138 / 158
第4章 ケズレルモノ
54-2 赤と闇のいざない
しおりを挟む
残った者を、あの展望台に送るべく、またゲートを作る準備をした。サクラを込めようとした――その時だった。
顔が覆われた。赤い何かによって何重にも。
そんな――!!
言葉は喉から出なかった。物理的に顔が覆われているっていうことだけじゃなくて、声にする余裕がなかったことの方が理由としては大きい。
テープの男!? どこだ! なんで!!
前にはいない。
男を探したくて左右を向こうとし、僕はジタバタともがいた。
息ができない!
運んだ先にいたはず。しかも動けないはずで。捕まっていたはずの男が、今は船にいることになる。なんでだ。なんでだ!
思いながら見付けた。階段を背にして僕側から見て右の部屋――にいたが、今はもう既に走って通路を右奥に逃げている。そういう動きを僕は赤い半透明なテープ越しに――赤い視界で見ていた。
走りながら彼がこちらを見て――。
やばい!
僕は盾を作った。でも、その時には既に、ここにいた最後の自衛隊員は横たわっていた。首からは血を流しているし、動かない……。
くそっ! いつの間に!
その瞬間、今度は体を横から押される感覚に襲われた。顔を覆われたままで余裕もないまま、近くの壁に側頭部
を打ち付けられてしまう。
ぐっ……。
なんでこんな。無力化されてたんじゃ。まさかあいつ、武器を体ん中に? 検査機で見つからないものだったのか!?
相手を見ようとした。きちんと把握しマギュートを行う為に。
そんな時イチェリオさんから声が。
「くそっ、チョークが――」
え? そんな。
彼の武器まで奪われた? まさか。じゃあここではもう僕だけが……。
そう思ったのに、僕の手が今、ズキンと痛んだ。
なんだ? まさか。
そのまさかだった。シャー芯が、というかこの手にあったケースが、右手ごとどこかへと消えていた。
僕の右手首からは血が溢れて――。
赤いテープ越しに見ても分かる、手から流れ出た濃い色。
そして感覚。
抜けていくのが……体力が失せていくような感覚が……ハッキリと分かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
少年の手を潜らせ、ゲートを解除し、空間そのものごと繋がりを断つ、そうして俺は少年の手を切った。
これで奴の手ごと、奴が持っていた何やら黒い棒の入ったケースは、俺達の身に何かあった時に使うあの部屋に。ゲートの先はそこだった。船の中だが、どうせ奴らには『俺がどこへ飛ばしたか』分かりやしない。
多分この方がいいだろう、船の外に捨てておくよりは。研究に貢献できる要素は多い方がいい。それに捕まえたあと手の接合が叶えば、手錠を掛けるのもし易いしな、片手だけよりは。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「くそっ、どうなってるんだ。このままじゃもしかしたら――」
困った顔なのは俺だけじゃない。
展望台にいて、自分達は安全だけど、大樹君は多分違う。
「あちらから開くのを待つしか」
俺に、紫音姉ちゃんがそう言った。
「最悪だ」俺は言った。「あいつは船に戻ったんだ。武器を隠してた」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ガラスでゲートを作ろうとしてみた。でもどうしてもうまくいかない。無理なのか。今の私には。
助けに行くこともできない中で、考えた。
あの男は確かに持っていなかった。ポケットなどを改める時も――捕まえた時――全員で同時に見た。なのに。
持っていた? そんな訳がない。
検査だってした。だけど……。もしかして透過性が高くて映らなかった……?
もしそうなら、あいつもサイコロの男みたいに体内に!
予め? それともあの状況で咄嗟に? もし咄嗟になら、あんなテープを飲み込むなんて真似……――テープ自体は大きい、唾で粘着力は抑えられたとしても、折り畳んで接着面に触れないようにしていても――。あの状況で、普通飲み込めない。
以前から体内にあったかとっさに飲み込んだか。どっちであろうと、もっと自由を奪っておくべきだった、たとえばあの男の視覚も、それに聴覚も!
……敵が抵抗しないから。検査でも出ないし。そう思って奴の態度を信じ過ぎた。見抜けなかった自分に腹が立ってしょうがない。そのせいで……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
彼だけでも。イチェリオさんだけでも――!
僕は船全体にサクラを込めた。一心に。それだけに集中して。
奴は、あのケースを、奪った手ごとどこに転がしたのか。船のどこかかもしれない、その可能性に僕は賭けた。
テープで顔を覆われていて、サクラの消耗もあって、息苦しかった。だけど、イチェリオさんだけは助けたかった。イチェリオさんがもし捕まらずにいられたなら、新しくルオセウ製のチョークを手に入れてまた調査できる。捕まればそれもできないかもしれない――!
