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プロローグ1
きっとここにいる理由を思い出そうとしている
しおりを挟む穏やかな陽の光を浴びながらのんびりする、ある日の一日。
「ふあ~」
俺は大きな欠伸を一つすると、後ろで何やら騒いでる女子達に顔を向ける。
「だーかーらー!何度も言ってるでしょ?これは、あくまで必殺技であって、ズルじゃないの!分かる?」
「いーえ!ズルですわ!そんな必殺技聞いたことも見たこともないですもん!さあ、ミーナも言ってやるといいですわ!」
「は、はい…!お嬢様!えと、えっと、ふ、ふざ……」
「何…?なんか文句でもあるのかしら?ん?ん?」
「ご、ごごごめんなさい!何でもないですぅ~!」
「ああっ!どこに行くんですの!?ミーナ!」
「ふふふ…ま、あのメイドは置いておいて…これまでの三回勝負、私の二連勝中。あと一回勝てば、勝負は私の勝ちね!」
「くぅ~!私にも必殺技があれば…カトレアさんなど……」
「コエルちゃん~必殺技がないのなら、作ればいいのよ~」
「シュバリエさん…作る、ですの?私の必殺技を…?」
「そうよ~さあ、考えて~この状況を打破できる最良かつ、最強の必殺技を~」
「……私はこの勝負に負ける訳にはいきません…どうすれば勝てますの…?……いや、でも勝つことだけが全てでは…」
「ふん…いくら考えたって無駄よ。あんたはこの私には勝てないわ」
「は…!そうか!できましたわ!なんで今まで気づかなかったのでしょう…!さあ!改めて勝負といきましょうか、カトレアさん!」
「……?一体何をする気なの?まあいいわ、私の必殺技の前では、どんな抵抗も無意味なんだから!」
「いきますわよ…?」
「さあ!始めましょうか!」
「「最初は!!グー!!じゃんけん!!ぽん!!」」
「っ!?……何なのよ、それ…?何なのよそれは!指で織り成す数多の流星群の様な指の形は!?」
「ふっふっふっ!これぞ、私の必殺技…!『全てユリヤに背負い投げ』、ですわー!」
「しまったー!その手があったかー!」
「いや、ねえよ!」
俺はこれ以上黙ってはいられず、思わずつっこんた。
このじゃんけんは、二~三十ゴールドのスナック菓子をどちらかが奢るかによるもので、いつの間にか彼女らは、無駄に壮絶なじゃんけん(三回勝負)を繰り広げているではないか。
因みに、このやり取りのお陰でかれこれ数十分は経っている。
今も店の中央で行われ、来る人来る人が迷惑そうな視線を送ってくる。いい加減止めて欲しい。
だが、俺の願いは届かず-
「そうよ、最初からあんたが払えばいいじゃない」
「いやいやいや!おかしいだろ?お前達二人のお菓子なのになんで俺が払うんだよ!」
「嫌ですわね…レディが起こす全ての問題は「全て殿方にぶっ込めばいい」とお爺様が仰っていたんですのよ?それを貴方は…」
「知らねーよ!なにそのお爺様絶対主義!何だぶっ込むって!」
「お嬢様が、言うのでしたら…は、払って…はら…は…払えよ!」
「ミーナ!落ち着いて!無理に言わなくていいから!」
「な、なら、これ、奢れよ!」
「『レタス太郎』戻して!コエルに影響されちゃ駄目!」
「なるほどね~なら、間を取って~ユリヤくんがわたしの分も払えばいいんじゃないかしら~?ついでにこれから掛かる全部の費用を~」
「一体どことどこの間を取ったらそうなるんですか!手に持ってる『美味しい棒』を戻してください!」
「ユリヤくん、つっこみ…疲れない?」
「疲れてるよ!そう思うんだったら、シズクも黙ってないで正論を…」
「あ……えと、ごめんね?ユリヤくんが払えば万事解決、じゃないかな?あ、これ…あたしの分。ごめんね?」
「は……」
「くらえ!カトレアビーム!」
「痛っ!」
明らかに手で思い切り叩くという物理攻撃だが。
俺は謎のビーム攻撃を喰らい、ヘナヘナとその場に座り込んでしまった。
どうしてこんなことになってしまっんだっけ-
了
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