君に捧ぐ花

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第十一章 Break the Ice

第九十二話 subject: 絶対違うから

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From: wifjdisk9834@_________.co.jp
To: kyoko_hillfield@__________.co.jp
Date: 2015/8/15, Sat 10:11
subject: 絶対違うから

****************

杏子へ

杏子とお母さんは違うよ。お母さんが悲しい人生を送ってきたからって、杏子がそうなるとは限らない。
お母さんが子供を愛せなかったからって、杏子がそうなるとは限らない。

杏子はお兄ちゃんを愛してくれたんでしょ?人を愛せない人間なんかじゃないよ!
自慢じゃ無いけどね、お兄ちゃんは、中身の無い女を好きになるような、そんな薄っぺらい男じゃ無いよ。
杏子に人間としての魅力があるから、お兄ちゃんは杏子を好きになったんでしょ。自信持ってよ。
確かに、杏子にはちょっと困ったところもあるけど、それはお母さんのせいにしないで(笑)人間としての欠陥なんて大げさ。慌てずに、ちょっと落ち着いて考えれば、それで済む話。

太ってるとか関係無いよ。静子おばちゃんも、杏子のこと素敵な女性だって褒めてた。魅力的な可愛らしい人だって言ってた。不細工なんかじゃ無いから。
そんなこと言うなんて、杏子のお母さん、一体どんな美人なの(汗)すごい自信。
確かに、何歳か知らないけど、いい歳になって医者を引っかけられる位なんだから、美貌の持ち主なんだろうね。

でも、杏子のこと綺麗だってお兄ちゃん言ってた。お願いだから、自信持って。
私は会ったこと無いけど、あのお兄ちゃんがそう言うんだから間違いない!
杏子は綺麗だし、愛される女だし、愛せる女だし、いつか必ず誰かと幸せな家庭を築ける女だよ。
家族の絆のありがたみを知ってるんだから、いつか自分の家族を持ったときに、絶対大事にできるはず。

でも、動機はどうあれ、お母さんは杏子に赦して欲しくて謝りにきたんじゃない?今は杏子も腹が立ってるだろうけど、少し気持ちが落ち着いたら、もう一度考えてあげてみたらどうかな。
杏子の所に謝りに来るの、すごく勇気が要ったと思う。
子供が母親の愛情を求めるのって、生物としての本能じゃないかな。どんな母親でも、諦めたと思ってても、それでも期待してしまうのもしょうが無いと思う。それくらい、母子の絆って強いんだよ。
お母さんも、愛情がもてないと言いつつも、どうしても杏子のことを諦められなかったから、今からでもと思ったんじゃない?

杏子が前に言ってたみたいに、家族のことに私なんかが口を出すべきじゃ無いと思うんだけど、もう親を取り戻せない私に言わせれば、生きているうちにできることは、全部しておいた方がいいんじゃないかなって。
偉そうにごめんね。

今は気持ちを落ち着けて、またゆっくり考えてみて。

真奈美
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