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次の階層に降りた。

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「勇者幽霊を封印しただけじゃ、経験値は入らないようだな」
「どうやらそのようね。だけど、徐々に成仏している最中だからもし成仏したとたんに経験値がどばっとはいるかもしれないわね」
「そうだな。楽しみにしていよう」
 そして更に次の階層に行く。
 次の階層は回想する事にした。なぜならば海草が敵だったからだ。
 海草とは言え、油断は出来なかった。意志がある敵意のある海草は感情が読み取れず攻撃予測が困難だったからだ。しかもゆらゆらと揺れる事で脳がある種の幻覚のような症状を感じた。それは海草から出る魔法なのか、ただの揺れによる酔いなのかは分からないがどちらにせよ、無事海草を撃破し、レベルアップを果たして次の階層へと入った。次の階層は改装されていた。
「何この階層。誰かがリフォームしたみたいね」
「本当だ。人為的で、古い壁の上に新しい壁が貼り付けられている。リノベーションって奴かな」
「ダンジョンをリノベーションって、レボリューションである種のエボリューションね」
「納得だから納豆食う」
 魔男は忍ばせていた藁納豆を食した。
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