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第五話 櫻木陽美 ~出逢い~
初めてのデート
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後日、お礼の品に手紙を添えて、櫻木家に送った。
して頂いたことの半分もお礼はできていない。
でもこれ以上の関わりはきっともうない。
来年、また会に招待してもらえたなら、その際に直接お礼を言おう。
そう考えていたところに彼からの返信が届き、わたしは驚いた。
字がとてもきれいだと褒められ、自分は下手なので恥ずかしいと書かれてあった。
一馬さんの字はたしかにきれいではなかったけれど、精いっぱい丁寧に書こうとしているのは伝わってきた。
書き殴っているようには見えないし、ミミズがのたくっているほど乱れてはいない。
ずっと書道を習ってきて、中学と高校時に賞をもらったことがあるなどを書いて、僭越ながらと、字をうまく書くコツを簡単にしたため、送った。
しばらくしてまた返信があった。
アドバイスに従って持ち方を変え、直線を引く練習をした。少しは上達していますか? と書いてある。
最初の返信と見比べると、たしかに上達している。
字のバランスが悪く、大きさがばらばらで子供が書いたようだった字が、見やすく読みやすくなっている。
なんだか微笑ましくなった。彼はたぶん二十台半ば。
わたしより年上の男性が、一生懸命に字の練習をしているさまを想像して、可愛いと思った。
上達していることを褒め、では次は、さらにきれいに見える書き方を伝授致しますねとしたためて送った。
次の手紙は上司から褒められたと喜びの言葉が綴られていた。
わたしたちは手紙でやりとりをし、互いのプライベートも書くようになって十枚の封筒が溜まった頃、彼から食事に行きませんかと誘いを受けた。
わたしは小学校からずっと女子校に通っていたせいか、男性が苦手で、女性といるときのようには話せない。
会社でも緊張するので、話す内容を前もって頭の中で考えてから話しかけるようにしている。
社会に出てから少しは慣れてきたけど、プライベートだとうまく話せるかどうか。
迷った。けれど断るのも失礼かなと考え、受けることにした。
それに、直接お礼を言える機会でもある。
手紙のやりとりを知っている両親に報告すると、母から電話で話をしたらどうかと提案された。
了承する旨を記した手紙に、家の電話番号と家にいる時間帯を書いておいた。
電話は四日後土曜日の夜にかかってきた。
思っていたより早かった。実は投函してからずっとそわそわドキドキしていたから、早くて良かった。
一カ月ぶりに聞く一馬さんの声は、記憶の中にあるものより少し高めだった。
もしかすると、一馬さんも少し緊張してくれているのかしら、なんてありえない想像をしてしまう。
相手は櫻木グループの三男とはいえ御曹司。異性と付き合ったことのないわたしと一緒にしては失礼だ。
電話でも字を褒められ、わたしは嬉しくなってしまう。
女性を喜ばせるコツを知っている彼は、きっと女性慣れしている。それでもわたしは嬉しかった。
少し雑談をしてから、食事の日程を一週間後の土曜の夜六時前と決めて、電話を切った。
当日。わたしは懇親会の日にいただいたワンピースとコートと靴の一式を着て待ち合わせ場所に向かった。
彼は先に着いていた。身体の線に沿った仕立ての良い黒のコートに身を包み佇んでいた。
櫻木さんの姿を見つけて、わたしの胸がドキッと弾んだ。どうしてだろう。
会うのはまだ二回目なのに。彼のことを何も知らないのに。
緊張しているのに、足が弾んでしまうのを止められない。
「こんばんは。お待たせしました」
駆け足で近寄って声をかけると、彼はにこっと笑いかけてくれた。
素敵な笑顔に、胸がきゅっと締め付けられた。
「こんばんは。その服着てきてくださったんですね」
「あ、こんばんは。その説は大変お世話になりました。お陰様で体調も戻りまして、無事に帰宅できました。たくさんお気遣いくださいまして、感謝しております」
「いえ、コンシェルジュについてきてもらって見立ててもらったんです。お似合いでよかったです。では行きましょうか」
櫻木さんが連れて行ってくれたのは、ホテルの最上階にあるフレンチレストランだった。
あまり行き慣れていないわたしとしては、内心で戸惑ってしまう。
両親と外食に出かけても、ホテルの最上階なんて来たことがない。
ドキドキしながら、コートを預け、窓際の席に案内される。
