【完結 R18版】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗

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第82話 2人の時間

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プライベートルームに戻ると、静寂がふたりを包んだ。

「アオ……会いたかった。抱きしめていい?」
レイが低く震える声で言う。

アオは下を向いたまま、小さく唇を動かす。
「……レイが僕以外の人に笑いかけてた」
「……ごめん」
「僕以外の人と腕を組んでた」
「ごめん」
「僕以外の人に……触らせてた」
「ごめん、……アオ」

胸の奥に押し込めていた痛みが、堰を切ったように溢れ出す。

「悲しかった……」
「ごめん」
「寂しかった……」
「ごめん」
「もういらないって……言われたのかと……」

アオの瞳から涙が止めどなく溢れ、嗚咽が声を塞ぐ。レイはたまらずアオを抱きしめ、震える背中を何度も撫でる。

「ごめん……もう離さない。アオ、俺から離れないで」
「……ほんとに?」
「うん」
「嘘じゃない?」
「嘘じゃない」

「ずっと会いたかった」
「うん」
「僕……ひとりで寝てたんだよ」
「うん」
「もう一人にしないで」
「絶対にしない」

アオは涙を拭いながら問いかける。
「レイ……どうして話してくれなかったの?」
「アオを守ろうとして。アオはこの計画を知ったら絶対に無茶すると思ったから。」
「何も話してくれないほうが、もっと悲しいよ」
「……心配かけたくなくて」
「僕はそんなに弱くない。一緒に悩ませてほしかった」
「うん。アオは俺から離れない傲りがあった。アオがどれだけ悲しんでるかわかってなくて。まさかアオから離れるとは思わなかったんだ。アオが俺から離れたとき、息ができなくなるかと思った。もう会えないかもしれない、アオに要らないって言われたらって……苦しかった」
「……僕もだよ」

その言葉のあと、アオはレイにそっと唇を重ねた。

「今日から、もう離さないで」
「……わかった」

再び、ふたりの唇が重なる。熱く、深く、互いの想いを確かめ合うように——。

熱い口づけのあと、アオの身体がふっと力を失った。

「……アオ?」
レイが慌てて抱きとめると、その肌は少し冷たく、呼吸も浅い。

レイはアオの頬に手を添え、必死に名前を呼ぶ。
「アオ? アオ! 聞こえる?」

瞼を震わせながら、アオは小さく答える。
「……少しだけ力を使いすぎたみたい。……眠い」

「寝ていい。俺がそばにいるから」
レイはベッドにアオを横たえ、毛布を優しく掛ける。そのまま手を握りしめ、耳元で囁いた。

「ごめん……もっと早く気づいてやるべきだった。無理させてごめん」

アオは弱々しい笑みを浮かべる。
「大丈夫。またレイに抱きしめてもらえたから」
アオは安心したように目を閉じ、静かな寝息を立て始めた。

レイはその寝顔を見つめながら、アオの髪に指を絡める。

「……おやすみ、アオ」

互いの鼓動を感じながら、ふたりはようやく取り戻した「番」としての時間を過ごし始めた。
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