異世界転生配信〜はぁ?なんだそれ!ってか異世界転生すら聞いてないぞ!〜(再編)

だらけたい

文字の大きさ
16 / 148

14.400は楽勝

しおりを挟む
 何度か扉をすり抜けて部屋を確認していると、お目当ての書庫を見つけた。

〉おー!流石貴族の家だな!
〉蔵書の数もなかなか
〉これだけの本があれば色々知識も得られそうだな
〉魔法の本とかもあるのかな?
〉って誰かいる
〉あっホントだ

 書庫の中では本を読んでいる少年とその後ろに控えるメイドさんがいた。

〉ここにいるってことは
〉この子がもう一人の兄の………
〉名前なんだっけ?
〉確かフィーシャが話していた中に名前があったよな?
〉あったけど………
〉覚えていないわね
〉レイン。あなたの兄なんだから名前知ってるでしょ?

《初めて会った兄だから知るわけないだろ。それに、俺も覚えてないからな》

 赤ちゃんのうちは会うこともないだろうと思っていたから覚える気もなかったからすっかりと忘れてしまった。

〉役にたたないわね
〉そんなんで家族としてやっていけるの?
〉兄なんだから名前を覚えてやれよ

《うっせー。
 そもそも親の名前すら聞いたことねーんだからな》

 シーナさん達は旦那様や奥様としか言わないし、俺に会いにこない本人達から名前なんて聞けるはずもないので知らないのだ。

〉あっ!
〉そういえば!
〉マジかー!
〉親の名前を知らない子供って
〉いや、普通の赤ちゃんは親の名前知らないのが普通だからな
〉そういえばそうだな
〉言葉を理解出来ないんだからな

 その通りと思いながら、俺は名前も知らない兄は無視して本棚の方へドローンを向かわせた。

《タイトルを見るかぎり、一番多いのは歴史書か戦術書か?》

〉次に小説かな?
〉魔法書とかはそんなに多くないね
〉魔法はそんなに簡単に使えるモノじゃないのかもしれないな
〉じゃあ、魔法でドローンを生み出したりしているレインは………
〉異常だな
〉これでまだ0歳の赤ちゃんなんだぜ
〉普通に神童よね
〉非常識にもほどがあるな

《まだ非常識と確定したわけじゃないだろ》

 どんな世界でも才能をもった非常識と呼びたくなる人達がいるだろうから、そういう人達が多くいることを願おう。

〉認めようとしないレインwww
〉諦めの悪い人間は嫌われるぞ
〉素直に認めろ
〉やっぱりドンマイだな
〉www

 なにを言ってもダメそうなリスナーは放っておいて兄の方へドローンを向ける。

「ジュイナ。次の本」
「はい」

 素っ気ない言葉でメイドさんに指示する兄。

《わかってはいたけど、やっぱりシャーズと似た感じの兄だな》

〉メイドさんを労ったりとか全然しそうにないタイプ
〉シャーズみたいに「平民が」とか普通に見下しそう
〉どこまでもクズな家族
〉その家族の一員になったレイン

《絶望しかないんだが。ってか、同じ家族として認識されたくもないんだが》

 血の繋がりは断てなくても、関係は断てるだろうから、やっぱりどこかで関係を断つことを考えないといけないよな。

〉ドンマイwww
〉ドンマイwww
〉ドンマイwww
〉ざまぁwww
〉異世界転生出来てもこの家族じゃ~ね~www

 思いっきり煽られているが、もう諦めの境地に入りかけているので堪えない。けど、やっぱり叫ぶ。

《だから異世界転生なんてイヤなんだよ!》

〉www
〉www
〉www

 リスナー達に笑われながら俺は内心頭を抱えた。

「あと五日だな」

 本を閉じた兄がそんなことを言い出した。

「はい。五日後にはギングズ様の鑑定の儀があります」

 ジュナイさんの返事に頷く兄、ギングズ。

〉兄の名前が判明
〉ギングズでした
〉覚えてね。レイン

 覚える気はあまりないので適当に頷いておこう。

《はいはい。
 それより鑑定の儀ってのが気になるな》

〉鑑定の儀か~
〉普通に考えればステータスの確認作業的な感じじゃねーの?
〉それによって有能・無能の判定がされるんだな
〉漫画などでもお馴染みの行事だな
〉異世界モノでの定番
〉テッパンだな