地上二百メートルの高さから見下ろす夜景に目を奪われた。
真っ暗な中に浮かぶ青や赤や黄色の光。ひときわ目立つ幹線道路のオレンジの光。夜空を点滅しながら移動する飛行機の光。
「きれいですね。飛行機が近くに見えます」
「気に入って頂けたようで、ここにして良かったです」
コース料理を注文し、アルコールについて質問をされて、お任せにした。
普段からお酒を多量に飲むことはほとんどないけれど、弱くはない。限界まで飲んだことはないから強いのかはわからないけれど、父母も強いので、わたしもそこそこ飲めるほうだと思う。
今日は醜態を晒したくないので、控え目にしておこう。
グラスを軽く交わし、食前酒で乾杯をする。
食事の邪魔にならない適度な音量のピアノの生演奏が聴こえる。
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第五番「春」。通称スプリングソナタ。
軽やかで爽やかな旋律が、寒い冬を乗り越え、芽吹きの季節の到来を喜んでいるようで、緊張していたわたしの心も少し和んだ。
わたしがピアノの音色に耳を傾けていることに気がついていたのか、一馬さんは話しかけてこなかった。
そのことに気がついたのは、前菜がテーブルに並んだタイミングだった。
数分も放置して失礼なことをしてしまった。
気がついたわたしが謝ると、櫻木さんは笑顔を浮かべたまま首を横に振った。
「素敵な演奏です。ずっと聴いていたいぐらい心地が良いですね。では、いただきましょうか」
「はい。いただきます」
テーブルマナーは教わってはいるけれど、実生活ではあまり使わない。
優雅には見えなくても、慌てないようにだけ気を付けてナイフとフォークを使う。
櫻木さんは使い慣れているのか、彼の動きは洗練されていた。格が違う。そう思わされてしまう。
一応わたしも世間的には社長令嬢だけど、一流のレストランに通い慣れているわけではないし、厳しく躾られてきたわけじゃなかった。
慣れないことに動揺し、恥をかかないようにするので精いっぱい。おまけに異性と二人きり。
さっきはピアノの演奏に聴き入ってしまったので、ちゃんと櫻木さんに向き合わなければと会話に頭を使う。
料理の味なんて正直なところわからなかった。
次のためにマナー講座に通ってちゃんとした勉強をしてみようかしら。
ちらっと思ったところで、次を望んでいる自分がいることに気がついた。
直後に次じゃなくて将来恥をかかないために、と心で訂正しておく。
彼とこうして同じ時間を過ごすのは、今日が最初で最後かもしれないのだから。
帰りは運転手さん付きの車で送ってくれた。
座り心地がとても良くて、音も静かだった。高い車なのだろう。
降りるときには手を差し伸べられ、初めての経験に戸惑いながら、自分の手を重ねた。
車から降りて、改めて懇親会の日に助けられたこと、着物を着て帰らずにすんだ気遣いに感謝していること、それと今日ご馳走になってしまったことを感謝とお礼を告げて、用意していたお礼の品を手渡した。
中身はネクタイとネクタイピンが入っている。彼に似合うといいなと思いながら買ったものだ。
うちのお店で買ったのではなく、ブランドの店舗で購入した。
彼は目を丸くしながら、「ありがとうございます。明日さっそく使わせて頂きます」と、はにかんだような可愛らしい笑顔を浮かべた。
ではここで、とわたしが背を向けようとすると、彼は最後まで送らせてくださいと言ってすたすたと先に行ってしまった。住人であるわたしが慌てて後を追いかけた。
七階にある自宅玄関のチャイムまで先に押され、おかえりと顔を出した母を驚かせてしまい、ドアを閉められた。
父が再びドアを開け、前回と今回わたしがお世話になったお礼の言葉を言って、頭を下げる。
親と子ほどの年の開きがあっても、相手は櫻木グループの御曹司。
普通の家庭のような対応をするわけにはいかない。
対する櫻木さんは決して上からになることはなく、大切なお嬢様を連れ出し申し訳ありません、と腰を低くしている。
わたしは口を挟めず、立ち尽くしていた。
母が戻ってきて、どうぞお茶でもと家に上がるように勧めた。
櫻木さんは、
「時間も遅いですし。こちらをお届けに上がっただけですので」
と紙袋から箱を取り出し、「お口に合うとよろしいのですが」と言って父に手渡した。
それからわたしに身体を向けて、
「今日は楽しい時間をありがとうございました。また会って頂けると嬉しいです」
と言い残し、わたしの返事も聞かずに帰って行った。
