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3章 絵ハガキの交流
3.十一月 落ち葉アート
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「十一月は幼稚園で作品展覧会があります。みんなが一生懸命作ったものをご家族に見てもらいましょう」
「何を作るの?」
園児から質問される。
「いい質問だね。枯れ葉アートを作ろうと思います。わかるかな?」
私は園児たちを見渡す。
みんな首をひねったり、顔を見合わせたり、わからない仕草がかわいらしい。
「これなーんだ」
エプロンのポケットから、あるものをじゃーんと取り出した。
「葉っぱ?」
「黄色い葉っぱ」
口々に答えてくれる。
「そう。枯れた葉っぱ。今朝、幼稚園の庭に落ちていた枯れ葉を拾ったんだよ。今日はこういう枯れた葉っぱをお庭で集めて、これを使って工作をしもらいます。わかった人」
「はーい」
今日も元気いっぱいに腕を上げてくれる園児たちを引き連れて、園庭に出た。さいわい今日は日差しが強くて、暖かい。
園庭の隅には木が立っていて、根本には枯れ葉が落ちている。
集めて捨ててしまう落ち葉も、貴重な教材になる。
「たくさん集めていいの?」
「いいよ。どんな工作をしたいのか、思い浮かべながら集めてねー」
集まった子から教室に戻り、画用紙を使って落ち葉アートに取り掛かってもらった。
来週、保護者さんを呼んで展示した作品を見てもらう展覧会を幼稚園で開く。今年できるようになったことを見せる、集大成ともいえる作品展となる。
教室の中は麻香先生と補助教諭の先生にお願いして、私は園庭に残っている園児たちを見守る。
葉の形にこだわりがあるのか次々と葉っぱを拾っては捨てていく子。
一か所に集めたたくさんの葉っぱを抱え込み、空に向かって放り投げている子。
それも個性と思い、教室に戻るまで見守った。
やがて全員が教室に戻ったので、私も教室に移動した。
園児たちの間を歩き、工作中の園児たちの様子を見ていく。
落ち葉に糊をつけ、リースのような丸い形を作っている子。
ライオンのたてがみに落ち葉を使っている子。
家族のイラストの髪や洋服に落ち葉を使っている子。
葉っぱをそのまま使わず細かく砕いている子がいた。笹原利樹くんだった。
「どうしたの?」
葉っぱを砕いたまま手が止まっているから、声をかけた。
「どうやって貼ったらいいの?」
利樹くんの画用紙には、犬のような四つ足の動物が描いてあった。
「この動物さんはなあに?」
「ぷーちゃん。うちの犬」
やはり犬だった。
「ぷーちゃんの毛を貼りたいのかな?」
「うん。トイプードルのぷーちゃん」
「そっか。それじゃ、糊を貼りたいところに付けてみようか」
少しアドバイスをすると、利樹くんは糊を犬の絵にぬりぬりする。
「砕いた落ち葉を糊の上に乗せてみよう」
片手で落ち葉を掴み、絵の上で広げた。
それを何度か繰り返すと、絵が落ち葉で埋もれてしまう。
「画用紙を立ててみて」
すると糊の付いていない部分の落ち葉が画用紙から落ちて、犬の部分だけが残った。
「ぷーちゃん!」
どうやら利樹くんの思い描いて工作ができあがったようだ。
「まい先生、ありがとう」
「いいえ。すてきなワンちゃんの工作ができたね」
「うん!」
手が止まって悩んでいたときとは真逆の笑顔で、利樹くんは頷いた。
全員の工作が完成したし、預かった画用紙はくっつけないように注意して持ち運び、体育館に貼っていった。
途中で糊が足らずにはらはらと葉っぱが落ちてしまったものはあるものの、すべての工作を貼りつけた。
そして作品展当日、たくさんの保護者がうやってきて、みんなの工作を見てもらった。
とはいえ、保護者さんはわが子の落ち葉アートが目的だから、まずはわが子の作品を探し、写真を撮ってから全体を見て回る人ががほとんどだった。
来月はクリスマス会がある。
園児たちは歌とダンスを披露することになっているので、私たちは選曲や、振り付けを決めたり考えたりとやることが盛りだくさん。
