異世界転生配信〜はぁ?なんだそれ!ってか異世界転生すら聞いてないぞ!〜(再編)

だらけたい

文字の大きさ
57 / 148

51.会ってないし

しおりを挟む
 目が覚めるとなぜか白い空間にいた。

《どこだ?ここは?》

 周りを見回すも当然誰もいない。

 突然の展開に呆然としていると、

〉おい。ここは?
〉どういうことだ?
〉なにが起きた!?
〉まさかの神様降臨!?
〉ならなら!
〉神様!俺を異世界転生させてくれ!
〉異世界転生するのは俺だ!
〉私よ!私が異世界転生するのよ!

 いつも通りのリスナー達のコメントに苦笑しつつも、落ち着きを取り戻せた。

《いや、ここが神様の世界が俺知らないんだけど?》

〉えっ?
〉知らないの?
〉なんで?
〉どうして?

《だって俺、異世界転生する時に神様に会ってないし》

 そう。ゲームをスタートさせたら神様に会うことなく異世界だったので、ここが神様の世界かどうかなんてわからないのだ。

〉あれ?
〉そうだったのか?
〉マジか!?
〉そうなのか!?

《この勝手な配信が始まった時に俺はちゃんと言ったぞ》

〉あ~
〉そ、そうだったわね………
〉そんなこと………言ってた………な………
〉え~と、う~んと

 言ったよな?

 リスナー達のコメントに少し不安になるが、そう言うとリスナー達からの煽りがきそうだし、ここは言ったということで押し切ろう。

《ほら、素直に言え。忘れてたと》

〉わ、忘れてるわけないじゃない!
〉お、覚えていたさ!
〉あ、当たり前だろ!
〉し、失礼なこと言うなよ!
〉そ、そんなわけないだろ!
〉すまん!忘れていた!
〉素直なヤツ出てきた!?
〉裏切り者!

《言い訳してるヤツら、裏切り者じゃないだろ》

 まぁ、言ったかどうか覚えてなくて言ったということで押し切ってる俺が言えたことじゃないけど。

〉………
〉………
〉………
〉ホントにゴメンな
〉また裏切り者が!?

 おっ。予想外に謝ってきたヤツがいた。この流れだと黙り込んで突っぱねそうなのに。

《うん。普通に謝ってくれたヤツは許す。で、その他のヤツらはどうすんだ?》

〉ごめんなさい
〉すいませんでした
〉申し訳ありません
〉ってか!そんな前のこと覚えてるか!
〉逆ギレし始めたヤツいるしwww
〉レインはキレてないから逆でもねーけどなwww
〉俺はなにも悪くない!
〉開き直ってるヤツもいて草

《そうか。なら今後リスナー達は全無視でいいな》

 ホントに無視する気はないけど、こう言ってやれば、

〉すいませんでした!
〉ごめんなさい!
〉土下座でもなんでもしますからそれだけは!
〉私達の楽しみを奪わないで!
〉誠に申し訳ありませんでした
〉どうか!どうかご容赦を!

 やっぱり全力で謝罪してくるよな。

《はぁ。仕方ない。許してやるよ》

〉くそぉ………
〉やっぱり俺達はレインに勝てないのか………
〉どうしてだ………
〉これが転生者と転生出来ない者の差なのか………
〉ざまぁがしたいだけなのに………

 リスナー達とやり合っていると、いきなり聞こえてきたバースデーソングとともに大合唱が始まった。

『ハッピーバースデートゥユー
 ハッピーバースデートゥユー
 ハッピーバースデーディアレイン
 ハッピーバースデートゥユー』

〉バースデーソングだよな?
〉あぁそれもレインのな
〉ってことは………
〉つまり………
〉今日はレインの誕生日!

《みたいだな》

 これで俺以外のレインという名前の人間の誕生日を祝うためのバースデーソングだった場合、それを企画した人間、もしくは神様を俺は殴るだろうな。

〉みたいだなって
〉やけにあっさり
〉自分の誕生日なんだぞ!?
〉嬉しくないのか!?
〉誕生日がきたってことは1歳になったってことだぞ

《いや、まぁうれしいとは思うけど、いきなり「今日がお前の誕生日だ。おめでとう」って祝われてもポカンとしてしまうだろ》

〉自分の誕生日を知らなかったのかよ!
〉そんなことあるのか!?
〉マジか!?