櫻木さんから頂いた箱の中身は、食事をしたホテルに入っている人気のパティスリーの品である、ホールケーキとクッキーの詰め合わせで、我が家の家族の胃袋をしっかりと掴んだ。
して頂いたことの半分もお礼はできていない。
でもこれ以上の関わりはきっともうない。
来年、また会に招待してもらえたなら、その際に直接お礼を言おう。
そう考えていたところに彼からの返信が届き、わたしは驚いた。
字がとてもきれいだと褒められ、自分は下手なので恥ずかしいと書かれてあった。
一馬さんの字はたしかにきれいではなかったけれど、精いっぱい丁寧に書こうとしているのは伝わってきた。
書き殴っているようには見えないし、ミミズがのたくっているほど乱れてはいない。
ずっと書道を習ってきて、中学と高校時に賞をもらったことがあるなどを書いて、僭越ながらと、字をうまく書くコツを簡単にしたため、送った。
しばらくしてまた返信があった。
アドバイスに従って持ち方を変え、直線を引く練習をした。少しは上達していますか? と書いてある。
最初の返信と見比べると、たしかに上達している。
字のバランスが悪く、大きさがばらばらで子供が書いたようだった字が、見やすく読みやすくなっている。
なんだか微笑ましくなった。彼はたぶん二十台半ば。
わたしより年上の男性が、一生懸命に字の練習をしているさまを想像して、可愛いと思った。
上達していることを褒め、では次は、さらにきれいに見える書き方を伝授致しますねとしたためて送った。
次の手紙は上司から褒められたと喜びの言葉が綴られていた。
わたしたちは手紙でやりとりをし、互いのプライベートも書くようになって十枚の封筒が溜まった頃、彼から食事に行きませんかと誘いを受けた。
わたしは小学校からずっと女子校に通っていたせいか、男性が苦手で、女性といるときのようには話せない。
会社でも緊張するので、話す内容を前もって頭の中で考えてから話しかけるようにしている。
社会に出てから少しは慣れてきたけど、プライベートだとうまく話せるかどうか。
迷った。けれど断るのも失礼かなと考え、受けることにした。
それに、直接お礼を言える機会でもある。
手紙のやりとりを知っている両親に報告すると、母から電話で話をしたらどうかと提案された。
了承する旨を記した手紙に、家の電話番号と家にいる時間帯を書いておいた。
電話は四日後土曜日の夜にかかってきた。
思っていたより早かった。実は投函してからずっとそわそわドキドキしていたから、早くて良かった。
一カ月ぶりに聞く一馬さんの声は、記憶の中にあるものより少し高めだった。
もしかすると、一馬さんも少し緊張してくれているのかしら、なんてありえない想像をしてしまう。
相手は櫻木グループの三男とはいえ御曹司。異性と付き合ったことのないわたしと一緒にしては失礼だ。
電話でも字を褒められ、わたしは嬉しくなってしまう。
女性を喜ばせるコツを知っている彼は、きっと女性慣れしている。それでもわたしは嬉しかった。
少し雑談をしてから、食事の日程を一週間後の土曜の夜六時前と決めて、電話を切った。
当日。わたしは懇親会の日にいただいたワンピースとコートと靴の一式を着て待ち合わせ場所に向かった。
彼は先に着いていた。身体の線に沿った仕立ての良い黒のコートに身を包み佇んでいた。
櫻木さんの姿を見つけて、わたしの胸がドキッと弾んだ。どうしてだろう。
会うのはまだ二回目なのに。彼のことを何も知らないのに。
緊張しているのに、足が弾んでしまうのを止められない。
「こんばんは。お待たせしました」
駆け足で近寄って声をかけると、彼はにこっと笑いかけてくれた。
素敵な笑顔に、胸がきゅっと締め付けられた。
「こんばんは。その服着てきてくださったんですね」
「あ、こんばんは。その説は大変お世話になりました。お陰様で体調も戻りまして、無事に帰宅できました。たくさんお気遣いくださいまして、感謝しております」
「いえ、コンシェルジュについてきてもらって見立ててもらったんです。お似合いでよかったです。では行きましょうか」
櫻木さんが連れて行ってくれたのは、ホテルの最上階にあるフレンチレストランだった。
あまり行き慣れていないわたしとしては、内心で戸惑ってしまう。
両親と外食に出かけても、ホテルの最上階なんて来たことがない。
ドキドキしながら、コートを預け、窓際の席に案内される。
地上二百メートルの高さから見下ろす夜景に目を奪われた。
真っ暗な中に浮かぶ青や赤や黄色の光。ひときわ目立つ幹線道路のオレンジの光。夜空を点滅しながら移動する飛行機の光。
「きれいですね。飛行機が近くに見えます」
