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12.直球で
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鑑定の儀から2年が経って僕も7歳になった。
この2年の間にヒーラーは母さんから習いつつ、鍛冶と錬金は街の工房に通いながら3つはしっかりと普通レベルまで上げることが出来た。
しかし、クラスを持つ者が普通レベルまで上げるのに1年で済むところ2年かかったのはやっぱり3つを平均的に習っていたからだろう。
「そう考えると2年って十分早くないか?」か。
確かに母さんも工房の人も多少は驚いていたが、それだけ頑張っている姿も見せていたので、その頑張った成果だということで納得してくれた。
一応他の全てのクラスも一通り習ったが、戦闘系は自衛のためにカレン達が持つクラスは全て少しずつとりあえずは覚えた。
「戦闘系は覚える気はないっていってなかったか」って。
自衛ぐらいは出来たほうがいいだろ?
だから最初は双剣士だけ覚えるつもりだったのだ。
「なんで双剣士なんだ?」か。
双剣士を選んだ理由としては、オリフィスが双剣士なので陰で教えてもらえるということと、前世で剣道を少ししたことがあったという単純な理由からだったりする。
その時にキョウも槍を教えると言ってきてくれたのだけど、槍は扱ったこともなかったし、双剣だけでいいと思っていたので断るとスゴく落ち込まれてね。その後の頑張って説明したのだけど、結局は双剣士をメインにみんなのクラスを少しずつ覚えるってことでどうにか納得してもらったのだ。
あとの戦闘系と元々覚える気のなかった芸術系のクラスは全く適正がないように振る舞い、鍛冶と錬金以外の生産系のクラスは全て触りの初歩程度は出来るくらいの振る舞いはしたが、それ以上は伸びないように振る舞った。
おかげでオールラウンダーは戦闘系の特殊か生産系に適正があるクラスと認識されたので僕としてはばんばんざいな結果といえる。
そして今日、僕は父さんにお願いをするために父さんの執務室へカレン達とやって来てノックをした。
「誰だ?」
「ルイです」
「入りなさい」
「失礼します」
こういったところはやっぱり親しき仲にも礼儀ありってことでちゃんとすると、書類仕事をしていた手を止めて父さんが僕を見てきた。
「どうした?ルイ」
普段あまり仕事中の父さんの執務室に行かないこともあって父さんは少し驚いていた。
しかし、僕としては早いうちにお願いして許可をもらっておきたかったのでこうして来ることにした。
「なんだよ。そこまで急いでしたいお願いって」か。
それはね。
「父さまにお願いがあって来ました」
「お願い、だって?」
驚きと戸惑いが入り交じる父さんにお願い事を直球でぶつける。
「僕が冒険者登録をする許可をください」
「なっ!」
僕の言葉に父さんは驚き目を見開いた。
後ろに控えるカレン達には先に話して理由には納得してもらっていたので驚きの声が上がることはない。
僕の言葉に驚いた父さんだったが、すぐに「ダメだ」ということはなく、1度深呼吸をしてから僕を見てきた。
「とりあえず、理由を聞きたいから座りなさい。カレン。シルネスを呼んできてくれないか?」
「かしこまりました」
父さんにお願いされたカレンは部屋を出て母さんを呼びに行った。
父さんに促されたのでソファに座ると、父さんは向かいに座った。
「ギルナス。お茶を用意してくれ」
「かしこまりました」
ギルナスさんは父さん専属付き人の執事さんで、この家の執事長でもある男性だ。
「専属付き人ってことは奴隷ってことか?」って。
父さんはアル兄さんが産まれた時に専属付き人を奴隷から解放しているから、今のギルナスさんはもう奴隷じゃないよ。でも、解放されてからも専属付き人の人達は父さんの元で働くことを選んだから、今もこうして専属付き人としているのだ。
あ、あと1つ勘違いしていたことがあるのだけれど、母さんが「みんなと仲良くしなさい」といったのは無茶な命令をすると契約がなくなるからじゃなくて、ちゃんと正しく接していればギルナスさんみたいに奴隷から解放しても付いてきてくれる人がいる、という前例があるから、なんだろうね。
ちなみに、ギルナスさんはションゴンとジュラナイの執事の師匠であり、クラスがランサーなのでキョウの師匠でもある。執事としても完璧であり、ランサーとしてもかなり強いらしいので、ションゴン達にとっては頭の上がらない人なのだ。
「おまたせしました」
「ありがとう」
お礼を言ってからギルナスさんが淹れた紅茶を飲む。
カレン達も紅茶を淹れるのは上手くなったが、やっぱりギルナスさんの淹れる紅茶のほうが美味しい。
そう感じていると、扉がノックされた。
「はい」
父さんが返事をすると扉が開いて母さんが入ってきた。
「なんですか?あなた」
元々呼ばれるような用事がなかったため、母さんは不思議そうに首を傾げながら父さんの元へ。
「用事があるのは俺じゃなくてルイだ」
「ルイが?」
余計にわけがわからないとばかりに首を傾げながら僕を見てきた母さん。
「とりあえず座って話を聞こう」
父さんは自分の隣の席を叩くと、母さんはまだ混乱しつつもソファに座った。その前にすかさず紅茶を用意するギルナスさん。
「じゃあ、改めて話を聞こうか」
この2年の間にヒーラーは母さんから習いつつ、鍛冶と錬金は街の工房に通いながら3つはしっかりと普通レベルまで上げることが出来た。
しかし、クラスを持つ者が普通レベルまで上げるのに1年で済むところ2年かかったのはやっぱり3つを平均的に習っていたからだろう。
「そう考えると2年って十分早くないか?」か。
確かに母さんも工房の人も多少は驚いていたが、それだけ頑張っている姿も見せていたので、その頑張った成果だということで納得してくれた。
一応他の全てのクラスも一通り習ったが、戦闘系は自衛のためにカレン達が持つクラスは全て少しずつとりあえずは覚えた。
「戦闘系は覚える気はないっていってなかったか」って。
自衛ぐらいは出来たほうがいいだろ?
