庶民の俺が金持ちグループに入ったら、完璧な御曹司になぜか異常に懐かれた【目線の先には。一織×千尋編】

綾波絢斗

文字の大きさ
49 / 101

50 幼馴染

しおりを挟む
「ウハハッ、ゲホッ、ハハハ!ヒィーッ!アハハ!」
陸…笑いすぎだよ。

あの後、陸と湊が家にやってきた。

電話がつながらなくて、面白いことが起きていると思った、と陸は話す。
俺が掛けなおして少し説明したら、「今から行く」と言って本当にやってきた。
海斗にも声をかけたけれど、「彼女優先だから」とのことで、相変わらずの一途さだ。

一織がまたお預けを食らったと知って、陸はむせるくらい笑っている。

「こら、陸!笑いすぎだよ」
湊がたしなめるも、陸には届かない。

「一織、大変だな。ンフッ、アハハハハハ!」
無言で陸を見つめている一織が、ちょっと怖い…

「千尋、陸が下ごしらえまでした料理、仕上げる準備していい?」
「うん。俺も手伝う」

陸と一織から離れて、湊と一緒にキッチンに向かった。

「へぇ。陸、本当に料理頑張ってるんだ」
「うん。僕たち海外に行くだろ?その時、二人でルームシェアするから、身の回りのことはちゃんとしたいって言いだしてさ。そしたら料理にハマったみたい」

ちゃんと将来に向けて準備してるんだ、陸。
おちゃらけているけど、芯はしっかりしてる。

「すごいな…」
「ん~。でも、一織のほうが上手だよ。ひとりで何でもこなせるからね」
確かに、なんでもできる。

「一織が思い通りにいかないのは、千尋のことだけだよ」
「なんだ、それ」
湊にそう言われて、なぜか少しだけ嬉しくなった自分がいた。

「陸もね。一織の「人間っぽい」っていうか…千尋に対して感情を出してる姿を見て、安心してるんだよ」
まだ笑い転げている陸と、静かな一織の姿を、穏やかに見つめている。
きっと湊もそうなんだろう。

「この家にも、千尋がいなかったら入れなかったと思うし、陸の料理も、千尋がいなかったら口にしないんじゃないかな」
そう言いながら、仕上げの準備をする湊。

「陸~。笑ってないで、こっち来て準備して。一織と千尋に食べさせるって、張り切ってたでしょ」

「湊!それ言うなって。ではでは、陸様が最後の仕上げをしてあげようではないか」
陸が立ち上がる。

「一織も、陸の料理の手際、見てあげて。食べさせたいって頑張ってたんだから」
湊がそう言うと、一織も無言で立ち上がった。

なんだかんだで、一織は湊の言うことは素直に聞くんだよな。
昔からの、みんなの関係性が少しうらやましくなる。

「それ、入れるな」
「はっ?なんでだよ」
「入れるなら、こっち」
「なに?これ?どうするの?」
一織と陸が、やんや、やんや始めだした。

「そういえば、千尋は深山さんのところになったんだって?」
湊が聞いてきた。

「え…?どうして知ってるの?」
「あぁ、海斗から聞いたんだよ」
「海斗??」
「…あっ。ほら、インターンするから。深山さんと連絡取ってるんじゃないかな?」
さすが海斗。そういうところは動きが早い。

「ねぇ、深山さんのこと知ってる?」
「どうして?」
湊が不思議そうに聞いてくる。

「なんかさ、俺にはすごく優しい感じなんだけど…社員さんたちが、すごい厳しいって話してて」

「どうなんだろうな…でも、深山家は代々、佐久間グループを支えている家系だから、優秀な人であるのは間違いないと思うよ。だから学ことはすごく多いんじゃないかな。」

深山家…代々…。
そういう家系…。

あっ…。
なるほどね…。

深山さんも、そっち側か…。

なんだよ。もうさ。
お金持ちの世界って、色々つながりがあって、よくわかんないよ。

そんなつながり、ひとつもない俺…

本当に、やっていけるのかな…

「千尋は絶対うまいって言うな!コレは!我ながら上出来~♪」

また自己嫌悪に陥りそうだったけど、陸の一言で、考えるのをやめた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。

或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。 自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい! そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。 瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。 圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって…… ̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶ 【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ 番外編、牛歩更新です🙇‍♀️ ※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。 少しですが百合要素があります。 ☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました! 第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とスタッフ達とBL営業をして腐女子や腐男子たまに普通のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

拾った異世界の子どもがどタイプ男子に育つなんて聞いてない。

おまめ
BL
召喚に巻き込まれ異世界から来た少年、ハルを成り行きで引き取ることになった男、ソラ。立派に親代わりを務めようとしていたのに、一緒に暮らしていくうちに少年がどタイプ男子になっちゃって困ってます。 ✻✻✻ 2026/01/10 『1.出会い』を分割し、後半部分を『2.引き取ります。』として公開しました。

僕、天使に転生したようです!

神代天音
BL
 トラックに轢かれそうだった猫……ではなく鳥を助けたら、転生をしていたアンジュ。新しい家族は最低で、世話は最低限。そんなある日、自分が売られることを知って……。  天使のような羽を持って生まれてしまったアンジュが、周りのみんなに愛されるお話です。

処理中です...