僕は普通で平凡なモブ〜だって執事とメイドが最強なんだから〜

だらけたい

文字の大きさ
39 / 52

39.2点から

しおりを挟む
 イサナミさんが出ていって数分経っただろうか。

 男性を連れてイサナミさんが戻ってきた。

「あの男がギルドマスターなのか?」って。

 イサナミさんが連れてくるって言ったのだからそうなのだろう。
 というか、この流れで別の人を連れて来られても困るだけだし、もし全く別の人だった場合は「誰っ!」ってツッコむだろうね。

「それはそれで見てみたいね」って。

 そうなったらそうなったでホントにツッコみはしないだろうけどね。

「しないのかよ!」って。

 ナイスツッコみ。

 そんな僕の戸惑いを感じたのか、イサナミさんは僕に微笑んできた。

「ションゴンくん達は初めて会うから紹介するわ。ここのギルドマスターのベルガルさんよ」
「初めまして、ギルドマスターのベルガルだ」

 イサナミさんから紹介されたベルガルさんは僕達に微笑みかけてくれた。

 そんなベルガルさんの見た目は40代半ばで、街を歩けばオバサマ達にきゃ~きゃ~言われるようなダンディなオジサマだった。

『初めまして。よろしくお願いします』

 事が事なので流石に時間のかかる僕達の自己紹介は無しにして、とりあえず挨拶しながら軽く頭を下げた。

「ふふっ」

 そんな対応をしたらなぜかベルガルさんから笑われた。

 なぜ笑われたのかわからない僕は首を傾げた。

「何がおかしんですか?」
「そうです!不謹慎です!」

 僕としては別に不謹慎とまでは思わないけど、イサナミさんとフィーナさんはかなり怒っているみたいでベルガルさんを睨みつけた。

「すまない」

 そう謝りつつも、まだ小さく笑っているベルガルさんをイサナミとフィーナさんがさらに鋭い眼差しで睨みつけるも、ベルガルさんの笑いは止まらない。

 ただ「初めまして」と挨拶をして軽く頭を下げたことがそこまで面白いことなのかな?と僕はさらに首を傾げた。

 そんな僕を見てまたさらに眼差しを鋭くしたイサナミさん。

 そんなイサナミさんを見ていると、ベルガルさんはそろそろ笑うのをやめた方がいいような気もするけど、ベルガルさんの笑いはやっぱり止まらない。

「ギルマス?」

 少しトーンを落とした声でイサナミさんが呼びかけると、ベルガルさんは「んんっ」と表情を引き締めた。

「いや、君たちが新人冒険者らしくないと思ってね」

 そう言って苦笑する横でさっきまで怒っていたはずのフィーナさんは頷いていた。

「新人冒険者らしくない、ですか?」

 ションゴンが聞き返す隣で、まさかそんなことを言われるなんて思いもよらなかった僕は内心は驚いていた。

 というか、ルーファさんも頷いていたということは、ルーファさんも僕達のことを新人冒険者らしくないと思っていた、ということだよね。

 それも驚きなのだけど。

「普通、ルーキーイーターの標的になったかもしれない状況で新人冒険者はそこまで落ち着けないよ。
 それに、新人冒険者はギルドマスターの私と会うと驚きから挙動不審になるのに、君たちはそうはならなかった。
 その2点から言って、君たちは新人冒険者らしくないのさ」

 その言葉は確かにと思う点もあり、新人冒険者らしくないと納得しかけたが、あいにくと僕達は誰がなんと言おうと新人冒険者なのである。

「いや。そこは納得しろよ」だって?

 絶対に納得しないよ。

「いや、どう考えてもベルガルの意見が正しいだろ」か。

 ベルガルさんの言葉を聞いたフィーナさんは大きく何度も頷いているし、イサナミさんやルーファさん達は「あ~」と言ってこっちも納得していた。

 だけど僕は認めないね。絶対認めないね!

「頑固者め!」か。

 頑固者で結構。

「それもこれもカリスナから訓練してもらったおかげなのかな?」

「おい。お前達がカリスナから訓練してもらっていたことを知られているぞ」って。

 それは昨日あんなけギルド内で話題になれば自然と耳に入るだろう。
 例えそれでベルガルさんの耳に入らなかったとしても、ギルマスなんだからイサナミさんあたりから情報を聞くだろうし。

「それもそうか」だろ。

 なのでベルガルさんの口からその情報が出てきたところで驚くべきことではないね。

「それはあるかもしれませんね」

 ションゴンも特に驚いた様子もなく認めていた。

「ふむ。なら、うちの新人冒険者達もカリスナに訓練してもらえれば、いい冒険者に成長してくれるかもしれませんね」
「あいにくと、俺は冒険者を育成する人間じゃねーぞ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

処理中です...