ふふっ。私にとってはこうしてコウと一緒にお風呂に入ることが重要なことなので力を使ったまでで、決して軽々しくではありませんよ」
笑顔でさらに強く抱きついてくるワラだけど、やっぱり僕からすれば軽々しく力を使っているとしか思えない。だけど、ワラ達が力を使うことを止めることは僕には出来ないので、注意することしかできないのだけど。
「僕とお風呂に入ることがそんなに重要なこととは思えないけど?」
「私にとってはかなり重要なのですよ。ささ、背中を流しますよ」
抱きつかれたままスゴく強引に押されて洗い場の方へ連れてこられたが、元々お風呂に入りに来たのだし、洗ってくれるという好意を無下にすることもないと思ったので、僕は素直に洗い場に置いてあった椅子に座った。
「それじゃあお願いしようかな」
「はい。喜んで」
うん。どこの居酒屋の返事だよ。
なんて心の中でツッコんでいると、
『ちょっと待ったー!』
お風呂の扉を開けた状態で固まった僕の目の前には豪華な露天風呂があった。
「え?」
全くもって理解が追いつかないのでそんな言葉を繰り返してしまった。
「そんなところで固まってないで、早くお風呂に入りましょうよ」
その声に振り返ると、そこには女性が立っていた。
「いや、こんなこと出来るのはアオかワラぐらいだろうとは思っていたけどね」
僕の後ろに居る女性の名前は市座敷(しざしき)ワラ。この龍春荘で働く仲居さんであり、女将につぐのNo.2の存在なんだけど、その正体は座敷わらしである。
「ふふっ。久しぶりね、コウ」
ワラはそう言いながら後ろから抱きついてきた。
「うん。久しぶり、ワラ。
で、ここは一体どこなの?僕は部屋のお風呂に入ろうとしたはずなんだけど?」
「ここは私達の家のお風呂ですよ。だから耳をすませれば」
ワラに言われた通りに耳をすましてみると、
「なんなのよ!あの猿賊の数は!」「うるさいわね。先にコウと会ったバツよ」「バツってなによ!あの町で暮らしてるんだから先に会うのは普通じゃない!」「せめて私達に一言入れるとかしてから会いにいきなさい」「なんでそんな」
そこまでリンとアオの争う声は聞こえたけど、ワラが声をシャットアウトしたのだろう。それから先の争う声は聞こえなかった。
「というわけです」
「うん。確かにここはワラ達の家だね」
じゃないとリンとアオの争う声が聞こえてくるはずはないからね。
とはいえ、1つ言いたいことがあるとすれば、
「リンもワラも軽々しく力を使いすぎてない?」
リンは僕と同じ学校に通いたいからと力を使って無理矢理入り込んできたし、ワラは龍春荘の僕達の部屋と自宅のお風呂を繋いで僕を招きこんできたし、なんでそんなくだらないことに力を使うかな。
「ふふっ。私にとってはこうしてコウと一緒にお風呂に入ることが重要なことなので力を使ったまでで、決して軽々しくではありませんよ」
笑顔でさらに強く抱きついてくるワラだけど、やっぱり僕からすれば軽々しく力を使っているとしか思えない。だけど、ワラ達が力を使うことを止めることは僕には出来ないので、注意することしかできないのだけど。
「僕とお風呂に入ることがそんなに重要なこととは思えないけど?」
「私にとってはかなり重要なのですよ。ささ、背中を流しますよ」
抱きつかれたままスゴく強引に押されて洗い場の方へ連れてこられたが、元々お風呂に入りに来たのだし、洗ってくれるという好意を無下にすることもないと思ったので、僕は素直に洗い場に置いてあった椅子に座った。
「それじゃあお願いしようかな」
「はい。喜んで」
うん。どこの居酒屋の返事だよ。
なんて心の中でツッコんでいると、
『ちょっと待ったー!』
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