センパイとは恋しませんっ!

こすもす

文字の大きさ
103 / 111
第5章 ぼくの運命の先輩は。

キスと目眩

しおりを挟む
「ふっ……ぅ、んんッ……」

 ぼくはいやらしい声を上げながら、聖先輩に溺れた。

 口の端から垂れる液も拭うこともままならぬまま、ただただ快感を受け止める。
 今度は完全に腰が抜け、三和土に座りこんでしまった。
 それでも熱量のある聖先輩の唇は、ぼくから離れようとしない。

「ふぁ……あ、もう……せんぱい……っ」

 鎖骨を甘噛みされて、めまいを起こしそうになる。

 実際、薄らと目蓋を持ち上げると、目に映る風景がゆらゆらと揺れていた。
 ぼくは聖先輩の甘い言葉とキスに酔ってしまったみたいだ。

「小峰、大丈夫か?」

 ぼくがぽーっとしていたのに気付いたのか、聖先輩は一旦冷静になって体を起こし、顔を覗き込んできた。

「あ……なんだか、ぼく……」
「立てるか? というかすごい汗だな……お前、ここまで走ってきたのか」
「はい……聖先輩に会えなくなるって思ったら、いても立ってもいられなくなって」

 グワングワンと聖先輩の顔が歪む。

 そういえば体中があつい。
 家の中は冷房が効いているからひんやりと心地よい筈なのに、ぼくの体は未だに火照り続けている。

 今日は猛暑日だし……あぁたぶん、聖先輩が格好良すぎるのがいけないんだ……

 頭の中でいろんな考えが飛躍していて、少しも落ち着いていられない。
 ぼくは視点の定まらない目で、聖先輩にお願いをした。

「せんぱい、あの」
「なんだ」
「み……水を、ください……」



 * * *



 そのスプリングベッドは、聖先輩同様いい匂いがした。
 ぼくは中学の頃に着ていたという聖先輩のジャージの上下を着用して、接触冷感のシーツとタオルケットの間でモゾモゾと体を寝返った。

 渡された水をガブ飲みしたあと、ぼくは本格的にダウンしてしまった。

 聖先輩は少し動揺していたけど、ぼくを軽々と自分の部屋まで運んでくれて、着替えまで手伝ってくれた。
 さらにはぼくの体を綺麗に拭いてくれた後、「ゆっくりしてろ」とぼくをベッドに寝転がせてから部屋を出て行った。ぼくのお世話をしているうちに自分も汗をかいたようで、今シャワーを浴びている。

 そういえば、ここ最近食欲が落ちていた。いわゆる夏バテ。
 連日の暑さのせいもあるが、一番の理由は聖先輩だ。

 毎日ずっと聖先輩の事を考えていて、何かを口にすることが減っていた。
 さっき、本当の気持ちを聞けたぼくは、きっと安心して気が抜けてしまったのだろう。
 こうして聖先輩のベッドに横になれて嬉しいけれど、惜しい事をした気もする。

 せっかく、いい雰囲気だったのになぁ……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

有能副会長はポンコツを隠したい。

さんから
BL
2.6タイトル変更しました。 この高校の生徒会副会長を務める僕・東山 優真は、普段の仕事ぶりから次期生徒会長の最有力候補と言われている。……んだけど、実際は詰めの甘さやうっかりミスを根性論でカバーしてきたポンコツだ。 こんなに頑張れているのは、密かに思いを寄せている安西生徒会長のため。 ある日、なんの奇跡か会長に告白され晴れて恋人同士となった僕は、大好きな人に幻滅されないためにポンコツを隠し通すと決めたけど……!?(内容は他サイト版と同じですが、こちらの方がちょっと読みやすいはずです)

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

幼馴染み

BL
高校生の真琴は、隣に住む幼馴染の龍之介が好き。かっこよくて品行方正な人気者の龍之介が、かわいいと噂の井野さんから告白されたと聞いて……。 高校生同士の瑞々しくて甘酸っぱい恋模様。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

処理中です...