サクラを込め続けた。巨大な宇宙船全体に!
数秒後、左手に芯を一本だけ呼べた。実際には、目の前に増やせたということだった。
なぁんだ、やっぱり船ん中にあった。
一刻を争う状況なのにそんな感想が浮かぶ。ほぼ一瞬とは言え。
それさえ振り払い、すぐに次の行動に出る。
今この手にはたった一本の芯。それをこの左手の上で六本くらいにした段階で意識が薄れた。
意識を保つ! その想いで傍にあるマシンの残骸に必死に左手を伸ばした。
でも、届かない。
鉄……いや、酸素……!
呼吸できないことを解消すべく、この左手を今度は口元へやった。
口元のテープを引き剥がそうと、芯を左手に持ったまま、人差し指と親指で引っ掛く。右手を失ったから左手だけで!
でも、まったく引き剥がせない!
男は遠くにいて――部屋のドアにでも隠れているんだろう――そんな死角からこちらを眺め、僕の顔を覆うテープにサクラを込め続けている、そんなところだろう、だから指の力なんかでは引き剥がせない。
イチェリオさんは僕を動かそうとしたけど、それもできずにいるらしい。というのは、男が僕の顔を覆うテープに念じ、僕を顔ごと壁に横から押し付けたまま動かすまいとしているからだ。
イチェリオさんならそうだと分からない訳がない。だからか、イチェリオさんは僕を守ろうとしている。絶対そうだ。僕の前に立ったし、今、腕も広げた。
僕がこれ以上攻撃されないようにか。僕を捉え難くさせ、サクラを込め難くさせたいという意図もあったのかもしれない。
壁に押し付けられている僕は、ゲートを作っても、多分、それを潜ることができない。壁が邪魔だ。それさえなければ。
敵のテープを無力化したいけど、それも無理。引き剥がすような動きをシャー芯にさせられそうにない。
敵に一本放ってみた。拳大くらいに変化させたものを。
だけどギリギリで避けられた!
くっ……! こんなんじゃもう……!
テープを切断――というのも無理だ、自分まで切ってしまう。しかもカットできても、テープは奴の操作対象のままだ、きっと。
駄目だ。やっぱりイ……イチェリオさんだけ……でも……。
息が持たなくて苦しい。右手首からは大量の血。意識が薄れていく。
そんな中で、ゲートを必死に作った。僕を守ろうと前に佇むイチェリオさんの頭上から、そのゲートを……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
展望台前の広場の中央上空に、水平な黒いゲートができたのが分かった。そこから上向きに、まるで生えるように、イチェリオさんが現れた。
悔しそうな顔で――というのも眉間にしわが寄っていることが分かるだけで、口元はマスクで隠れていたが――そんな厳しい顔で、彼が飛び降りてきた。
駆け付けて、最初に声を掛けたのはシリクスラさんだった。「ど、どうして」
「武器を奪われた。大樹くんはもう……! 間に合わない……」
「そんな!」
シリクスラさんの顔が、絶望的な色に染まった。
いつも以上に力の入った顔。そのシリクスラさんが数秒後、叫んだ。「じゃあ行かないと! このままじゃルオセウが!」
そんな時だ、大樹くんの父親が、彼らの嘆きを聞いたせいも相まってか、明らかに焦った様子で――潤んだ目で――イチェリオさんに詰め寄った。
「あ、あなた方の星に行ってしまうんですか!? もう取り戻せないんですかあの子を!!」
「取り戻します。俺達が絶対に。行くぞシリクスラ、船で戻る」
「はい」
そう言ってシリクスラさんは別のゲートを新たに。
そのゲートで二人は行ってしまった。
本当に連中の宇宙船に行けないのか? 私は扇子を四本に。門のように形を作り、サクラを――。
だけど、できなかった。
地理感覚を彼らよりもよく知る私ですら、まだ足りない。
いつかは救えたのに。
なぜか、あの内鍵を思い出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
シリクスラを従え、俺は、あの洋館に戻った。そこから庭の一部……の隠し扉を開き、船に入った。自分達の宇宙船だ。
洋館の傍の、何もない空き地の地下に隠した船。その船の操作部に行き、運転スイッチを、今、起動した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
よかった。できた。送れた。
イチェリオさんを、あの展望台に。
切ない安心は声にもならない。息すらもう――。
やれることは、やったよね、僕は……やれたよね……――。
そのあとすぐ、身動きできずに落ちるような……圧のない泥の中に沈むような、そんな感覚が押し寄せてきた。そしてその感覚すら失って、目の前も暗く――。
闇が、おいでって言っていて……僕は、逆らえなかった。
顔が覆われた。赤い何かによって何重にも。
そんな――!!
