きっとあの世界には興味がないっ!

yumecycle

文字の大きさ
1 / 30
プロローグ1

きっとここにいる理由を思い出そうとしている

しおりを挟む

 穏やかな陽の光を浴びながらのんびりする、ある日の一日。

「ふあ~」

 俺は大きな欠伸を一つすると、後ろで何やら騒いでる女子達に顔を向ける。

「だーかーらー!何度も言ってるでしょ?これは、あくまで必殺技であって、ズルじゃないの!分かる?」

「いーえ!ズルですわ!そんな必殺技聞いたことも見たこともないですもん!さあ、ミーナも言ってやるといいですわ!」

「は、はい…!お嬢様!えと、えっと、ふ、ふざ……」

「何…?なんか文句でもあるのかしら?ん?ん?」

「ご、ごごごめんなさい!何でもないですぅ~!」

「ああっ!どこに行くんですの!?ミーナ!」

「ふふふ…ま、あのメイドは置いておいて…これまでの三回勝負、私の二連勝中。あと一回勝てば、勝負は私の勝ちね!」

「くぅ~!私にも必殺技があれば…カトレアさんなど……」

「コエルちゃん~必殺技がないのなら、作ればいいのよ~」

「シュバリエさん…作る、ですの?私の必殺技を…?」

「そうよ~さあ、考えて~この状況を打破できる最良かつ、最強の必殺技を~」

「……私はこの勝負に負ける訳にはいきません…どうすれば勝てますの…?……いや、でも勝つことだけが全てでは…」

「ふん…いくら考えたって無駄よ。あんたはこの私には勝てないわ」

「は…!そうか!できましたわ!なんで今まで気づかなかったのでしょう…!さあ!改めて勝負といきましょうか、カトレアさん!」

「……?一体何をする気なの?まあいいわ、私の必殺技の前では、どんな抵抗も無意味なんだから!」

「いきますわよ…?」

「さあ!始めましょうか!」

「「最初は!!グー!!じゃんけん!!ぽん!!」」

「っ!?……何なのよ、それ…?何なのよそれは!指で織り成す数多の流星群の様な指の形は!?」

「ふっふっふっ!これぞ、私の必殺技…!『全てユリヤに背負い投げ』、ですわー!」

「しまったー!その手があったかー!」

「いや、ねえよ!」

 俺はこれ以上黙ってはいられず、思わずつっこんた。
 このじゃんけんは、二~三十ゴールドのスナック菓子をどちらかが奢るかによるもので、いつの間にか彼女らは、無駄に壮絶なじゃんけん(三回勝負)を繰り広げているではないか。
 因みに、このやり取りのお陰でかれこれ数十分は経っている。
 今も店の中央で行われ、来る人来る人が迷惑そうな視線を送ってくる。いい加減止めて欲しい。
 だが、俺の願いは届かず-

「そうよ、最初からあんたが払えばいいじゃない」

「いやいやいや!おかしいだろ?お前達二人のお菓子なのになんで俺が払うんだよ!」

「嫌ですわね…レディが起こす全ての問題は「全て殿方にぶっ込めばいい」とお爺様が仰っていたんですのよ?それを貴方は…」

「知らねーよ!なにそのお爺様絶対主義!何だぶっ込むって!」

「お嬢様が、言うのでしたら…は、払って…はら…は…払えよ!」

「ミーナ!落ち着いて!無理に言わなくていいから!」

「な、なら、これ、奢れよ!」

「『レタス太郎』戻して!コエルに影響されちゃ駄目!」

「なるほどね~なら、間を取って~ユリヤくんがわたしの分も払えばいいんじゃないかしら~?ついでにこれから掛かる全部の費用を~」

「一体どことどこの間を取ったらそうなるんですか!手に持ってる『美味しい棒』を戻してください!」

「ユリヤくん、つっこみ…疲れない?」

「疲れてるよ!そう思うんだったら、シズクも黙ってないで正論を…」

「あ……えと、ごめんね?ユリヤくんが払えば万事解決、じゃないかな?あ、これ…あたしの分。ごめんね?」

「は……」

「くらえ!カトレアビーム!」

「痛っ!」

 明らかに手で思い切り叩くという物理攻撃だが。
 俺は謎のビーム攻撃を喰らい、ヘナヘナとその場に座り込んでしまった。


 どうしてこんなことになってしまっんだっけ-



                     了
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、生命を懸けて鬩ぎ合い、幾度も涙を流す旅路の中で自分の在り方を探す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※基本週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開中(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

処理中です...