《こちとら赤ん坊なんだぞ!自分の誕生日が何日かなんて知るわけねーだろが!》

 自分の誕生日がいつかを理解している一歳児など世界のどこを探してもいないだろう。

〉そうだった!
〉レイン相手だとついついそのこと忘れちまうなwww
〉仕方ないだろ、レインなんだしwww
〉とりあえずおめでとう!
〉おめでとう!
〉おめでとう!
〉おめでとさん!
〉ありがとう!
〉いや、お前じゃねーだろがwww
〉この見ているタイミングが俺の誕生日なんだからいいだろが!
〉誕生日にレインの配信見てるリスナーいて草
〉寂しいヤツなんだな
〉それなら一緒にお祝いしてやらないとな
〉レインと今日誕生日のリスナー達。おめでとう!

 リスナー達がおめでとうと言ってくれることでようやく自分の誕生日だということを実感出来た。

《みんなありがとう》

 顔を見たこともない相手だが、おめでとうと言われるのはやっぱり嬉しいものだな。

「私からもおめでとうと言わせてもらいましょう」

 その声がした方向を見ると、そこには少女がいた。

 うん。頭上には光のリングがあって背中には真っ白な翼。どこからどう見ても天使だよな。

〉天使キター!
〉天使キマシタワー!
〉キタキタキター!

 リスナー達が騒ぎ出すのも無理はないだろう。

〉やっぱり天使はいるんだな!
〉ってことは神もいるってことだろ!
〉この配信も見ているのかな!?
〉だったら神様!俺も異世界転生させてください!
〉異世界転生するなら俺だろ!?
〉いや!俺だ!

 さらに騒ぐリスナー達は放置しても問題ないだろう。
 それより問題なのは、なぜ天使が今さら俺の前にやってきたのか、ということだ。

「それは、レインにさ………………………神からのプレゼントを持って来たからです」

 心の中を普通に呼んできたことについてはツッコまないが、途中の言葉に詰まった部分はなんだ?

「こちらのことなので気にしないでください」

 天使がそう言うなら気にしないほうがいいのだろう。
 そして、こういう時はやっぱりテンプレ的なあのセリフを言っておくべきだろうか。

「一応心の中を読まないでと言っておいたほうがいいのか?」
「そこはご自由に」

 そう言われたら言うしかないだろう。

「心の中を読まないでくれる?」
「結局言うのなら聞いた意味ないんじゃないですか?」

 苦笑する天使。

 確かにそれもそうだな。とは思う。

〉上位の存在が心を読めるのはテッパンだな
〉変なことを考えれないじゃねーか!
〉天使を前に変なこと考えようとしているヤツいて草
〉どんなこと考える気だよwww
〉ピーとかピーとかピーとかだな
〉ピー音入るようなこと考えるなwww
〉天使相手にそんなことを考えてたら殺されるぞwww

「軽く天罰は与えるかもしれませんが、殺すまでは多分ないでしょう」

 普通にリスナー達のコメントに反応した天使。

〉………
〉………
〉………

 予想外だったのか、リスナー達は黙り込んでしまった。

〉俺達の会話も見えてるのか?

「当然見えてますよ。上位の存在ですから」

〉それもそうか~
〉そうだよな~
〉上位の存在だから見えて当たり前か~
〉どうもすいませんでした!

 あっさりと受け入れて飲み込むなり切り替えるなりして対応する。この対応の速さはさすがだな、とムダに感心する。

「別に怒っていませんから謝罪は不要です
 それより」

 天使が俺を見てきた。

「これが神が用意した誕生日プレゼントです」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

男女比1:50の世界に転生したけど、前世の感覚で普通に接してたら幼馴染も姉妹もお嬢様もみんな沼にハマっていった件 ~ダンジョンにも潜ります〜

ベリーブルー
ファンタジー
男女比1:50――この世界で男は、守られ、大切にされ、穏やかに生きることを求められる存在。 だけど蓮は違った。 前世の記憶を持つ彼には、「男だから」という枷がない。女の子にも男の子にも同じように笑いかけ、距離を詰め、気負いなく手を差し伸べる。本人にとってはただの"普通"。でもこの世界では、その普通が劇薬だった。 幼馴染は気づけば目で追っていた。姉は守りたい感情の正体に戸惑い始めた。名家のお嬢様は、初めて「対等」に扱われたことが忘れられなくなった。 そして蓮はと言えば――。 「ダンジョン潜りてえなあ!」 誰も見たことのない深淵にロマンを見出し、周囲の心配をよそに、未知の世界へ飛び込もうとしている。 自覚なき最強のタラシが、命懸けの冒険と恋の沼を同時に生み出す、現代ダンジョンファンタジー。 カクヨムさんの方で先行公開しております。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...