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五章 同じ地域に住む者同士
3. 自分のための料理
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夕方まで動物園を楽しんで帰路に就いた私は、電車の中でふと思い立った。
自分のために、料理をしてみよう。
今朝は自分のために何かを作る気にはならなかったけど、店長は食を楽しんでいる。誰かのために作るだけじゃなくて、誰かが作ってくれたことにも、感謝の気持ちを持っている。
自分で作った物を自分んで食べて美味しい、と楽しんでいるに違いない。
それなら、私も自分のために自分で作った物を、美味しいと楽しんでみたい。そんな気持ちが湧き上がった。
そして最寄り駅のスーパーに立ち寄り、うろうろして買ってきたものは、グラタンの素。
冬になると、よく母が作ってくれた。スプーンを入れると湯気が飛び出るほどの、あっつあつのグラタンを、私が熱くて食べられないから、母が取り分けて冷ましてくれた。
そんな思い出がよみがえった。
「えーと、鶏もも肉を一口サイズに切り分け、玉ねぎを薄切りにし、焦がさないように炒めます」
裏の説明書きを読んで、母が切っていたサイズを思い出す。
「よし、やってみよう」
鶏もも肉を食べやすいサイズに、うんしょ、うんしょと切り分ける。
玉ねぎを薄切り。どっちから切ればいいんだろう。
いったん包丁を止めて手を洗い、スマホで調べる。
縦に入っている筋が繊維で、繊維に沿って切ると触感が出る。繊維を断ち切ると柔らかくなる。だったら断ち切ろうと決めた。
半分に切り、芯を除去して、縦の筋に対して垂直に切った。
「次はしめじ、全部は多いよね」
石づきにくっついているしめじの1/4ぐらいを切り落とした。
材料をすべて切り終えてから、火をつけてお鍋を温める。
「焦がさないようにっていうのが、難しいんだよね。火は通さないといけないんだからさ」
ぶつぶつ独り言をつぶやきながら、油を投入し、煙が出てきたところで鶏肉を投入した。
鶏肉の色が変わったところで玉ねぎとしめじを追加して、菜箸で混ぜながら炒める。
ずっと炒めていても、火が入ったのかわからない。焦がしそうな気がして、火を弱くした。
オムライスの時も火を弱めなかったから、火が入り過ぎて卵が固くなった。
爆ぜる音が落ち着いて、玉ねぎからだろうか水分が少し出てきた。
「こんなものかなあ」
玉ねぎとしめじがしんなりして柔らかくなっているけど、鶏肉がわからない。
火を切り、鶏肉をひとつ取り出して、切ってみた。赤い部分はなく、中までしっかりと火が通っていて安心する。
「次は、順番通りにミックスを入れる。順番通り」
箱の裏に書いてある順番を守り、ソースミックス、計量器で計った水の次に牛乳、最後にマカロニ。
木しゃもじでよく混ぜてから火をつけて、かき混ぜながら沸騰させる。火の加減がわからなくて、マックスまでひねっていたのを、中火と書いてあるので慌てて弱めた。
温まってくると、ふつふつ泡が立ち、香りも立ってきた。
弱火にして、さらにかき混ぜる。
約三分と書いてあるので、マグネットで冷蔵庫にくっついていた黒猫型のキッチンタイマーをかけた。
三分後、ピピピと鳴って、火とアラームを止める。
「耐熱皿に移して、トースターで焼く。耐熱皿ってどれだろう」
食器棚で耐熱皿を探していると、
「ただいま」
声が聞こえた。
「八、ごめんね。寂しかった?」
別の部屋にいた八さんが、帰ってきた沙耶さんを玄関まで出迎えに行ったらしい。
私も台所から玄関に向かう。
ゴロゴロと喉を鳴らして、沙耶さんの手に頭をすりつけている八さん。
か、可愛い。
初めて見た仕草に、心臓を撃ち抜かれた。私には永遠にしてもらえないだろう仕草!