だから最初は双剣士だけ覚えるつもりだったのだ。
「なんで双剣士なんだ?」か。
双剣士を選んだ理由としては、オリフィスが双剣士なので陰で教えてもらえるということと、前世で剣道を少ししたことがあったという単純な理由からだったりする。
その時にキョウも槍を教えると言ってきてくれたのだけど、槍は扱ったこともなかったし、双剣だけでいいと思っていたので断るとスゴく落ち込まれてね。その後の頑張って説明したのだけど、結局は双剣士をメインにみんなのクラスを少しずつ覚えるってことでどうにか納得してもらったのだ。
あとの戦闘系と元々覚える気のなかった芸術系のクラスは全く適正がないように振る舞い、鍛冶と錬金以外の生産系のクラスは全て触りの初歩程度は出来るくらいの振る舞いはしたが、それ以上は伸びないように振る舞った。
おかげでオールラウンダーは戦闘系の特殊か生産系に適正があるクラスと認識されたので僕としてはばんばんざいな結果といえる。
そして今日、僕は父さんにお願いをするために父さんの執務室へカレン達とやって来てノックをした。
「誰だ?」
「ルイです」
「入りなさい」
「失礼します」
こういったところはやっぱり親しき仲にも礼儀ありってことでちゃんとすると、書類仕事をしていた手を止めて父さんが僕を見てきた。
「どうした?ルイ」
普段あまり仕事中の父さんの執務室に行かないこともあって父さんは少し驚いていた。
しかし、僕としては早いうちにお願いして許可をもらっておきたかったのでこうして来ることにした。
「なんだよ。そこまで急いでしたいお願いって」か。
それはね。
「父さまにお願いがあって来ました」
「お願い、だって?」
驚きと戸惑いが入り交じる父さんにお願い事を直球でぶつける。
「僕が冒険者登録をする許可をください」
「なっ!」
僕の言葉に父さんは驚き目を見開いた。
後ろに控えるカレン達には先に話して理由には納得してもらっていたので驚きの声が上がることはない。
僕の言葉に驚いた父さんだったが、すぐに「ダメだ」ということはなく、1度深呼吸をしてから僕を見てきた。
「とりあえず、理由を聞きたいから座りなさい。カレン。シルネスを呼んできてくれないか?」
「かしこまりました」
父さんにお願いされたカレンは部屋を出て母さんを呼びに行った。
父さんに促されたのでソファに座ると、父さんは向かいに座った。
「ギルナス。お茶を用意してくれ」
「かしこまりました」
ギルナスさんは父さん専属付き人の執事さんで、この家の執事長でもある男性だ。
「専属付き人ってことは奴隷ってことか?」って。
父さんはアル兄さんが産まれた時に専属付き人を奴隷から解放しているから、今のギルナスさんはもう奴隷じゃないよ。でも、解放されてからも専属付き人の人達は父さんの元で働くことを選んだから、今もこうして専属付き人としているのだ。
あ、あと1つ勘違いしていたことがあるのだけれど、母さんが「みんなと仲良くしなさい」といったのは無茶な命令をすると契約がなくなるからじゃなくて、ちゃんと正しく接していればギルナスさんみたいに奴隷から解放しても付いてきてくれる人がいる、という前例があるから、なんだろうね。
ちなみに、ギルナスさんはションゴンとジュラナイの執事の師匠であり、クラスがランサーなのでキョウの師匠でもある。執事としても完璧であり、ランサーとしてもかなり強いらしいので、ションゴン達にとっては頭の上がらない人なのだ。
「おまたせしました」
「ありがとう」
お礼を言ってからギルナスさんが淹れた紅茶を飲む。
カレン達も紅茶を淹れるのは上手くなったが、やっぱりギルナスさんの淹れる紅茶のほうが美味しい。
そう感じていると、扉がノックされた。
「はい」
父さんが返事をすると扉が開いて母さんが入ってきた。
「なんですか?あなた」
元々呼ばれるような用事がなかったため、母さんは不思議そうに首を傾げながら父さんの元へ。
「用事があるのは俺じゃなくてルイだ」
「ルイが?」
余計にわけがわからないとばかりに首を傾げながら僕を見てきた母さん。
「とりあえず座って話を聞こう」
父さんは自分の隣の席を叩くと、母さんはまだ混乱しつつもソファに座った。その前にすかさず紅茶を用意するギルナスさん。
「じゃあ、改めて話を聞こうか」
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