桜の下の約束

第二十八話「二度目の告白」

―桜の下の約束―

第二十八話「二度目の告白」

「去年の渉の野球の地区大会の時も渉の為にサンドイッチ作ってあげたじゃん！」

渉はあの時私が差し入れたサンドイッチを

「これ差し入れだからみんなにあげてもいいだろ」って他の部員にもあげていたからね。

私は渉の為に作ったのに・・・。酷い」千草は今までの不満が爆発したのか怒鳴った。

「・・・・・千草？」渉が唖然としていた

「そうか・・千草ごめんな」そう渉が言って千草の頭を撫でた

「渉・・・・・私・・・渉が好き」千草は渉の目をじっと見つめていた

その瞳は潤んでいたように思う・・。中学一年の時のバレンタイン千草は

一度渉に告白して振られていた。でもどうしても今自分の感情を抑えられなくなった

千草はふいに二度目の告白をしてしまった・・・。結果はすでに分かっていたはずなのに

それでも千草は渉に今言わないときっと一生後悔する・・・。

そんな渉への諦められない恋慕が千草の心中にまだ残っていた・・・。



「・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・」

お互い無言になってしまう。でも千草が渉の目を真っすぐみる。

それに応えるように渉も千草から視線を逸らさないで真っすぐ千草を見ていた

「・・・・本当に有難う。千草嬉しいよ・・・でも、ごめんな。

俺はやっぱりみちるじゃないとダメなんだ。アイツの笑顔を守ってやりたいんだ。

本当にごめん。」渉は真っすぐ真剣な顔をして千草に言った。

それを聞いた千草は自分にはもう勝ち目がないことを改めて実感していた

「渉・・・・・真剣に答えてくれてありがとう」そう渉に言い笑顔で笑った

「・・・・。うん、本当にごめん」渉は言った・・。

その後みちるがトイレから戻ってきた

みちるは半分以上なくなっていたサンドイッチ見て渉に文句を言っていた

渉はそんなみちるに対していつものふざけた調子で意地悪を言っていた

千草はそんな渉とみちるをみて自分には勝ち目がないと改めて思ったのだった。



どのくらい時間がたったのだろう

三人は机に向かって何かを書いていた・・・。

つづく