夜くらいゆっくり眠らせろ

空夜 喜雨

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1人目 眠るまでは今日である

貧乏暇なし

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ストレスだろうか。

3日程寝込んでいた。熱はでないが、起き上がれなくなったのだ。店長は、無理しすぎだよと笑いながらシフトを調整してくれた。明後日まで休める。学生であった頃なら奨学金が出る日であるが、もうでない。

ぼーっと天井を見上げる。疲れた頭とからだには、刺激が少なくてちょうどよい。
枕元にあるスマホが鳴った。見慣れた番号である。

「今月の家賃引き落としができませんでしたので~」

「あぁすみません。えと…ハガキが…」

「はい。こちらからお送りします、コンビニで使えるハガキで20日までに支払っていただきますよう、お願いいたします。」

「申し訳ございません…その日までには支払いますので…」

「お願いいたします。それと、長谷川様。2~3ヶ月ほど支払日に間に合ってないのが続いております。今月は必ず支払日に間に合うように、ご準備のほどよろしくお願いします。」

「はい…はい。ご迷惑おかけしました。失礼いたします。」

電話を切ってため息をつく。
先月も先々月も父親の持っていった実家の支払いを立て替えたことで送れたのだ。
派遣のバイトは、日払いだったから次の日には入る。それを利用して、20日までに間に合わせたのだ。

「…まぁ今月はなんとかなるか」

前期分に残していた貯金と、母親の入院費の差額でなんとかなる。
来月は?また母親から連絡がきたら?
いずれ返さなければならないが、毎月確実に入る頼りになった奨学金はもうはいらない。

学生用の格安の狭いアパート。
売れるものなどとっくに売っている。
机の上には、ガス代の請求書と大学を去るときにもらった書類が投げてあった。

「バイト行くか。」

スマホを取り出し、派遣のバイトのサイトを開く。
コンビニは明後日まで休みをもらっている。今日明日、夜勤の工場にでもいこう。食品工場なら休憩中にパンが無料で食べれるし、ちょうどよい。以前ならよくいっていたが、コンビニのシフトを増やしてから夜勤は入れていなかった。賑やかなイベントのスタッフじゃないから、心もつかれないだろう。

薄暗くなっていくアパートで、僕のスマホだけが輝いていた。
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