23 / 86
第23話 迎えた朝
しおりを挟む
目を開けると、カーテン越しに柔らかな朝日が差し込んでいた。いつもならもう起きて朝食を作っているはずのレイが、今日はベッドの隣にいる。そして——その腕の中に、僕はいた。
レイの体温が、やさしくて気持ちいい。抱かれたまま背中を預けているこの状態が、ずっと続けばいいと思ってしまった。
——あれは、夢じゃなかったんだ。
昨夜の記憶が、ぽつりぽつりと頭に浮かぶ。抱き寄せられたときの熱。揺れる吐息。何度も名前を呼ばれたこと。そして、その合間に確かにあった、切なさのような温度。
「……ん」
レイがかすかに寝返りを打つ気配がして、僕はとっさに目をぎゅっと閉じた。すると、レイの腕に少し力が入り、僕の体がぐっと引き寄せられる。
「起きた?」
どうしよう。昨日、あんなふうになったあとで——顔が熱くなって、どこを見ればいいのかわからない。
「おはようございます」
恥ずかしさがバレないように、小さな声で挨拶した。すると肩に、チュッチュッとキスが落とされる。
「辛くない?」
……どう答えたらいいかわからなくて、コクリとうなずくことしかできなかった。
とにかく、着替えよう。そう思ってレイの腕から抜け出そうとした瞬間、さらに強く引き寄せられた。耳元で、甘く囁かれる。
「——もう一回、いい?」
「え……」
返事をする前に激しいキスが落とされて、そのまま受け入れてしまった。そして、朝からまた、甘くて深い時間になった。
腰が重くて、動けない。鏡の前に立つと、自分の首筋や体のあちこちに、赤く残った痕がいくつもある。指で触れると、少しひりっとして、まるで昨夜と今朝の出来事が「確かにあった」と主張してくるようだった。
結局、ひとりではシャワーも浴びられず、湯船にお湯を張って、レイに体を委ねる形で全部きれいにしてもらった。
——「明日、来れたら」アキトさんの言葉が、不意に頭をよぎる。
……知ってたの? アキトさん、こうなるって。もしかして——リョクも?
え、待って。みんな、知ってた……?
そう考えたら、また顔が熱くなった。恥ずかしすぎて、もう二度と誰とも目を合わせられない気がしてくる。
今日は休む? と聞かれたけど、ログのことが気になっていたし、それに、アキトさんの予想をちょっと裏切りたくて「出勤する」と答えた。
機嫌がよさそうにスーツに着替えるレイを横目に、僕はまだシャツにも手を伸ばせていない。だるくて、座ったまま。
しんどい。……平日の朝にあんなことするのは、やっぱり無理。今度は断ろう。いや、ていうか、今度も……? 次もあるって、期待してる自分がいるのが怖い。
でも朝は……朝は無理。レイの体力、底なしすぎる。
ようやくシャツに手を伸ばして、袖に腕を通したところで、準備を終えたレイがボタンを留めてくれた。もう、されるがままだ。——だって、こうなった原因はレイなんだから。
スーツも着させてもらって、ネクタイを締めてもらったところで、ふいにキスされた。抵抗できずにそのまま唇を受け入れてしまうと、さらに深いキスになっていく。
「ん……んっ」
……き、気持ちいい……。
僕の顔を見て満足したのか、「カフェオレ淹れるね」そう言って、レイは僕を抱き上げてダイニングテーブルまで連れていった。軽々とお姫様抱っこされる僕。でも、しんどすぎて、ここでもまったく抵抗できない。ただ、されるがままにレイの体に身を預ける。
すべてを知っていて、すべてに満足しているような顔をしたレイが、そこにはいた。
レイの体温が、やさしくて気持ちいい。抱かれたまま背中を預けているこの状態が、ずっと続けばいいと思ってしまった。
——あれは、夢じゃなかったんだ。
昨夜の記憶が、ぽつりぽつりと頭に浮かぶ。抱き寄せられたときの熱。揺れる吐息。何度も名前を呼ばれたこと。そして、その合間に確かにあった、切なさのような温度。
「……ん」
レイがかすかに寝返りを打つ気配がして、僕はとっさに目をぎゅっと閉じた。すると、レイの腕に少し力が入り、僕の体がぐっと引き寄せられる。
「起きた?」
どうしよう。昨日、あんなふうになったあとで——顔が熱くなって、どこを見ればいいのかわからない。
「おはようございます」
恥ずかしさがバレないように、小さな声で挨拶した。すると肩に、チュッチュッとキスが落とされる。
「辛くない?」
……どう答えたらいいかわからなくて、コクリとうなずくことしかできなかった。
とにかく、着替えよう。そう思ってレイの腕から抜け出そうとした瞬間、さらに強く引き寄せられた。耳元で、甘く囁かれる。
「——もう一回、いい?」
「え……」
返事をする前に激しいキスが落とされて、そのまま受け入れてしまった。そして、朝からまた、甘くて深い時間になった。
腰が重くて、動けない。鏡の前に立つと、自分の首筋や体のあちこちに、赤く残った痕がいくつもある。指で触れると、少しひりっとして、まるで昨夜と今朝の出来事が「確かにあった」と主張してくるようだった。
結局、ひとりではシャワーも浴びられず、湯船にお湯を張って、レイに体を委ねる形で全部きれいにしてもらった。
——「明日、来れたら」アキトさんの言葉が、不意に頭をよぎる。
……知ってたの? アキトさん、こうなるって。もしかして——リョクも?
え、待って。みんな、知ってた……?
そう考えたら、また顔が熱くなった。恥ずかしすぎて、もう二度と誰とも目を合わせられない気がしてくる。
今日は休む? と聞かれたけど、ログのことが気になっていたし、それに、アキトさんの予想をちょっと裏切りたくて「出勤する」と答えた。
機嫌がよさそうにスーツに着替えるレイを横目に、僕はまだシャツにも手を伸ばせていない。だるくて、座ったまま。
しんどい。……平日の朝にあんなことするのは、やっぱり無理。今度は断ろう。いや、ていうか、今度も……? 次もあるって、期待してる自分がいるのが怖い。
でも朝は……朝は無理。レイの体力、底なしすぎる。
ようやくシャツに手を伸ばして、袖に腕を通したところで、準備を終えたレイがボタンを留めてくれた。もう、されるがままだ。——だって、こうなった原因はレイなんだから。
スーツも着させてもらって、ネクタイを締めてもらったところで、ふいにキスされた。抵抗できずにそのまま唇を受け入れてしまうと、さらに深いキスになっていく。
「ん……んっ」
……き、気持ちいい……。
僕の顔を見て満足したのか、「カフェオレ淹れるね」そう言って、レイは僕を抱き上げてダイニングテーブルまで連れていった。軽々とお姫様抱っこされる僕。でも、しんどすぎて、ここでもまったく抵抗できない。ただ、されるがままにレイの体に身を預ける。
すべてを知っていて、すべてに満足しているような顔をしたレイが、そこにはいた。
23
あなたにおすすめの小説
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!
夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。 ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる