異世界転生配信〜はぁ?なんだそれ!ってか異世界転生すら聞いてないぞ!〜(再編)

だらけたい

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30.王家からの

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 騎士団から少しの軽傷者を出したももの、無事に終わった裏の組織のアジト制圧作戦から二日後。

 今日、あの親達は曾祖父さんから呼び出された。
 親達はなにがなんだか分からずに首を傾げながらも馬車に乗って曾祖父さんの屋敷へと向かった。

 それを見送ったジルベイルさんは早速行動を始めたのでドローンでその後を追った。

 まずはシャーズとギングズの元へと向かったジルベイルさん。

「シャーズ様、ギングズ様、馬車の準備が出来たので外へどうぞ」
「はぁ?馬車だと?」
「今日は出かける用事はなかったと思うけど?」
「その歳で早くもボケたのか、ジルベイル」

〉うわっ。相変わらずの口の悪さ
〉普通に聞くとかできねーのか?
〉それが出来ないからこんなのに育ったんだろ
〉それもそうか

 しかし、この二人の口の悪さはいつものことなので、気にした様子もなく言葉を続けた。

「シューアイズ様の指示ですので馬車へ」
「曾祖父さまの指示だと?」
「そういえば、父上と母上が曾祖父さまに呼ばれていたよな」
「はい。それに関連したことですので馬車へ」

 そこまで言われてようやく立ち上がった二人は馬車へと向かった。

「ジルベイル。お前は曾祖父さまの用事が何かしっているのか?」
「いえ。何も聞いてません」
「使えないヤツだな」

〉そこは普通に「そうか」だけでよくね?
〉いくら使用人とはいえ、口の聞き方てものがあるだろ
〉ろくな大人にならねーな
〉こんなヤツにはなりたくないよな

《まぁまぁ。もしかしたら会うのは今日が最後になるかもしれないんだしさ》

 表情を一切変えないジルベイルさんは二人を馬車まで誘導した。その間ずっと文句を言っていた二人だが、馬車には素直に乗り込んだ。

 それを見たジルベイルさんは馬車の御者と意味深な頷きあいをしたかと思うと馬車が動き出した。
 すると、動き出した馬車の周りを騎士達が囲み、そのまま屋敷を出ていった。

〉なんか、出かけるというより護送されているみたいに見えるのは俺だけか?
〉大丈夫。俺にもそう見えたから
〉ジルベイルと御者の頷きあいもかなり意味深だったしね
〉あれ絶対向かう先は曾祖父さんの屋敷じゃねーだろ

《だろうな。まぁ二人がどこに連れて行かれようが気にしねーけど》

〉家族に対してこの淡白な対応www
〉仕方ないだろうけどもっと興味をもってあげてwww

 二人を見送ったジルベイルさんが俺達の部屋へとやって来た。その後ろには初めて見る女の子の赤ちゃんを抱いたメイドさんの姿もあった。

〉あれが今回産まれたレインの実妹か
〉つまり、実妹・異母妹・義妹の異なる妹達が勢ぞろいしたというわけか!
〉普通じゃなかなかありえない状況だな
〉親が再婚とかすれば日本でもありえなくはないな
〉しかし、異なるタイプの妹が三人もいるなんてアニメや漫画みたいで羨ましい状況だな
〉それぞれに違う呼ばせ方とかするのか?
〉お兄ちゃん・お兄様・兄上とか?

