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犬が居ぬ。

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「犬が居ぬ! 犬が居ぬぞ!!」
 室内犬の犬が居ぬ事で俺は大声を上げた。
「どうしたの? そんな大声を出して兄上」
「犬が居ぬのだ」
「あら大変。窓に鍵がかかっていなかったから自ら開けて逃げたのかしら」
「探そうぞ。妹よ」
「御意」
 俺達は外に出て犬を探す事にした。
「兄上、猫が寝ころんでいるわ」
「うむ」
「庭に二羽鶏がいるわ。庭にワニもいるわ」
「本当だな。あそこにはネツキのよい狐がいる」
「本当ね」
「蛙がひっくり返っているわね」
「鳥がバーッと飛び立っているわ」
「寿司が死すしているわ」
「寿司は生き物ではない」
「魚がうおって感じでこちらをみているわ」
「人面魚か!」
「あのミカン未完成だわ」
「妹の思うミカンの完成系とは?」
「ねえ、兄上」
「何だ?」
「家で飼っている犬はロボットよね。多分自分で充電していると思うんだけど」
「そうだな。知っていた。妹と久しぶりに散歩をしようかなと思ってな」
「言ってくれればそんな回りくどいことしなくても散歩に行くのに」
「妹の心は広いな。巨大だよ」
「兄上の心だって強大わ」
「俺達強大兄弟だな」
「そうね」
 家に帰った二人だった。
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