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第一章 ヒューマニア王国
第52話 S級ダンジョン探掘報告会 01
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「高級魔土の壁にこんな大きな穴が……」
炎槍によって開けられた穴はもはや洞窟と言っていいくらいに奥へと続いていた。
そしてエミラはその穴の脇にダンジョン踏破のサインがある事に気付いた。
「ノア! ダンジョン踏破よ! 無事にS級ダンジョンを踏破したわ!」
振り向いて話しかけたが、ノアは動きが止まったハイソイラゴーレムのボディに触れてニヤニヤしながら、壊れないように優しくゆっくりとアイテム袋の中へ入れている最中だった。
「……ん、何? 今呼んだ?」
「うん、まぁ、色々と言いたいことはあるんだけど……とりあえず……」
ドゴン! バコン! ドゴン!
「ダンジョンの中でいきなり炎槍を五連発するアホがどこにいるのよ! 危うく死にかけたわよ! 一国の王女を魔土術の余波で吹っ飛ばすバカがどこにいるのよ!」
「しゅ、しゅみましぇん。つい夢中で……」
「仲間を放置して夢中で魔土いじるのやめなさい! このソイラマニアが!」
「はい……しゅみましぇんでした」
「罰として今日一日ずっと回復魔土術禁止!」
顔面と頭に大きなたんこぶを作ったノアに延々と説教するエミラ。それでもノアはゴーレムをゲットしたことが嬉しくてニヤついていた。
「ダンジョンを踏破したみたいよ。どうする? 地上に戻る?」
「いや、ちょっと待って。この洞窟の奥に何かあるよ。それだけ確認してから帰ろうか」
ノアたちは炎槍によって開けられた洞窟の奥へと進んでいく。すると何やら別の通路と繋がったみたいだ。
「何これ。この通路、ダンジョンじゃないわ。地面が舗装されているわね」
奥の部屋から何かを感じたノアが迷わずに進む。
「あそこだ!あの部屋の中に何かあるよ!」
「え、ちょっと待ってノア」
二人が入った部屋は高貴な王室のように空間が施されている。そのど真ん中に素朴なハイソイラの台座があって、その上に何かが光り輝いている。
「これは……ティアラだ。しかもこのマークはヒューマニア王国の国章じゃないか?」
「本当だわ……間違いない。これはヒューマニア王国の……だとしたらこのティアラは先代王妃の……だけどなぜこんなところに?」
エミラにもわからないようだ。一旦これは回収して後ほど国王に見せる事にした二人はダンジョンを後にした。
「ミラ様! ご無事ですか?」
「ヘンドリック。私は無事よ。ダンジョンを踏破したわ!」
「それはなんとご立派な事……って、ノア様、一体どうなされたのですか? そんなにお顔が腫れて……やはりS級ダンジョン。流石のノア様でも簡単ではなかったという事なのでしょうか」
「えっと……そうですね。はい……敵も味方も強かったです……」
こうして無事にノアたちは王宮へ帰還した。
* * *
翌日、王宮謁見の間にてS級ダンジョン踏破による探掘報告会が行われる事になった。ミラ王女の希望でこの場を設けたのだが、なぜか呼ばれたロイやリリカは嫌な予感で一杯だった。
「ノアのやつ……また何かやらかしたのか……」
「昨日ボコボコになって帰ってきたときは思わず笑ったけど、ミラ王女に怒られたって言ってたわ……怖くて何をしたのか聞いてないけど」
そしてワクワクしているティアとリリアナ王女をはじめ、冒険者ギルドとモグラーギルド更には商業ギルドのギルドマスター3名、王都魔土術学院のミネルヴァ校長とエミール先生、そしてノアの希望でヘンリーとマリアも特別に同席していた。
「エミール先生、さすがですね。あの子がいると毎日が飽きないわ」
「今回はどんな活躍をしたのか。でももう驚くことはありませんよ。大分慣れましたから」
余裕の談笑で待つ先生方に対し、ヘンリーとマリアは感動と緊張のあまり固まっていた。
「ねぇ、マリア。どうして僕たちが呼ばれたんだろう? 嬉しいけど場違いだよね?」
「は、は、は、は、はい……私なんて……庶民なんですけど……は、初めて王宮に……入りました。そして初めて樹木を観ました。も、もう感動で……」
そこへノアがやってきた。
「ヘンリー! マリア! 来てくれてありがとう。今日は二人に用があったんだよ」
「「え?」」
「まずはヘンリーからだな。ちょっと一緒に来て」