言葉は喉から出なかった。物理的に顔が覆われているっていうことだけじゃなくて、声にする余裕がなかったことの方が理由としては大きい。
テープの男!? どこだ! なんで!!
前にはいない。
男を探したくて左右を向こうとし、僕はジタバタともがいた。
息ができない!
運んだ先にいたはず。しかも動けないはずで。捕まっていたはずの男が、今は船にいることになる。なんでだ。なんでだ!
思いながら見付けた。階段を背にして僕側から見て右の部屋――にいたが、今はもう既に走って通路を右奥に逃げている。そういう動きを僕は赤い半透明なテープ越しに――赤い視界で見ていた。
走りながら彼がこちらを見て――。
やばい!
僕は盾を作った。でも、その時には既に、ここにいた最後の自衛隊員は横たわっていた。首からは血を流しているし、動かない……。
くそっ! いつの間に!
その瞬間、今度は体を横から押される感覚に襲われた。顔を覆われたままで余裕もないまま、近くの壁に側頭部
を打ち付けられてしまう。
ぐっ……。
なんでこんな。無力化されてたんじゃ。まさかあいつ、武器を体ん中に? 検査機で見つからないものだったのか!?
相手を見ようとした。きちんと把握しマギュートを行う為に。
そんな時イチェリオさんから声が。
「くそっ、チョークが――」
え? そんな。
彼の武器まで奪われた? まさか。じゃあここではもう僕だけが……。
そう思ったのに、僕の手が今、ズキンと痛んだ。
なんだ? まさか。
そのまさかだった。シャー芯が、というかこの手にあったケースが、右手ごとどこかへと消えていた。
僕の右手首からは血が溢れて――。
赤いテープ越しに見ても分かる、手から流れ出た濃い色。
そして感覚。
抜けていくのが……体力が失せていくような感覚が……ハッキリと分かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
少年の手を潜らせ、ゲートを解除し、空間そのものごと繋がりを断つ、そうして俺は少年の手を切った。
これで奴の手ごと、奴が持っていた何やら黒い棒の入ったケースは、俺達の身に何かあった時に使うあの部屋に。ゲートの先はそこだった。船の中だが、どうせ奴らには『俺がどこへ飛ばしたか』分かりやしない。
多分この方がいいだろう、船の外に捨てておくよりは。研究に貢献できる要素は多い方がいい。それに捕まえたあと手の接合が叶えば、手錠を掛けるのもし易いしな、片手だけよりは。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「くそっ、どうなってるんだ。このままじゃもしかしたら――」
困った顔なのは俺だけじゃない。
展望台にいて、自分達は安全だけど、大樹君は多分違う。
「あちらから開くのを待つしか」
俺に、紫音姉ちゃんがそう言った。
「最悪だ」俺は言った。「あいつは船に戻ったんだ。武器を隠してた」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ガラスでゲートを作ろうとしてみた。でもどうしてもうまくいかない。無理なのか。今の私には。
助けに行くこともできない中で、考えた。
あの男は確かに持っていなかった。ポケットなどを改める時も――捕まえた時――全員で同時に見た。なのに。
持っていた? そんな訳がない。
検査だってした。だけど……。もしかして透過性が高くて映らなかった……?
もしそうなら、あいつもサイコロの男みたいに体内に!
予め? それともあの状況で咄嗟に? もし咄嗟になら、あんなテープを飲み込むなんて真似……――テープ自体は大きい、唾で粘着力は抑えられたとしても、折り畳んで接着面に触れないようにしていても――。あの状況で、普通飲み込めない。
以前から体内にあったかとっさに飲み込んだか。どっちであろうと、もっと自由を奪っておくべきだった、たとえばあの男の視覚も、それに聴覚も!
……敵が抵抗しないから。検査でも出ないし。そう思って奴の態度を信じ過ぎた。見抜けなかった自分に腹が立ってしょうがない。そのせいで……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
彼だけでも。イチェリオさんだけでも――!
僕は船全体にサクラを込めた。一心に。それだけに集中して。
奴は、あのケースを、奪った手ごとどこに転がしたのか。船のどこかかもしれない、その可能性に僕は賭けた。
テープで顔を覆われていて、サクラの消耗もあって、息苦しかった。だけど、イチェリオさんだけは助けたかった。イチェリオさんがもし捕まらずにいられたなら、新しくルオセウ製のチョークを手に入れてまた調査できる。捕まればそれもできないかもしれない――!
