異世界転生配信〜はぁ?なんだそれ!ってか異世界転生すら聞いてないぞ!〜(再編)

だらけたい

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36.擬似的な

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「最後の三つ目の方法ですが、フィーシャさん、俺の身体をすっぽり包めるぐらいの大きな布ってありますか?」

 三つ目の方法だけ布が必要なので、フィーシャさんに聞いてみる。

「ちょっと待ってください」

〉布?
〉布なんて何に使う気だ?

《それは見てのお楽しみ》

 一度部屋を出たフィーシャさんはバスタオルサイズの布を持ってきてくれた。

「どうぞ」
「ありがとうございます」

 布を受け取った俺はそれをマフラーの要領で首に巻くと、布に魔力を込めて翼の形に変形させてから硬化をほどこすことで擬似的な翼を作り出して羽ばたくことで飛んだ。

〉おぉ~
〉なるほど
〉このための布か
〉こういう飛び方もあるのか

 魔法で安全に飛ぶためにはどうすればいいかと考えて、俺が一番に思いついた方法はこれだった。
 布に魔力を込めて擬似的な翼を作る、なんて方法は多分この世界にはないだろうけど、硬化の魔法はさすがにあるだろう。
 だから、あとは布に魔力を込めるのと、込めた魔力を使って擬似的な翼こと、その翼を羽ばたかせることに慣れれば一番楽に安全に飛べると思うので難易度としては易しいだろう。

「これが三つ目の方法で、布を変形させて硬化させることで擬似的な翼を作って飛ぶ方法ですね」
「これはまたスゴイな」

 呆然とした様子で呟く曾祖父さん。

「レイン様。それはどうやって布を翼の形に変形させているのですか?」

 興味津々なガイアスさんが食い入るように見つめてきながら聞いてきた。

「変形は布に魔力を込めてやっていますね。その魔力が神経の変わりみたいになるので、こうして翼を羽ばたかせることができるのです」

 俺の答えに関心したようにガイアスさんは頷いていた。

〉そうなのか?
〉魔力が神経代わりになるんだな
〉驚きだ!

《俺も驚いてるよ》

〉なんでお前が驚いてるんだよ!
〉やった本人なのにwww

《初めて使った魔法だからな》

 イメージがあれば出来るとは思っていたが、その際にどうなるかまでは考えていなかった。

〉ぶっつけ本番でそれをするってwww
〉しかも、曾祖父さん達への説明の最中にwww

《飛ぶって考えて思いついたからな》

〉思いついたからってwww
〉普通はしねーよwww

《他の二つも今日初めて使った魔法だしな》

 三つとも成功してよかったと今はホッと胸をなでおろしているところだ。

〉ぷぎゃーwww
〉マジかーwww
〉普通じゃありえねーwww
〉流石バケモノレインwww

《うるせー》

「もしかしてですけど、翼以外にも変形できるのですか?」
「そうですね」

 ガイアスさんの疑問を確認するために机のあいたスペースにおりると、布を翼から腕へと変形させてコップを持ち上げてみる。

「出来ますね」
「となると、汎用性は布による変形のほうがいいというわけですね」
「そうですね。風やサイコキネシスは威力の加減を間違えると怪我どころではすまない可能性もありますからね」

〉風の威力を間違えたりしたら壁にグシャ!
〉サイコキネシスの威力を間違えたりしたらその力で体がグシャ!
〉具体的に言うな!
〉想像して鳥肌がたったじゃねーか!
〉マホウコワイマホウコワイ!
〉壊れた機械みたいになったヤツまで出てきて草