わー、羨ましい、と微笑ましい二人を眺めていると、沙耶さんが顔を上げた。
「依織ちゃん、ただいま」
「おかえりなさい」
「良い匂いがする」
鼻を鳴らす、沙耶さんにグラタンを作っていて、耐熱皿を探しているところでしたと伝えると、
「耐熱皿ね。これこれ」
丸くて小ぶりで、カラフルなお皿を出してくれた。
「大きいのだとオーブン使わないといけないじゃない。トースターだと手軽にできるから、うちは小ぶりなの使ってるの」
「わかりました。ありがとうございます」
「依織ちゃん、ひとりで料理してみたんだね」
「朝はそんな気にならなかったんですけど、今日動物園に行ったんです。そしたら店長に会って」
動物園での顛末を簡単に話した。
「自分のための料理ね。たしかにモチベ上げたり維持したりするのは、大変だよね。特に依織ちゃんみたいに、食への興味が薄いと。えらい。すごいよ」
ぱちぱちと沙耶さんに拍手をされて、なんだか恥ずかしい。うちの母より褒め上手で、乗せ上手。
「あたしも食べていい?」
「もちろんです。食べてもらえると嬉しいので」
「うん。あ、でも、そのグラタンは、依織ちゃんが自分のために作ったもの。っていうのは変わらないからね」
「はい。そう思いながら食べます」
出してもらった耐熱皿をコンロお隣に置いて、グラタンを入れようと思ったタイミングで、沙耶さんから「バター塗った?」と言われた。
「乗せるんじゃないんですか?」
「お皿に塗っておくと、焦げつきにくくなって、洗いやすくなるんだよ。香りもあるから、一石三鳥だよね」
「塗ります」
冷蔵庫からバターを取り出し、底と側面に塗っていく。そんな情報は箱に書いていなかったから、知らなかった。
きれいな耐熱皿に焦げあとが残ったら、申し訳ない。それに後片付けは少しでも楽な方がいい。
全体にバターを塗ってから、グラタンをすくって流し込む。
「チーズあった?」
「グラタンにおすすめのチーズを探したら、モッツァレラチーズが合うって書いてありました。あと粉チーズも」
モッツァレラチーズと粉チーズを冷蔵庫から取り出して見せると、
「いいねいいね」
沙耶さんはわくわくした笑顔になった。
四皿分になったうちの、二皿にチーズをかけてトースターに入れて、スイッチをひねる。
「もしチーズが焦げてくるようなら、アルミ箔を被せたらいいよ」
とアドバイスをもらった。
私はトースターの前にイスを持ってきて、チーズが焦げないか監視する。
猫じゃらしで八さんと戯れている沙耶さんを、視界の隅に入れて、楽しそう、と思いながら。
次回⇒4.罪悪感
自分のために、料理をしてみよう。
今朝は自分のために何かを作る気にはならなかったけど、店長は食を楽しんでいる。誰かのために作るだけじゃなくて、誰かが作ってくれたことにも、感謝の気持ちを持っている。
自分で作った物を自分んで食べて美味しい、と楽しんでいるに違いない。
それなら、私も自分のために自分で作った物を、美味しいと楽しんでみたい。そんな気持ちが湧き上がった。
そして最寄り駅のスーパーに立ち寄り、うろうろして買ってきたものは、グラタンの素。
冬になると、よく母が作ってくれた。スプーンを入れると湯気が飛び出るほどの、あっつあつのグラタンを、私が熱くて食べられないから、母が取り分けて冷ましてくれた。
そんな思い出がよみがえった。
「えーと、鶏もも肉を一口サイズに切り分け、玉ねぎを薄切りにし、焦がさないように炒めます」
裏の説明書きを読んで、母が切っていたサイズを思い出す。
「よし、やってみよう」
鶏もも肉を食べやすいサイズに、うんしょ、うんしょと切り分ける。
玉ねぎを薄切り。どっちから切ればいいんだろう。
いったん包丁を止めて手を洗い、スマホで調べる。
縦に入っている筋が繊維で、繊維に沿って切ると触感が出る。繊維を断ち切ると柔らかくなる。だったら断ち切ろうと決めた。
半分に切り、芯を除去して、縦の筋に対して垂直に切った。
「次はしめじ、全部は多いよね」
石づきにくっついているしめじの1/4ぐらいを切り落とした。
材料をすべて切り終えてから、火をつけてお鍋を温める。
「焦がさないようにっていうのが、難しいんだよね。火は通さないといけないんだからさ」
ぶつぶつ独り言をつぶやきながら、油を投入し、煙が出てきたところで鶏肉を投入した。
鶏肉の色が変わったところで玉ねぎとしめじを追加して、菜箸で混ぜながら炒める。
