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第58話 朝なのに
「アオ」
低く優しい声で名前を呼ばれ、まぶたがふわりと開く。
目の前にはレイの腕。少し力の入ったその腕にしっかりと抱きしめられながら、僕はベッドの中で目を覚ました。
——農園から帰ってきてから、レイは以前にも増して甘くなった。
少しくすぐったくなるくらい、甘い雰囲気。
胸に触れてみると、固く引き締まった筋肉が手のひらに伝わってくる。思わず、そのまま指先でなぞってしまった。
「……アオ、誘ってる?」
「えっ」
「する?」
「しないよ。平日の朝はしないって決めたでしょ」
「まだ時間はある」
耳の奥に落ちる甘い声。僕だけにしか見せない、甘えているレイ。僕は、この姿にとても弱い。
唇が重なり、深く甘いキスが落ちてくる。ちゅ、と首に音を立てて舌先が触れた瞬間——
Rrrrrrr
レイのスマホが小さく震えだした。
「んっ……レ、イ……スマホ鳴ってるっ」
それでもレイは全く気に留めず、さらにキスを落としてくる。
「レイ……だめ、ってば。早く出て……っ」
「後で」
そう言って、唇を首筋から鎖骨へ滑らせていく。
「だめっ。もう! じっとしててね。僕、出るから」
震える手でスマホを取ってみると、表示された名前は《アキト》。
「もしもし、アキトさん……っ」
『あっ、アオくん? レイは起きてるかな——』
答えようとした瞬間、レイの唇が胸を滑り、そのまま下へと降りていく。
「レ、レイ! アキトさんだからっ……!」
必死で声を押し殺しても、吐息が零れてしまう。
『……アオくん? 大丈夫?』
「あっ……す、すみませ……ッ」
と言ったところで、レイがスマホを奪い取った。
「後で」
一方的に電話を切る。
「アオって、俺よりアキトとの電話のほうが大事なんだ?」
耳元で囁かれる声は、少し拗ねたようで。
「そ、そんなわけないでしょ……でも大事な用事かもしれないじゃないか……っ」
「アオより大切なものなんてない」
そう呟いて、レイは再び僕を甘い渦へと沈めていった。
低く優しい声で名前を呼ばれ、まぶたがふわりと開く。
目の前にはレイの腕。少し力の入ったその腕にしっかりと抱きしめられながら、僕はベッドの中で目を覚ました。
——農園から帰ってきてから、レイは以前にも増して甘くなった。
少しくすぐったくなるくらい、甘い雰囲気。
胸に触れてみると、固く引き締まった筋肉が手のひらに伝わってくる。思わず、そのまま指先でなぞってしまった。
「……アオ、誘ってる?」
「えっ」
「する?」
「しないよ。平日の朝はしないって決めたでしょ」
「まだ時間はある」
耳の奥に落ちる甘い声。僕だけにしか見せない、甘えているレイ。僕は、この姿にとても弱い。
唇が重なり、深く甘いキスが落ちてくる。ちゅ、と首に音を立てて舌先が触れた瞬間——
Rrrrrrr
レイのスマホが小さく震えだした。
「んっ……レ、イ……スマホ鳴ってるっ」
それでもレイは全く気に留めず、さらにキスを落としてくる。
「レイ……だめ、ってば。早く出て……っ」
「後で」
そう言って、唇を首筋から鎖骨へ滑らせていく。
「だめっ。もう! じっとしててね。僕、出るから」
震える手でスマホを取ってみると、表示された名前は《アキト》。
「もしもし、アキトさん……っ」
『あっ、アオくん? レイは起きてるかな——』
答えようとした瞬間、レイの唇が胸を滑り、そのまま下へと降りていく。
「レ、レイ! アキトさんだからっ……!」
必死で声を押し殺しても、吐息が零れてしまう。
『……アオくん? 大丈夫?』
「あっ……す、すみませ……ッ」
と言ったところで、レイがスマホを奪い取った。
「後で」
一方的に電話を切る。
「アオって、俺よりアキトとの電話のほうが大事なんだ?」
耳元で囁かれる声は、少し拗ねたようで。
「そ、そんなわけないでしょ……でも大事な用事かもしれないじゃないか……っ」
「アオより大切なものなんてない」
そう呟いて、レイは再び僕を甘い渦へと沈めていった。
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