「気に入って頂けたようで、ここにして良かったです」
コース料理を注文し、アルコールについて質問をされて、お任せにした。
普段からお酒を多量に飲むことはほとんどないけれど、弱くはない。限界まで飲んだことはないから強いのかはわからないけれど、父母も強いので、わたしもそこそこ飲めるほうだと思う。
今日は醜態を晒したくないので、控え目にしておこう。
グラスを軽く交わし、食前酒で乾杯をする。
食事の邪魔にならない適度な音量のピアノの生演奏が聴こえる。
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第五番「春」。通称スプリングソナタ。
軽やかで爽やかな旋律が、寒い冬を乗り越え、芽吹きの季節の到来を喜んでいるようで、緊張していたわたしの心も少し和んだ。
わたしがピアノの音色に耳を傾けていることに気がついていたのか、一馬さんは話しかけてこなかった。
そのことに気がついたのは、前菜がテーブルに並んだタイミングだった。
数分も放置して失礼なことをしてしまった。
気がついたわたしが謝ると、櫻木さんは笑顔を浮かべたまま首を横に振った。
「素敵な演奏です。ずっと聴いていたいぐらい心地が良いですね。では、いただきましょうか」
「はい。いただきます」
テーブルマナーは教わってはいるけれど、実生活ではあまり使わない。
優雅には見えなくても、慌てないようにだけ気を付けてナイフとフォークを使う。
櫻木さんは使い慣れているのか、彼の動きは洗練されていた。格が違う。そう思わされてしまう。
一応わたしも世間的には社長令嬢だけど、一流のレストランに通い慣れているわけではないし、厳しく躾られてきたわけじゃなかった。
慣れないことに動揺し、恥をかかないようにするので精いっぱい。おまけに異性と二人きり。
さっきはピアノの演奏に聴き入ってしまったので、ちゃんと櫻木さんに向き合わなければと会話に頭を使う。
料理の味なんて正直なところわからなかった。
次のためにマナー講座に通ってちゃんとした勉強をしてみようかしら。
ちらっと思ったところで、次を望んでいる自分がいることに気がついた。
直後に次じゃなくて将来恥をかかないために、と心で訂正しておく。
彼とこうして同じ時間を過ごすのは、今日が最初で最後かもしれないのだから。
帰りは運転手さん付きの車で送ってくれた。
座り心地がとても良くて、音も静かだった。高い車なのだろう。
降りるときには手を差し伸べられ、初めての経験に戸惑いながら、自分の手を重ねた。
車から降りて、改めて懇親会の日に助けられたこと、着物を着て帰らずにすんだ気遣いに感謝していること、それと今日ご馳走になってしまったことを感謝とお礼を告げて、用意していたお礼の品を手渡した。
中身はネクタイとネクタイピンが入っている。彼に似合うといいなと思いながら買ったものだ。
うちのお店で買ったのではなく、ブランドの店舗で購入した。
彼は目を丸くしながら、「ありがとうございます。明日さっそく使わせて頂きます」と、はにかんだような可愛らしい笑顔を浮かべた。
ではここで、とわたしが背を向けようとすると、彼は最後まで送らせてくださいと言ってすたすたと先に行ってしまった。住人であるわたしが慌てて後を追いかけた。
七階にある自宅玄関のチャイムまで先に押され、おかえりと顔を出した母を驚かせてしまい、ドアを閉められた。
父が再びドアを開け、前回と今回わたしがお世話になったお礼の言葉を言って、頭を下げる。
親と子ほどの年の開きがあっても、相手は櫻木グループの御曹司。
普通の家庭のような対応をするわけにはいかない。
対する櫻木さんは決して上からになることはなく、大切なお嬢様を連れ出し申し訳ありません、と腰を低くしている。
わたしは口を挟めず、立ち尽くしていた。
母が戻ってきて、どうぞお茶でもと家に上がるように勧めた。
櫻木さんは、
「時間も遅いですし。こちらをお届けに上がっただけですので」
と紙袋から箱を取り出し、「お口に合うとよろしいのですが」と言って父に手渡した。
それからわたしに身体を向けて、
「今日は楽しい時間をありがとうございました。また会って頂けると嬉しいです」
と言い残し、わたしの返事も聞かずに帰って行った。
櫻木さんから頂いた箱の中身は、食事をしたホテルに入っている人気のパティスリーの品である、ホールケーキとクッキーの詰め合わせで、我が家の家族の胃袋をしっかりと掴んだ。
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