「ならば、覚えるなら布による変形が一番ということか」
「それがいいと思います」
「しかし、そうなるとまずは布が必要になるな」

 すでにやる気満々な曾祖父さんはすぐにでも布を探しに行きたそうにソワソワし始めた。
 そんな曾祖父さんを抑えながら曾祖母さんはリブルさんに視線を向けた。

「リブル。頼めるかしら」
「かしこまりました。私達の分も一緒に購入しておきます」

 リブルさんの言葉に曾祖母さんは異論を唱えることなく笑顔で頷いた。

〉ちゃっかり自分達の分まで買うと宣言したぞ、この執事
〉曾祖母さんも笑顔で頷いて了承しちまったよ
〉『私達も飛びたいんです!』
〉『えぇ。わかっています。一緒に飛びましょう』
〉的な感じのやり取りだな
〉みんなで飛行しましょうってことなんだろうな
〉そうなんだろうけど!
〉そこは流れからして非行と間違えるところだろ!
〉はっ!俺としたことがやっちまった!
〉頼むよ~
〉すまんすまん

《そんな決まりはねーからムリして間違えることねーだろ》

〉そうなんだけど!
〉やっぱり流れってものがあるだろ!
〉そのほうが楽しんだし!

《そうやって押し付けるのってパワハラじゃね?》

 まぁ、リスナー達は楽しんでやっているのでそこまで言うことじゃないのだろうけど、なんとなく言ってみる。

〉すいませんでした!
〉ごめんなさい!
〉そこまで思いつかなかったです!

《気をつけろよ》

〉はい!
〉はい!
〉はい!

 いい返事が返ってくるのだが、実際楽しくなったらお構いなしにパワハラ発言とかしてきそうだけど、まぁそれはその時に考えればいいことか。

「さて、布が手に入るまでにやっておくべきことはあるか!?」

 曾祖父さんが俺に迫ってこようとしてきたので、後ろに下がって距離を取ってから考えるが、そもそもの話が、

「俺も誰かに魔法を教えたことがないので、やっておくべきことと聞かれても困るんですよね」
「それもそうか」
「それでしたら、騎士団の魔術師にアドバイスをもらってみてはどうですか?」

 ガイアスさんの提案に曾祖父さんが目を輝かせた。

「なるほど。それはいいアイデアだ」
「魔術師ですか?」

 魔術師といえば、ギングズが絶対なると意気込んでいたやつだよな。

「魔術師とは魔力値が高い者がなることのできる魔法を専門とした職業のことで、魔法のスペシャリストです。
 なので、こちらの世界の魔法については誰よりも詳しいですし、レイン様の魔法についてもいいアドバイスがもらえると思いますよ」
「なるほど。確かにこちらの世界の魔法について知れれば、皆さんに教えることができるかもしれませんね」

 ってか、本来はまずこちらの世界の魔法の知識を手に入れてから魔法のアレンジなりオリジナル魔法を作ったりするのが普通なんだよな。
 それなのに初っ端からオリジナル魔法ばかり作ってるなんて、一歩間違えればヤバいことになってたかも。

 そう思うと、オリジナル魔法を作るのは少し止めておいたほうがいいだろう。

〉そして、こちらの世界の魔法の知識を得たレインはさらにバケモノとして進化すると
〉もはや誰も手がつけられなくなるんじゃね?
〉魔神と呼んだほうがいいかもな
〉赤ちゃんの時点で神になったレインwww
〉これでサイテーな遊びをしている神を殺せるんじゃねwww?
〉神対神の頂上決戦が始まるのかwww!?

《始まらねーからな》

 そもそもの話が神に会ったこともないのに頂上決戦とか言われても困る。

〉え?始まらないの?
〉あんなに殺したいとか言ってたのに?

《もうめんどくせーよ》

〉めんどくせーってwww
〉その一言で神殺しを止めるってwww
〉ってか、めんどくさくなかったら殺す気なんかよwww

《あぁ殺すよ》

 こんなことをした責任はしっかりととってもらわないといけないからな。

〉あっさり殺すって言った!
〉やっぱり殺すんだwww
〉そんなに殺したいんだwww
〉まぁプライベートがないようなモノだしwww
〉しょうがないよなwww
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