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第3章 ぼくに降り注ぐのはドキドキとモヤモヤと。
地雷だったみたいです。
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聖先輩の喉仏あたりをぼーっと見ながら考えた。
いや、もしかしたら聖先輩は、そんな細かいことまで考えていないのかも。
この間の書庫室での危機一髪な状況の時には『見つかったら見つかったで、またその時に考えよう』だなんて呑気に言ってたし、今まで行き当たりばったりに生きてきたのかもしれない。
「おい」
そうだ、きっとそう。
聖先輩は、ぼくに知って欲しくないんだ。歩太先輩がぼくのことを好きだって。
「小峰」
聖先輩は嫉妬深い。自分の親友が恋人に向かって好きだなんて伝えるシーンを思い浮かべるだけで、はらわた煮えくり返るくらいになってしまうに違いない。
だから聖先輩はいちいち、どうせ点なんて取れないってぼくに突っかかって……
「いたっ!」
「変な顔でボーッとしてないで、早く食え」
聖先輩のデコピンにより、思考は一時停止された。
変な顔って! もうっ、先輩のせいですよ。
改めて丼の中身を完食し、お茶を飲み干してから店を出た。
家の近くまで送ると言ってくれたので、悪いとは思いつつもお言葉に甘えた。だってもうすぐ、聖先輩と話さえも出来なくなっちゃうかもしれないんだ。最後の思い出作りとして……。
ぼくはしつこく、聖先輩を質問攻めにした。
「ほんとは知ってますよね? 歩太先輩の好きな人」
「知らない」
「じゃあちゃんと目を見て言ってくださいよぉ」
「しつこいな。知らないったら本当に知らない」
「ふふ。聖先輩ってほんと、可愛いですね」
「……か・わ・い・い?」
「……へ?」
ピタッと歩みを止めた聖先輩がどこか禍々しく感じられたので、ぼくはここから走って逃げたくなった。
案の定、聖先輩は急にぼくの手を引いて狭い路地に入り込み、壁に背をつけたぼくに向かって壁ドンした。
「一つ教えといてやる」
「はっはい!」
涙目でビシッと敬礼をするぼく。
「男に向かって言っちゃいけないといわれているNGワード一位は『可愛い』だ。俺もそう言われんのは好きじゃない。覚えとけよ」
「わっ分かりました! えぇでも、そうなんですね? ぼくは別に、可愛いって言われても嫌だとは思わないですけどね……」
えへ、とほっぺを人差し指でポリポリかいていたら、聖先輩はより一層眉を潜めてぼくをジトッと見つめてきた。
あぁ、余計な一言を言ってしまった!
「お前は男って自覚がないのかよ。いつもそうやって媚びるみたいな仕草して喋ってて。お前がそんなんだから俺……」
聖先輩はハッとした表情を見せたあと、続く言葉を飲み込むようにして地面に視線を落とした。
そして——
「放っておけなくなるんだよ、お前のことを」
いや、もしかしたら聖先輩は、そんな細かいことまで考えていないのかも。
この間の書庫室での危機一髪な状況の時には『見つかったら見つかったで、またその時に考えよう』だなんて呑気に言ってたし、今まで行き当たりばったりに生きてきたのかもしれない。
「おい」
そうだ、きっとそう。
聖先輩は、ぼくに知って欲しくないんだ。歩太先輩がぼくのことを好きだって。
「小峰」
聖先輩は嫉妬深い。自分の親友が恋人に向かって好きだなんて伝えるシーンを思い浮かべるだけで、はらわた煮えくり返るくらいになってしまうに違いない。
だから聖先輩はいちいち、どうせ点なんて取れないってぼくに突っかかって……
「いたっ!」
「変な顔でボーッとしてないで、早く食え」
聖先輩のデコピンにより、思考は一時停止された。
変な顔って! もうっ、先輩のせいですよ。
改めて丼の中身を完食し、お茶を飲み干してから店を出た。
家の近くまで送ると言ってくれたので、悪いとは思いつつもお言葉に甘えた。だってもうすぐ、聖先輩と話さえも出来なくなっちゃうかもしれないんだ。最後の思い出作りとして……。
ぼくはしつこく、聖先輩を質問攻めにした。
「ほんとは知ってますよね? 歩太先輩の好きな人」
「知らない」
「じゃあちゃんと目を見て言ってくださいよぉ」
「しつこいな。知らないったら本当に知らない」
「ふふ。聖先輩ってほんと、可愛いですね」
「……か・わ・い・い?」
「……へ?」
ピタッと歩みを止めた聖先輩がどこか禍々しく感じられたので、ぼくはここから走って逃げたくなった。
案の定、聖先輩は急にぼくの手を引いて狭い路地に入り込み、壁に背をつけたぼくに向かって壁ドンした。
「一つ教えといてやる」
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「わっ分かりました! えぇでも、そうなんですね? ぼくは別に、可愛いって言われても嫌だとは思わないですけどね……」
えへ、とほっぺを人差し指でポリポリかいていたら、聖先輩はより一層眉を潜めてぼくをジトッと見つめてきた。
あぁ、余計な一言を言ってしまった!
「お前は男って自覚がないのかよ。いつもそうやって媚びるみたいな仕草して喋ってて。お前がそんなんだから俺……」
聖先輩はハッとした表情を見せたあと、続く言葉を飲み込むようにして地面に視線を落とした。
そして——
「放っておけなくなるんだよ、お前のことを」
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