そう言ってヘンリーを連れて行くノア。
「父さん! 母さん! 紹介したい同級生の友達がいるんだ。ヘンリー、こっち」
「ノア、急にどうし……えぇ! えぇ! 英雄のロイ・グリード! え? なんで?」
「ハハハ。そうかノアに友達ができたのかそれは嬉しい話だ! ヘンリー、ノアの父のロイ・グリードだ。これからもノアと仲良くしてやってくれ」
「母のリリカよ。嬉しいわ。とてもまともな男の子じゃないの! ノアにお友達だなんて最高の知らせよね!」
「あっ、えっと、あのヘンリー・ブランと申します! 魔土術学院を卒業し、魔土戦士となって王国を守る騎士になるのが僕の夢です! 黄金の大地のお二人とお会いできるなんて本当に光栄です! 一生忘れません……って、ノアのご両親?」
「うん。そうだよ。僕の父さんと母さん。学院内でも噂になっていたからヘンリーも知っていたかと思ったよ」
「全然知らなかった……英雄の息子って話は聞いていたけどなんのことかさっぱりわからなくて。だから今心臓が飛び出そうだよ」
「あははは。実はね。父さんに相談したい事があって」
「ん? 俺に? どうしたんだ?」
「ヘンリーはね。将来本当に強くなるよ。今から鍛えておいたら必ず、奴らと戦うときに活躍してくれる」
「ほう、ノアがそんなに評価しているのか……それで、俺に実力をみてくれって事だな?」
頷くノアとニヤリと笑ったロイがヘンリーの方へ目を向ける。
「ヘンリー、この報告会が終わったら俺と模擬戦やるぞ」
「……へ? 僕が英雄ロイと模擬戦? ほ、本当ですか!」
笑って頷くロイ。
「あ、ありがとうございます! やった! ノア、本当にありがとう!」
王室の者も謁見の間に集まり騒ついている。S級ダンジョンの踏破とはそれだけ注目される国家レベルの大事なのだなとノアは初めて理解した。
いよいよ報告会が始まる。国王と王妃、リリアナ王女が登場し、拍手で迎えられる。今回ミラ王女は報告する側だ。
「それではこれよりS級ダンジョン踏破による探掘報告会を始めます! 冒険者パーティー『希望の剣』は前へ!」
ミラ王女とノアが国王の前で片膝をついて俯く。
「ミラもノアも楽にせよ。余を気にすることはない。お主らのペースで報告せよ」
「承知しました。それでは今から詳細を報告致します!」
炎槍によって開けられた穴はもはや洞窟と言っていいくらいに奥へと続いていた。
そしてエミラはその穴の脇にダンジョン踏破のサインがある事に気付いた。
「ノア! ダンジョン踏破よ! 無事にS級ダンジョンを踏破したわ!」
振り向いて話しかけたが、ノアは動きが止まったハイソイラゴーレムのボディに触れてニヤニヤしながら、壊れないように優しくゆっくりとアイテム袋の中へ入れている最中だった。
「……ん、何? 今呼んだ?」
「うん、まぁ、色々と言いたいことはあるんだけど……とりあえず……」
ドゴン! バコン! ドゴン!
「ダンジョンの中でいきなり炎槍を五連発するアホがどこにいるのよ! 危うく死にかけたわよ! 一国の王女を魔土術の余波で吹っ飛ばすバカがどこにいるのよ!」
「しゅ、しゅみましぇん。つい夢中で……」
「仲間を放置して夢中で魔土いじるのやめなさい! このソイラマニアが!」
「はい……しゅみましぇんでした」
「罰として今日一日ずっと回復魔土術禁止!」
顔面と頭に大きなたんこぶを作ったノアに延々と説教するエミラ。それでもノアはゴーレムをゲットしたことが嬉しくてニヤついていた。
「ダンジョンを踏破したみたいよ。どうする? 地上に戻る?」
「いや、ちょっと待って。この洞窟の奥に何かあるよ。それだけ確認してから帰ろうか」
ノアたちは炎槍によって開けられた洞窟の奥へと進んでいく。すると何やら別の通路と繋がったみたいだ。
「何これ。この通路、ダンジョンじゃないわ。地面が舗装されているわね」
奥の部屋から何かを感じたノアが迷わずに進む。
「あそこだ!あの部屋の中に何かあるよ!」
「え、ちょっと待ってノア」
二人が入った部屋は高貴な王室のように空間が施されている。そのど真ん中に素朴なハイソイラの台座があって、その上に何かが光り輝いている。
「これは……ティアラだ。しかもこのマークはヒューマニア王国の国章じゃないか?」
「本当だわ……間違いない。これはヒューマニア王国の……だとしたらこのティアラは先代王妃の……だけどなぜこんなところに?」