《しねーよ。それこそアニメや漫画だけの話だろうが》

 そんな風に呼び方を変えることを強要する気もないので普通にお兄ちゃん呼びとかに収まるだろう。

「シーナ、フィーシャ、アル。準備は出来ていますね」
『はい』

 ジルベイルさんの問いに三人は頷いた。

「では、行きましょうか」

 三人の妹と共に乳母車に乗せられた俺は、さらに馬車に乗って屋敷をあとにした。

 屋敷を出た俺達が向かったのは当然曾祖父さんの屋敷であり、その屋敷内ではちょうど曾祖父さんと親達の話が始まったので、つけていたドローンの映像をオンにした。

「ワイザー、ニワタシカ、なぜ呼ばれたかわかるか?」
「いえ。私達がなにかいたしましたか?」

 あくまでしらを切るつもりなのか、それともバレていると思っていないのか、首を傾げる親達に曾祖父さんはため息を吐いた。

「二日前の夜の騒動を知らないわけではないのになにもしていないと言うつもりか?」

 曾祖父さんの睨みがキツくなると、親達は体を強張らせた。

 曾祖父さんの眼力にも怯んだのだろうが、同時になんのことで呼び出されたのか理解したのだろう。

〉おぉ
〉スゲー眼力
〉親達が固まっちまったな
〉蛇に睨まれた蛙状態
〉母親のほうなんて冷や汗かきはじめたぞ

「なにもしていません」

 それでも、なにもしていないと言いきる父親。

《やっぱりそう簡単には認めないか》

〉まぁ認めるなら最初に認めてるだろうな
〉ってか、そんなに簡単に認めるならそもそもこんなことやらねーだろうな

《それもそうか》

 それに対して曾祖父さんは一枚の紙を机に置いた。

「これを見てもまだそんなことが言えるか?」

 その紙を見た瞬間、母親はうつむき、父親は立ち上がった。

「そんなのはデタラメです!」

 曾祖父さんが出した紙に書いてあったのは、裏の組織と親達が交わした契約書であり、これ以上ない決定的な証拠であった。

「デタラメ、か」
「はい」
「なら、二人の赤ちゃんをどこから連れてきたのか説明してもらおうか」

 その一言にワイザーが固まった。

〉さぁどう答える?

 俺や曾祖父さん、リスナー達が見つめるなか、父親が出した答えが、

「………」

 まさかのだんまり。

〉流石に黙り込むか
〉答えられるわけねーからな
〉答え=自白だしな
〉だからってなにも言い訳考えてないってあり得るか!?
〉見つかると思ってなかったんじゃね?
〉そんなことも想定せずにこんなことし始めたのかよ!
〉はた迷惑!
〉ありえね~
〉ずさんすぎるだろ!

 父親から答えが返ってこないことにまた呆れた曾祖父さんは大きくため息を吐いた。

「それが答えなんだな」

 黙り込んでしまった親達はやっぱりなにも喋ろうとしない。

「なぜこんなことをした?」
「………」
「なぜこんなことをした!」

 一喝する曾祖父さんとビクッとした親達。

〉うおっ!ビックリした!
〉怒るのはわかるけどいきなりは心臓に悪いって!
〉心臓バクバクしてる
〉はぁーはぁー

 驚いているリスナー達。

 これは俺もちょっと予想外だったので、

《耳キーンとなった………》

 なので、少し音を落とした。

「こんなことをしてどうなるかわかっているのか!」
「家のためです」
「なんだと?」
「王家の子供の良き友となる存在を育て、繋がりをつくり、我が男爵家をさらに繁栄させていくためにしたことです」

 開き直った父親はそう言い切った。

〉うっわ
〉最低な開き直りしやがった
〉そんなんで繋がりが本当に出来ると思っているのか?
〉思ったからやったんだろ
〉浅はかな

「そのためには裏の組織と関わりを持ち、子供を道具のように扱うことが許されるとでも言うつもりか?」
「子供を道具のように扱おうとは思っていません。
 それに、裏の組織と関わりを持ったことは悪いことかもしれませんが、子供が王家との繋がりを得ることは悪いことではないはずです。その結果、男爵家の繁栄にも繋がる。誰も損をしないいいことではないですか」

 本気でそう思っている父親は立ち上がってそう言いきった。

〉開き直ったせいで父親の口がよく回る
〉よくここまでスラスラと言い訳をならべられるな
〉しかも、その言い訳がもっともらしく聞こえてしまいそうだからたちが悪いな
〉まさか、曾祖父さん流されたりしないよな

「本気でそう言ってるみたいだな」
「えぇ。
 それに、貴族の家に産まれた子供として、家のためになることをするのは当たり前でしょう」

 笑顔で言いきる父親は曾祖父さんを真正面から見た。

〉うわ~。自分の言葉にスゲー酔ってやがる
〉自分が正しいと信じて疑ってない感じだな
〉曾祖父さんが拳を握りしめてるのに気づいてねーし
〉レインも黙り込んじまったし

「そうか。ならば、今回犯罪組織と繋がっていたお前達に王家からの決定を通告する」

〉まさかの王家からの通告!?
〉しっかりと王家に報告したのか!?
〉マジか!!!
〉孫がやったこととはいえ、身内の恥を報告するなんてなかなか出来ねーぞ!
〉かっけー!

《ホントにカッコいいよな》

 この人が曾祖父さんでホントに良かったと思える。

 そして、まさか王家からの通告が来るとは思っていなかった親達はガタガタと震えだした。

「フィアリーアーズ男爵家を取り潰しとし、ワイザー、ニワタシカ両名を犯罪奴隷としてミルナイブル送りにする」
「なっ!」
「どうしてそうなるのですか!」

 家の取り潰しに犯罪奴隷まで落ちる。

 王家に取り入って成り上がろうとしていた二人にとってはかなりの罰だろうな。

「黙れ!お前の言い訳はもう聞きたくないわ!連れて行け!」

 曾祖父さんの言葉で控えていた騎士達が喚く親を連れて部屋を出た。
 それを見送った曾祖父さんは大きくため息を吐いた。
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