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番外編 さいごに見る夢は
最期に見た夢
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ド ド ソ ソ ラ ラ ソ ファ ファ ミ ミ レ レ ド
「そう。上手ね」
左隣に座るお姉さんに褒められて、嬉しくなった。
私はお客さんじゃないのに。ピアノを買うお金なんてうちにはないのに。
毎日見にきていたら、お姉さんに手招きされた。
お姉さんが弾いてくれるピアノの音が大好きになって、そしたらお姉さんはきらきら星を教えてくれた。
私は右手の人差し指で、お姉さんが教えてくれる鍵盤を追いかける。
お姉さんみたいに五本の指を使っては弾けないけれど、それっぽく聴こえる。
弾いてくれるものを聴いているのもいいけれど、自分で奏でてみるのもすごくすてき。
悲しくてつらい毎日が、清められていく気がする。
お母さんが家事をしながら歌うきらきら星を、私がピアノで弾けるなんて。
火事になってから、お母さんは鼻歌を歌わなくなった。
朝から夜遅くまでたくさん働いて、疲れていない日はないみたい。
いつかお母さんに、このピアノを聴かせてあげられたらいいな。
そしたら、前みたいに歌ってくれるかな。
笑ってくれるかな。ね、お母さん。
ーーーーーーーーーーーーーーー
これにて終了です。
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
「そう。上手ね」
左隣に座るお姉さんに褒められて、嬉しくなった。
私はお客さんじゃないのに。ピアノを買うお金なんてうちにはないのに。
毎日見にきていたら、お姉さんに手招きされた。
お姉さんが弾いてくれるピアノの音が大好きになって、そしたらお姉さんはきらきら星を教えてくれた。
私は右手の人差し指で、お姉さんが教えてくれる鍵盤を追いかける。
お姉さんみたいに五本の指を使っては弾けないけれど、それっぽく聴こえる。
弾いてくれるものを聴いているのもいいけれど、自分で奏でてみるのもすごくすてき。
悲しくてつらい毎日が、清められていく気がする。
お母さんが家事をしながら歌うきらきら星を、私がピアノで弾けるなんて。
火事になってから、お母さんは鼻歌を歌わなくなった。
朝から夜遅くまでたくさん働いて、疲れていない日はないみたい。
いつかお母さんに、このピアノを聴かせてあげられたらいいな。
そしたら、前みたいに歌ってくれるかな。
笑ってくれるかな。ね、お母さん。
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これにて終了です。
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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