義兄弟で秘密のレッスン!

こすもす

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第3章 それぞれの恋模様

第48話 秋臣の告白②

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 父さんの、子供じゃない?
 咄嗟に、これはいつもの嘘だと思った。
 でも秋くんはいつまでも表情を変えないので、嘘じゃないんだって悟った。

「びっくりした?」
「あ……うん、なんて言ったらいいのか」

 秋くんと父さんが、家のリビングで笑顔で話していた場面を思い出す。
 2人は表面上、血が繋がった親子のように見えた。全く似ていないとは思ったけど、あまり気にならなかった。
 貴臣と秋くんはそっくりだから、秋くんが単にもらわれっ子というわけではなさそうだ。

「本当のお父さんは、どこにいるの?」
「お母さんも分かんないって言ってた。行きずりだったんでしょ」
「そのことってどうして知ったの?」
「お母さんに直接言われた。離婚するちょっと前に」

 俺は思わず頭を抱える。
 その頃の秋くんといえば、まだ小学4年生だ。
 そんな時期に親の不仲に加えて、本当は父の子ではないと告げられることの辛さ。自分がもし言われたらと思うと胸が痛む。

「なんかふつーに、今日の夕飯はハンバーグねー、みたいなノリだったよ。離婚したらどっちについていくか考えた時、初めは俺も怜くんたちと暮らそうと思ってたんだ。お兄と離れるのは寂しいって思ったし。だけどそんなこと言われたから、ちょっと考えたよね」

 秋くんを、抱きしめてあげたくなった。
 人の目もあるのでしなかったけど、腕をぎゅっと持ってあげた。秋くんは思ったほど悲しい顔はしていない。

「気づいたら、お母さんと一緒に暮らすって言ってた。夜遊びするところ以外は普通に好きだったし」
「貴臣は知ってるの? 秋くんのお父さんが違うこと」
「知らない。貴臣には内緒よって言われたから。お父さんもこのことを知ってるのかどうか分からない。怖くて聞けないよ」
「秋くん」
「あ、別に、そんな深刻な顔しないで笑って。お母さんはきっと、1人きりになるのは嫌だったから俺に言ったんだと思う。あの人、孤独に耐えられない人だから」

 秋くんは気遣うように笑っている。
 今はもう受け入れたけど、当時はきっといろんな思いを抱えていたはずだ。
 なんの疑いもなく、ずっと自分の父親だと思っていたのに。

「貴臣だけずるいなって思ったんだ。指摘された通り、プリンのことはたまたま。おにいは2人の子供なのに、俺だけ違う。お兄はお母さんが嫌いだったみたいで、お父さんとばかり喋ってた。それもなんか、気に食わないっていうか……あぁごめん、うまく説明出来ないんだけど、喧嘩の理由はこんな感じ」

 俺は秋くんの頭をよしよしと撫でてあげた。
 秋くんの悲しみを手のひらで吸い取ってあげるように。
 秋くんはびっくりしていたけど、俺の手を振り払うことはしなかった。

「話してくれて、ありがとう」
「はは、怜くん、もしかして泣いてる?」
「泣いてないよ」

 ゴシゴシと目蓋をこすると、手の甲が白く汚れた。
 秋くんは、えらい。これまでずっと下手な嘘で誤魔化して、貴臣を傷つけないようにしてきたのだ。
 俺がもし同じ状況だったらきっと言ってしまう。お前はいいよな、本当の息子で。

「怜くんの、そういう優しいところ、好きだよ」

 秋くんはそう言って笑った。
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