「残りの時間でどれだけ魔力量を上げることができるかが勝負か」
「やはり、魔術師を目指されるおつもりなのですか?」
「当たり前だ。
 人には合う合わないがある。そして、僕みたいな頭のいい人間に魔術が合って、兄みたいな野蛮な人間には剣術が合うんだ」

《まぁ、間違ってはいない考え方なのかもしれないけど、やっぱり言い方とかが尊大なんだよな》

 でも、あの兄が野蛮という認識には共感できた。

〉兄を野蛮扱いってwww
〉しかも普通に自分のことを頭がいいとか言ってるしwww
〉残念だけど、あなたより頭のいい赤ちゃんがここにいますからwww
〉知らぬが仏だなwww
〉おっ、お前頭がいいな
〉それほどでも

 コメントを見ることが出来ないギングズを煽っても意味がない気もするが、それをリスナー達に言うことも意味がないので黙っておこう。

「しかし、魔術師になるためには鑑定の儀で最低でも魔力量200前後あることが目安になりますが、それをクリア出来るのですか?」
「ふっ。僕を誰だと思っている。
 今日まで魔力量を増やす努力をしてきたのだから最低でも250はあるだろう。もしかしたら五歳で出た最高値の400を超える可能性すらあるだろう。
 それにだ。たとえ魔力量が足らなくとも、僕の頭の良さを理解すれば魔術師になることも十分可能だろう」

 ギングズの言葉を聞いて一度ステータスのMP値を確認する。

MP:180/320

 うん。見間違えたかな。

《なるほど~。五歳で魔力量400あれば高いほうなのか~。いい情報を聞けたな~》

〉レインが現実逃避してるwww
〉おい!戻ってこいレイン!
〉レイン~www。現実逃避しても何も変わらないぞ~www
〉0歳児の時点で魔力量320ある赤ちゃんだからなwww
〉多分五歳には400は楽勝で超えてるだろうなwww
〉ってか、生まれた時にはすでにギングズが目標にしている最低値の250あったしwww

「さようですか」
「あぁ。期待して待っていろ!」
「かしこまりました」

 力強く言い切るギングズだが、ジュイナさんはあまり期待した様子はなく、素っ気なく返事をしていた。

《二人の温度差がスゴイな》

〉自信満々で尊大なギングズと素っ気ないジュイナ
〉仕方ないだろうな
〉こんな尊大な態度で来られたら素っ気なくもなるか
〉ってか、レインが話を変えようとしてる件について
〉俺達から逃れられると思ったか?
〉逃さないからなwww

《ちっ》
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

男女比1:50の世界に転生したけど、前世の感覚で普通に接してたら幼馴染も姉妹もお嬢様もみんな沼にハマっていった件 ~ダンジョンにも潜ります〜

ベリーブルー
ファンタジー
男女比1:50――この世界で男は、守られ、大切にされ、穏やかに生きることを求められる存在。 だけど蓮は違った。 前世の記憶を持つ彼には、「男だから」という枷がない。女の子にも男の子にも同じように笑いかけ、距離を詰め、気負いなく手を差し伸べる。本人にとってはただの"普通"。でもこの世界では、その普通が劇薬だった。 幼馴染は気づけば目で追っていた。姉は守りたい感情の正体に戸惑い始めた。名家のお嬢様は、初めて「対等」に扱われたことが忘れられなくなった。 そして蓮はと言えば――。 「ダンジョン潜りてえなあ!」 誰も見たことのない深淵にロマンを見出し、周囲の心配をよそに、未知の世界へ飛び込もうとしている。 自覚なき最強のタラシが、命懸けの冒険と恋の沼を同時に生み出す、現代ダンジョンファンタジー。 カクヨムさんの方で先行公開しております。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...