サクラを込め続けた。巨大な宇宙船全体に!
数秒後、左手に芯を一本だけ呼べた。実際には、目の前に増やせたということだった。
なぁんだ、やっぱり船ん中にあった。
一刻を争う状況なのにそんな感想が浮かぶ。ほぼ一瞬とは言え。
それさえ振り払い、すぐに次の行動に出る。
今この手にはたった一本の芯。それをこの左手の上で六本くらいにした段階で意識が薄れた。
意識を保つ! その想いで傍にあるマシンの残骸に必死に左手を伸ばした。
でも、届かない。
鉄……いや、酸素……!
呼吸できないことを解消すべく、この左手を今度は口元へやった。
口元のテープを引き剥がそうと、芯を左手に持ったまま、人差し指と親指で引っ掛く。右手を失ったから左手だけで!
でも、まったく引き剥がせない!
男は遠くにいて――部屋のドアにでも隠れているんだろう――そんな死角からこちらを眺め、僕の顔を覆うテープにサクラを込め続けている、そんなところだろう、だから指の力なんかでは引き剥がせない。
イチェリオさんは僕を動かそうとしたけど、それもできずにいるらしい。というのは、男が僕の顔を覆うテープに念じ、僕を顔ごと壁に横から押し付けたまま動かすまいとしているからだ。
イチェリオさんならそうだと分からない訳がない。だからか、イチェリオさんは僕を守ろうとしている。絶対そうだ。僕の前に立ったし、今、腕も広げた。
僕がこれ以上攻撃されないようにか。僕を捉え難くさせ、サクラを込め難くさせたいという意図もあったのかもしれない。
壁に押し付けられている僕は、ゲートを作っても、多分、それを潜ることができない。壁が邪魔だ。それさえなければ。
敵のテープを無力化したいけど、それも無理。引き剥がすような動きをシャー芯にさせられそうにない。
敵に一本放ってみた。拳大くらいに変化させたものを。
だけどギリギリで避けられた!
くっ……! こんなんじゃもう……!
テープを切断――というのも無理だ、自分まで切ってしまう。しかもカットできても、テープは奴の操作対象のままだ、きっと。
駄目だ。やっぱりイ……イチェリオさんだけ……でも……。
息が持たなくて苦しい。右手首からは大量の血。意識が薄れていく。
そんな中で、ゲートを必死に作った。僕を守ろうと前に佇むイチェリオさんの頭上から、そのゲートを……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
展望台前の広場の中央上空に、水平な黒いゲートができたのが分かった。そこから上向きに、まるで生えるように、イチェリオさんが現れた。
悔しそうな顔で――というのも眉間にしわが寄っていることが分かるだけで、口元はマスクで隠れていたが――そんな厳しい顔で、彼が飛び降りてきた。
駆け付けて、最初に声を掛けたのはシリクスラさんだった。「ど、どうして」
「武器を奪われた。大樹くんはもう……! 間に合わない……」
「そんな!」
シリクスラさんの顔が、絶望的な色に染まった。
いつも以上に力の入った顔。そのシリクスラさんが数秒後、叫んだ。「じゃあ行かないと! このままじゃルオセウが!」
そんな時だ、大樹くんの父親が、彼らの嘆きを聞いたせいも相まってか、明らかに焦った様子で――潤んだ目で――イチェリオさんに詰め寄った。
「あ、あなた方の星に行ってしまうんですか!? もう取り戻せないんですかあの子を!!」
「取り戻します。俺達が絶対に。行くぞシリクスラ、船で戻る」
「はい」
そう言ってシリクスラさんは別のゲートを新たに。
そのゲートで二人は行ってしまった。
本当に連中の宇宙船に行けないのか? 私は扇子を四本に。門のように形を作り、サクラを――。
だけど、できなかった。
地理感覚を彼らよりもよく知る私ですら、まだ足りない。
いつかは救えたのに。
なぜか、あの内鍵を思い出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
シリクスラを従え、俺は、あの洋館に戻った。そこから庭の一部……の隠し扉を開き、船に入った。自分達の宇宙船だ。
洋館の傍の、何もない空き地の地下に隠した船。その船の操作部に行き、運転スイッチを、今、起動した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
よかった。できた。送れた。
イチェリオさんを、あの展望台に。
切ない安心は声にもならない。息すらもう――。
やれることは、やったよね、僕は……やれたよね……――。
そのあとすぐ、身動きできずに落ちるような……圧のない泥の中に沈むような、そんな感覚が押し寄せてきた。そしてその感覚すら失って、目の前も暗く――。
闇が、おいでって言っていて……僕は、逆らえなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる