俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬

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魔法対抗試合編

第十六話 : 苦手なこと

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第一試合が瞬発的な判断力を見るものなら、第二試合は実行力、戦略性を見るものだろう。

第二試合ーー“異界の森の争奪戦”
学校の教師陣が魔力を合算して作り上げた別の世界、通称“異界”。去年は学校が舞台だったけど、忠実に作られすぎて校長室に置いたあった皿が戦闘で割れた時の学校長といったら⋯ほぼ泣いてただろ、あれ。
まぁでも異界の中で戦うってのは、魔法学校ならではだろうな。

ルールは簡単。ランダムに人選された三人がチームとなって、相手チームのリーダーが持つ“魔法石”を手に入れる。そして終了時に魔法石の所有数が多い上位三チームが第三試合へと進むことになる。

誰が魔法石を持つ“リーダー”になるか、見知らぬ地形でどう戦うかなど、単純な強さだけでなく、頭も使う実践的な試合だ。
危険な場面も多く、教師陣の判断次第で、教師が介入することもあるが、その判断が間に合わなかったり、危険に遭った生徒がなにかしらダメージを負う可能性だってある。

「にしてもロイのやつ、大丈夫か⋯?人見知り発動して連携取れなかったらこの試合結構詰みだぞ⋯⋯」

大勢の観客が注目する試合場では、教師陣がもうすぐ始まる第二試合の準備を始めていた。
中に入って不備が無いかを確認したり、異界の森に生息する“視覚能力”を持った植物の視界を空中に投影し、こちらからも中の様子が見えるよう調整していた。

「これより、各チームのメンバーを発表する。第一チームから順に―――」

⋯⋯ロイとカインは分かれたか、そりゃ確率的にそうなるけど。お、ケイ君も残ってたのか。王子の側近って、やっぱ強いやつがなるのかな。そうウィーリアに尋ねようとしたが、隣にウィーリアの姿はない。昼食を食べ終えた後、「先生に呼ばれてるから、また後で」そう言ったきりまだ戻ってきてないのだ。

「ウィーリアのやつ、何やってんだ?もうすぐ試合が始まるってのに」

リーフレット片手に、ウィーリアの姿を探してみるも見当たらない。そうしていると、横から、低く威圧的な声が聞こえてきた。

「ここ、座ってもいいか」

「オ、オリアス先生!?」

声の主は、俺の魔法創作に付き合ってくれる、優しいけど厳しい、高等魔法学の鬼教師――オリアス先生だった。驚いてるのは俺だけではなく、周りに座る生徒も皆、オリアス先生がこの場にいることに驚愕しては、席を立って他所へと移動していた。おいおい、そんなに怖がられてんのかよ。

「あ、あの、どうしてここに?」

「⋯たまには生徒と試合を見るのも、面白いと思ってな」

周りの様子を気にすることなく、先生は少し口角を上げた。
⋯⋯意外だ、この先生が自ら生徒の所へやって来るなんて。そりゃ一応、生徒席は教師も来ていい事にはなってるけど、大体の教師は試合場の端の、教師用スペースで見ているからな。教師の間でなんかあったのか?
ウィーリアの定位置だった場所に腰を下ろした先生は、一瞬俺をじろっと見たかと思えば、すぐに視線を試合場に向けた。

「⋯君の弟は、あそこか。B組のマティニア、A組のステンと組んだみたいだな」

「⋯⋯二人は強いんですか⋯?」

「マティニアは、魔力は少ないが勉学だとA組にも引けを取らない。ステンは土魔法を得意とするやつだ。地形が複雑な以上、足場を操れる仲間というのは相当心強いものだ」

「そうですか」

そうして、生徒と教師。異質な空気を纏う中、第二試合は始まりを告げた。



◆◆◆◆◆



「悲しいね、君と違うチームだ」

「清々する。これで心置きなくお前を倒せるからな」

チームメンバーは、B組マティニア、A組ステン。どちらも聞いたことない名前だな、あまり干渉しないタイプだと良いんだが⋯⋯

「本当に君って、僕のこと嫌いだよね。あ、それとも、本当は照れ隠――」

「黙れ、さっさと自分のチームのところに行ったらどうだ」

「ほんと君、最初に比べて口悪くなったよね。一応これでも王子なんだけど」

ニコニコしながら近づいてくるこいつを、僕は避けるように後ずさった。

「⋯穏やかな性格はもうとっくの昔に廃棄処分した。こっちのが楽だしな」

「そう、でもレイさんの前では相変わらず猫かぶってるくせに。⋯バレないように、気をつけなよ」

体が、少しだけこわばった。ピクリ、と少しでも反応してしまえばこの男は容赦なくその隙間に入り込むだろう、そういう男だ。
⋯それにしても、相変わらず不気味な笑みをする。周りのやつらは全然気づいてないようだけど。

これ以上こいつと居るとどうなるか分からない、そうして急ぎ足でカインの元を離れた僕は、同じチームになったマティニアとステンを探し始めた。

幸い、「マティニア」と呼ぶステンの声が耳に届いたおかげで、すぐに二人に会うことはできたものの―――

「なぁ、マティニアとステンってのはあんたらか」

声をかけると、こちらを向いた二人はあからさまに表情を硬くした。 それはどこか、余所余所しく不安そうに見えた。

「あぁ、そうだ。俺がステンで、こっちがマティニア」

「よろしくお願いします、クレシスさん」

二人とも違うクラスのはずなのに妙に話し込んでいた。幼馴染か何かなのか?
ステンはこちらをジロリと見ては、マティニアと顔を見合わせた。筋肉質で体格も良い。多少は戦えそうだな。一方マティニアは、あまり筋肉がついておらず、細い腕をしている。近距離ではなく、遠距離魔法の使い手なのか?

「あの、リーダーって誰にします?」

マティニアの発言にステンはさも当然のように答えた。

「ロイ一択だろ」

そう言ってマティニアを見つめる彼に、彼女は慌てて頷いた。

「そっ、そうだよね、うん、一番強いのはクレシスさんだから」

さっきからずっとボーッとしているが、大丈夫なんだろうな⋯?

「分かった、リーダーは僕がやる。まだ少し時間もあるから、各々自分の魔法属性と戦い方を教え合おう」

正直言って今回の試験は、他人と協力するのが苦手な僕にとっては不利なものだ。しかし今回の試合ではこの二人との連携が必要不可欠。
兄さんに褒めてもらうために、そしてあの恨めしい王子をコテンパンにするためにも僕は、この試合を勝ち抜かないといけない。
さて、どうするか⋯⋯

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