作品展の片づけを終えると、クリスマス会で使う飾りつけの準備を始めた。
幕間:紙ヒコーキ
「何を作るの?」
園児から質問される。
「いい質問だね。枯れ葉アートを作ろうと思います。わかるかな?」
私は園児たちを見渡す。
みんな首をひねったり、顔を見合わせたり、わからない仕草がかわいらしい。
「これなーんだ」
エプロンのポケットから、あるものをじゃーんと取り出した。
「葉っぱ?」
「黄色い葉っぱ」
口々に答えてくれる。
「そう。枯れた葉っぱ。今朝、幼稚園の庭に落ちていた枯れ葉を拾ったんだよ。今日はこういう枯れた葉っぱをお庭で集めて、これを使って工作をしもらいます。わかった人」
「はーい」
今日も元気いっぱいに腕を上げてくれる園児たちを引き連れて、園庭に出た。さいわい今日は日差しが強くて、暖かい。
園庭の隅には木が立っていて、根本には枯れ葉が落ちている。
集めて捨ててしまう落ち葉も、貴重な教材になる。
「たくさん集めていいの?」
「いいよ。どんな工作をしたいのか、思い浮かべながら集めてねー」
集まった子から教室に戻り、画用紙を使って落ち葉アートに取り掛かってもらった。
来週、保護者さんを呼んで展示した作品を見てもらう展覧会を幼稚園で開く。今年できるようになったことを見せる、集大成ともいえる作品展となる。
教室の中は麻香先生と補助教諭の先生にお願いして、私は園庭に残っている園児たちを見守る。
葉の形にこだわりがあるのか次々と葉っぱを拾っては捨てていく子。
一か所に集めたたくさんの葉っぱを抱え込み、空に向かって放り投げている子。
それも個性と思い、教室に戻るまで見守った。
やがて全員が教室に戻ったので、私も教室に移動した。
園児たちの間を歩き、工作中の園児たちの様子を見ていく。
落ち葉に糊をつけ、リースのような丸い形を作っている子。
ライオンのたてがみに落ち葉を使っている子。
家族のイラストの髪や洋服に落ち葉を使っている子。
葉っぱをそのまま使わず細かく砕いている子がいた。笹原利樹くんだった。
「どうしたの?」
葉っぱを砕いたまま手が止まっているから、声をかけた。
「どうやって貼ったらいいの?」
利樹くんの画用紙には、犬のような四つ足の動物が描いてあった。
「この動物さんはなあに?」
「ぷーちゃん。うちの犬」
やはり犬だった。
「ぷーちゃんの毛を貼りたいのかな?」
「うん。トイプードルのぷーちゃん」
「そっか。それじゃ、糊を貼りたいところに付けてみようか」
少しアドバイスをすると、利樹くんは糊を犬の絵にぬりぬりする。
「砕いた落ち葉を糊の上に乗せてみよう」
片手で落ち葉を掴み、絵の上で広げた。
それを何度か繰り返すと、絵が落ち葉で埋もれてしまう。
「画用紙を立ててみて」
すると糊の付いていない部分の落ち葉が画用紙から落ちて、犬の部分だけが残った。
「ぷーちゃん!」
どうやら利樹くんの思い描いて工作ができあがったようだ。
「まい先生、ありがとう」
「いいえ。すてきなワンちゃんの工作ができたね」
「うん!」
手が止まって悩んでいたときとは真逆の笑顔で、利樹くんは頷いた。
全員の工作が完成したし、預かった画用紙はくっつけないように注意して持ち運び、体育館に貼っていった。
途中で糊が足らずにはらはらと葉っぱが落ちてしまったものはあるものの、すべての工作を貼りつけた。
そして作品展当日、たくさんの保護者がうやってきて、みんなの工作を見てもらった。
とはいえ、保護者さんはわが子の落ち葉アートが目的だから、まずはわが子の作品を探し、写真を撮ってから全体を見て回る人ががほとんどだった。
来月はクリスマス会がある。
園児たちは歌とダンスを披露することになっているので、私たちは選曲や、振り付けを決めたり考えたりとやることが盛りだくさん。
作品展の片づけを終えると、クリスマス会で使う飾りつけの準備を始めた。
幕間:紙ヒコーキ
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