ずっと炒めていても、火が入ったのかわからない。焦がしそうな気がして、火を弱くした。
オムライスの時も火を弱めなかったから、火が入り過ぎて卵が固くなった。
爆ぜる音が落ち着いて、玉ねぎからだろうか水分が少し出てきた。
「こんなものかなあ」
玉ねぎとしめじがしんなりして柔らかくなっているけど、鶏肉がわからない。
火を切り、鶏肉をひとつ取り出して、切ってみた。赤い部分はなく、中までしっかりと火が通っていて安心する。
「次は、順番通りにミックスを入れる。順番通り」
箱の裏に書いてある順番を守り、ソースミックス、計量器で計った水の次に牛乳、最後にマカロニ。
木しゃもじでよく混ぜてから火をつけて、かき混ぜながら沸騰させる。火の加減がわからなくて、マックスまでひねっていたのを、中火と書いてあるので慌てて弱めた。
温まってくると、ふつふつ泡が立ち、香りも立ってきた。
弱火にして、さらにかき混ぜる。
約三分と書いてあるので、マグネットで冷蔵庫にくっついていた黒猫型のキッチンタイマーをかけた。
三分後、ピピピと鳴って、火とアラームを止める。
「耐熱皿に移して、トースターで焼く。耐熱皿ってどれだろう」
食器棚で耐熱皿を探していると、
「ただいま」
声が聞こえた。
「八、ごめんね。寂しかった?」
別の部屋にいた八さんが、帰ってきた沙耶さんを玄関まで出迎えに行ったらしい。
私も台所から玄関に向かう。
ゴロゴロと喉を鳴らして、沙耶さんの手に頭をすりつけている八さん。
か、可愛い。
初めて見た仕草に、心臓を撃ち抜かれた。私には永遠にしてもらえないだろう仕草!
わー、羨ましい、と微笑ましい二人を眺めていると、沙耶さんが顔を上げた。
「依織ちゃん、ただいま」
「おかえりなさい」
「良い匂いがする」
鼻を鳴らす、沙耶さんにグラタンを作っていて、耐熱皿を探しているところでしたと伝えると、
「耐熱皿ね。これこれ」
丸くて小ぶりで、カラフルなお皿を出してくれた。
「大きいのだとオーブン使わないといけないじゃない。トースターだと手軽にできるから、うちは小ぶりなの使ってるの」
「わかりました。ありがとうございます」
「依織ちゃん、ひとりで料理してみたんだね」
「朝はそんな気にならなかったんですけど、今日動物園に行ったんです。そしたら店長に会って」
動物園での顛末を簡単に話した。
「自分のための料理ね。たしかにモチベ上げたり維持したりするのは、大変だよね。特に依織ちゃんみたいに、食への興味が薄いと。えらい。すごいよ」
ぱちぱちと沙耶さんに拍手をされて、なんだか恥ずかしい。うちの母より褒め上手で、乗せ上手。
「あたしも食べていい?」
「もちろんです。食べてもらえると嬉しいので」
「うん。あ、でも、そのグラタンは、依織ちゃんが自分のために作ったもの。っていうのは変わらないからね」
「はい。そう思いながら食べます」
出してもらった耐熱皿をコンロお隣に置いて、グラタンを入れようと思ったタイミングで、沙耶さんから「バター塗った?」と言われた。
「乗せるんじゃないんですか?」
「お皿に塗っておくと、焦げつきにくくなって、洗いやすくなるんだよ。香りもあるから、一石三鳥だよね」
「塗ります」
冷蔵庫からバターを取り出し、底と側面に塗っていく。そんな情報は箱に書いていなかったから、知らなかった。
きれいな耐熱皿に焦げあとが残ったら、申し訳ない。それに後片付けは少しでも楽な方がいい。
全体にバターを塗ってから、グラタンをすくって流し込む。
「チーズあった?」
「グラタンにおすすめのチーズを探したら、モッツァレラチーズが合うって書いてありました。あと粉チーズも」
モッツァレラチーズと粉チーズを冷蔵庫から取り出して見せると、
「いいねいいね」
沙耶さんはわくわくした笑顔になった。
四皿分になったうちの、二皿にチーズをかけてトースターに入れて、スイッチをひねる。
「もしチーズが焦げてくるようなら、アルミ箔を被せたらいいよ」
とアドバイスをもらった。
私はトースターの前にイスを持ってきて、チーズが焦げないか監視する。
猫じゃらしで八さんと戯れている沙耶さんを、視界の隅に入れて、楽しそう、と思いながら。
次回⇒4.罪悪感
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