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第六話 「放課後の部活」
しおりを挟む第六話 「放課後の部活」
夕方・・教室の窓の外からは夕焼けが綺麗に見えていた。
その夕焼け空の下で生徒たちはいつものようにミーテイングをした後
二人ずつにペアになり、足慣らしてパスの練習をしていた
だが、俺は今日は一人だった。誰も俺と組みたがる奴がいなかったからだ
俺は仕方なく一人で壁で練習をしていた。挫いた右足を庇いながら。
そして長い一日が終わろうとしていた。
「おい、雨宮ちゃんとやっとけよ」
何人かの先輩グループが俺にめがけてボールを蹴った。
その中に当然のように青木がいた。
俺の身体に投げられたボールは当たり倒れそうになった
「クソっ、これって苛めだよな?・・なんで俺なんだよ」
俺の中で怒りが込み上げてきた
練習が終わりみんな帰り一年の俺だけが後片付けを押し付けられた
俺は一人で転がったサッカーボールの片付けをひたすらしていた。
俺は思った。昨日部長の林先輩じゃなくても誰かに言えば良かったと・・。
財布が誰か間違えて俺のロッカーに入れたとしてもあの時、財布を見つけた時点で
他の先生や木下先輩に携帯で電話で相談していたら・・・
こんなことにはならなかった・・。
やってもいない窃盗で苛めに合うなんて思わなかった。
でも一番腹がたつのは自分だった
窃盗の犯人扱いした奴らの分までこうしてボールを片づけている自分自身
の弱さと何も出来ない無力さだった
つづく
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