エミラにもわからないようだ。一旦これは回収して後ほど国王に見せる事にした二人はダンジョンを後にした。
「ミラ様! ご無事ですか?」
「ヘンドリック。私は無事よ。ダンジョンを踏破したわ!」
「それはなんとご立派な事……って、ノア様、一体どうなされたのですか? そんなにお顔が腫れて……やはりS級ダンジョン。流石のノア様でも簡単ではなかったという事なのでしょうか」
「えっと……そうですね。はい……敵も味方も強かったです……」
こうして無事にノアたちは王宮へ帰還した。
* * *
翌日、王宮謁見の間にてS級ダンジョン踏破による探掘報告会が行われる事になった。ミラ王女の希望でこの場を設けたのだが、なぜか呼ばれたロイやリリカは嫌な予感で一杯だった。
「ノアのやつ……また何かやらかしたのか……」
「昨日ボコボコになって帰ってきたときは思わず笑ったけど、ミラ王女に怒られたって言ってたわ……怖くて何をしたのか聞いてないけど」
そしてワクワクしているティアとリリアナ王女をはじめ、冒険者ギルドとモグラーギルド更には商業ギルドのギルドマスター3名、王都魔土術学院のミネルヴァ校長とエミール先生、そしてノアの希望でヘンリーとマリアも特別に同席していた。
「エミール先生、さすがですね。あの子がいると毎日が飽きないわ」
「今回はどんな活躍をしたのか。でももう驚くことはありませんよ。大分慣れましたから」
余裕の談笑で待つ先生方に対し、ヘンリーとマリアは感動と緊張のあまり固まっていた。
「ねぇ、マリア。どうして僕たちが呼ばれたんだろう? 嬉しいけど場違いだよね?」
「は、は、は、は、はい……私なんて……庶民なんですけど……は、初めて王宮に……入りました。そして初めて樹木を観ました。も、もう感動で……」
そこへノアがやってきた。
「ヘンリー! マリア! 来てくれてありがとう。今日は二人に用があったんだよ」
「「え?」」
「まずはヘンリーからだな。ちょっと一緒に来て」
そう言ってヘンリーを連れて行くノア。
「父さん! 母さん! 紹介したい同級生の友達がいるんだ。ヘンリー、こっち」
「ノア、急にどうし……えぇ! えぇ! 英雄のロイ・グリード! え? なんで?」
「ハハハ。そうかノアに友達ができたのかそれは嬉しい話だ! ヘンリー、ノアの父のロイ・グリードだ。これからもノアと仲良くしてやってくれ」
「母のリリカよ。嬉しいわ。とてもまともな男の子じゃないの! ノアにお友達だなんて最高の知らせよね!」
「あっ、えっと、あのヘンリー・ブランと申します! 魔土術学院を卒業し、魔土戦士となって王国を守る騎士になるのが僕の夢です! 黄金の大地のお二人とお会いできるなんて本当に光栄です! 一生忘れません……って、ノアのご両親?」
「うん。そうだよ。僕の父さんと母さん。学院内でも噂になっていたからヘンリーも知っていたかと思ったよ」
「全然知らなかった……英雄の息子って話は聞いていたけどなんのことかさっぱりわからなくて。だから今心臓が飛び出そうだよ」
「あははは。実はね。父さんに相談したい事があって」
「ん? 俺に? どうしたんだ?」
「ヘンリーはね。将来本当に強くなるよ。今から鍛えておいたら必ず、奴らと戦うときに活躍してくれる」
「ほう、ノアがそんなに評価しているのか……それで、俺に実力をみてくれって事だな?」
頷くノアとニヤリと笑ったロイがヘンリーの方へ目を向ける。
「ヘンリー、この報告会が終わったら俺と模擬戦やるぞ」
「……へ? 僕が英雄ロイと模擬戦? ほ、本当ですか!」
笑って頷くロイ。
「あ、ありがとうございます! やった! ノア、本当にありがとう!」
王室の者も謁見の間に集まり騒ついている。S級ダンジョンの踏破とはそれだけ注目される国家レベルの大事なのだなとノアは初めて理解した。
いよいよ報告会が始まる。国王と王妃、リリアナ王女が登場し、拍手で迎えられる。今回ミラ王女は報告する側だ。
「それではこれよりS級ダンジョン踏破による探掘報告会を始めます! 冒険者パーティー『希望の剣』は前へ!」
ミラ王女とノアが国王の前で片膝をついて俯く。
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「承知しました。それでは今から詳細を報告致します!」
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