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第二部 海野汐里
18 転科について
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その夜、パパも交えて転科について、ママが聞いてきたことを教えてもらった。
転科ができるのは、二年生への進級時のみ。
普通科に関しては特例で空きがなくても可能だけど、調理科に関しては空きがないと転科できない。
現在調理科は定員を満たしているので、普通科への転科や退学者が出ない限り、調理科への転科はできない。
次に一般教科の成績が足りていることも必須条件。
専門教科、麻帆の場合は看護教科についての成績は問われないが、一般教科に赤点があれば難しいとのこと。
最後に出席日数も足りている必要がある。と教えられた。
「一年生からやり直す場合は、受験が必要だそうよ」
「同じ学年なら、試験を受けなくていいんだね」
「そうみたい。麻帆はどうしたい? 一年生の終了時に空きがでるのを願うか、どうしても料理の勉強をしたいなら、再受験をして調理科に入り直すか」
転科について考えたけど、まだ結論が出せなかった。
麻帆のためには転科した方がいいのかもしれないけれど、料理があまり上手でない私では調理科は無理ではないか。それなら選択は普通科だけに絞られる。
普通科には特進・幼児教育・グローバル・体育・商業の各コースがある。もし普通科に行くとなれば、グローバルか商業を選択かなと考えはした。
ただし、麻帆の英語の成績は、特別良いわけではないから、麻帆が戻ってきたときにグローバルコースにいるとまた苦戦するかもしれない。
となると商業でプログラミングや簿記を学んで、資格を取るのが一番現実的ではある。
しかし――
麻帆は調理科に転科することしか考えていなかった。
でももう一度受験して来年調理科に入学するのは、嫌がっていた。
それなら、看護科にいた方がいいのかな。
調理科に空きが出なかったら普通科に転科して、卒業後、調理師専門学校に進学する道もあるし。
「もう少し考えたい。調理科以外考えてないから」
両親は気遣う表情をしながらも、何も言わずに頷いた。
部屋でひとりになって考える。麻帆に向いていることは何だろうかと。
体を動かすことが好きなわりには、運動部に入ったことがない。
中学一年生時に、一時家庭科部に入っていたけど、三か月ほどで辞めている。料理ができると思って入ったものの、洋裁が主な活動だったため、料理はほぼないことがわかった時点で退部。
二年生の時に生徒会ってどんなことをするのかと聞かれた。
私は生徒会長をしていたので、生徒会の運営について話をして、大変だがやりがいはあると答えた。
結局は入らなかったので、違うと思ったんだろう。
高校では帰宅部。
私も勉強に専念するため、部活も生徒会にも入らなかった。
麻帆は社交的だし、協調性もある。積極的ではないけれど。
ただ自分のペースで物事を進めるのが好きなようだから、団体での活動は好みではないと思う。
料理人は向いているんじゃないかなと思うけど、実際の職場を見たことがないからわからない。修業時代は皿洗いばかりで、料理をさせてもらえないと聞きかじったこともある。
その修行に麻帆が耐えられるのかな、と懸念している。
麻帆には根気がない。諦めるのが早い。
無理だと思うと早々に音を上げてしまう。
唯一料理やお菓子作りだけは例外だった。と思っていたけど、私がいなくなってから、止めてしまっていた。
麻帆が集中して熱意をもってやれること。
それが私にもできることなら、協力するつもりだけど‥‥‥。
どの選択が麻帆のためになるのか、私は整理がつかずに頭を抱えた。
転科ができるのは、二年生への進級時のみ。
普通科に関しては特例で空きがなくても可能だけど、調理科に関しては空きがないと転科できない。
現在調理科は定員を満たしているので、普通科への転科や退学者が出ない限り、調理科への転科はできない。
次に一般教科の成績が足りていることも必須条件。
専門教科、麻帆の場合は看護教科についての成績は問われないが、一般教科に赤点があれば難しいとのこと。
最後に出席日数も足りている必要がある。と教えられた。
「一年生からやり直す場合は、受験が必要だそうよ」
「同じ学年なら、試験を受けなくていいんだね」
「そうみたい。麻帆はどうしたい? 一年生の終了時に空きがでるのを願うか、どうしても料理の勉強をしたいなら、再受験をして調理科に入り直すか」
転科について考えたけど、まだ結論が出せなかった。
麻帆のためには転科した方がいいのかもしれないけれど、料理があまり上手でない私では調理科は無理ではないか。それなら選択は普通科だけに絞られる。
普通科には特進・幼児教育・グローバル・体育・商業の各コースがある。もし普通科に行くとなれば、グローバルか商業を選択かなと考えはした。
ただし、麻帆の英語の成績は、特別良いわけではないから、麻帆が戻ってきたときにグローバルコースにいるとまた苦戦するかもしれない。
となると商業でプログラミングや簿記を学んで、資格を取るのが一番現実的ではある。
しかし――
麻帆は調理科に転科することしか考えていなかった。
でももう一度受験して来年調理科に入学するのは、嫌がっていた。
それなら、看護科にいた方がいいのかな。
調理科に空きが出なかったら普通科に転科して、卒業後、調理師専門学校に進学する道もあるし。
「もう少し考えたい。調理科以外考えてないから」
両親は気遣う表情をしながらも、何も言わずに頷いた。
部屋でひとりになって考える。麻帆に向いていることは何だろうかと。
体を動かすことが好きなわりには、運動部に入ったことがない。
中学一年生時に、一時家庭科部に入っていたけど、三か月ほどで辞めている。料理ができると思って入ったものの、洋裁が主な活動だったため、料理はほぼないことがわかった時点で退部。
二年生の時に生徒会ってどんなことをするのかと聞かれた。
私は生徒会長をしていたので、生徒会の運営について話をして、大変だがやりがいはあると答えた。
結局は入らなかったので、違うと思ったんだろう。
高校では帰宅部。
私も勉強に専念するため、部活も生徒会にも入らなかった。
麻帆は社交的だし、協調性もある。積極的ではないけれど。
ただ自分のペースで物事を進めるのが好きなようだから、団体での活動は好みではないと思う。
料理人は向いているんじゃないかなと思うけど、実際の職場を見たことがないからわからない。修業時代は皿洗いばかりで、料理をさせてもらえないと聞きかじったこともある。
その修行に麻帆が耐えられるのかな、と懸念している。
麻帆には根気がない。諦めるのが早い。
無理だと思うと早々に音を上げてしまう。
唯一料理やお菓子作りだけは例外だった。と思っていたけど、私がいなくなってから、止めてしまっていた。
麻帆が集中して熱意をもってやれること。
それが私にもできることなら、協力するつもりだけど‥‥‥。
どの選択が麻帆のためになるのか、私は整理がつかずに頭を抱えた。
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