クリスマスが来る前に

アオト★★

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5.6.7話

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クリスマスが来る前に

第五話「 買い物」
マフラーを紛失してしまった都
その日、千鶴の買い物に付き合ってバスで
学校の帰りに少し遠い新しく出来たお店に寄ったのだ、行くときにはちゃんと
カバンと一緒に手に持っていた、
マフラーが入った紙袋がない事に気がついたのは自宅に帰ってきてからだった。
「どうしよう、時間がないのに」
お店で落としたのか、バスの中かどうしようと悩んでいたら携帯が鳴った
千鶴からだった
「あのさ、さっき買い物袋の中に紙袋が混ざっていたんだけど、中にマフラーが入ってて都のだよね❓」
さっき、千鶴の大量に買った洋服の
袋を半分持ってあげたときにマフラーの入った袋も一緒に千鶴に返しちゃたんだ。千鶴の自宅に取りに行ったらどういうことか説明しろと言われたので瀬戸君に告白するためにマフラーを編んでいたことを告げた
つづく


―クリスマスが来る前に―
第六話「ラブレター」
告白することを千鶴に言ったら「頑張れ」って言ってくれた。
クリスマスイブの二日前 
マフラーをなんとか編み終えた都は教室の机の上で手紙を書いていた。
「瀬戸君へ、クリスマスの日に渡したいものがあります
放課後教室にいてください。佐々木より」
この手紙を彼に今日思いっ切って渡す。果たして彼は手紙を
受け取ってくれるだろうか・・直接渡すのはやめて靴箱に入れておこうか、
いや、それはやめておこう、きっと今日も彼の靴箱はラブレターの山だろう
彼が読まない可能性もある。マフラーまで編んだのに手紙が読まれなかったら
意味はない。やっぱり直接渡そう。勇気を出して。
放課後みんなが帰りの支度を始めた。
彼の周りには数人の女の子たち。「瀬戸君」彼を呼んだ途端に彼女たちの
冷たい視線が自分に向くのがわかった・・・。
「何?」彼がこっちを向いた。
「あの、これ」それだけで心臓が飛び出しそうなくらいドキドキした

つづく

―クリスマスが来る前に―
第七話「彼女の存在」
「読んで下さい」そう言い彼に手紙を渡した。そのまま彼の顔を
まともに見れずにカバンを持って小走りに教室を後にした
教室を出てもまだ心臓がドキドキしてる。この時本当に彼が好きなんだと
実感した。なんだか急にトイレにいきたくなってカバンを持ったまま
トイレに駆け込んだ。トイレの個室に入り深呼吸をした。
ドキドキしていた心臓もだんだん落ち着いてきた。
用事を済ませてトイレから出ようとしたらトイレに入ってきた数人の女子
の声が聞こえてきた。最初の女子の声「なんなのさっきの女」
続いてもう一人「本当、瀬戸君に手紙なんて渡して図々しいよね」
先ほど、瀬戸君の周りにいた女子たちだった。ここまでは予想通り
の文句だ。だが次の女子の言葉は予想外だった
「馬鹿みたい。あんな手紙なんて無駄よ。瀬戸君には他校
に本命の彼女がいるのにね」  つづく
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