Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

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第二章 東京都区別対抗学戦祭編

第14話 競技内容

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「では、競技内容とか、その辺りの成美なるみ先輩の分析をお聞きしたいです」

 太地たいちが成美にバトンを渡す。

「え~と、そうですわね……今年の色祭いろまつりのテーマは『防衛』ですわ」

「防衛? なんか『色祭り』の言葉から来るイメージとは違う、なんとも物騒なテーマですね」

 コホン、と一息ついて成美が説明を始める。

「テーマに関しては東京都と日本政府で決めていますわ。スポンサー(ワタクシたち)は一切関わっておりませんの。ただ昨年、一昨年のテーマは地域住民とのふれあいや都市の発展を軸にした内容で、どちらかというと地域の方々もより楽しく、未来に期待が持てるようなテーマでしたわ。それに比べて今回はかなり直接的というか……よりですわね。まぁ、過去の物騒な出来事があって、になったわけですから、理解はできますわ。」

『テロを意識しているってことか?』

「おそらくね……」


「そして今のところ主催側から開示されている情報はこれですわ」

 成美はA4サイズの書面一枚を太地に見せる。立派なモニターとプロジェクターなどの設備を使うつもりは無いらしい。


 * * *

 第三回 東京都区別対抗学戦祭

 日時: 2057年11月11日

 場所: ゴンダブルースタジアム

 テーマ: 防衛

 
 <競技内容について>

 団体課題A: 避難シミュレーション
 課題内容は競技開始時に発表する。参加するメンバーは5名まで。


 団体課題B: 戦術シミュレーション
 課題は事前提出とし、関連する要項ようこうは2057年の10月10日に各区担当者に通達する。


 個人競技: バトルシミュレーション(生存)
 課題内容: 異種格闘による勝ち残り形式。主催より提供される保護スーツを着用し、競技参加者全員がステージに上がり、残り1名となるまで競い合う。

 *競技途中の自己申告によるリタイア及び審判員の判断によるリタイアはそこまで獲得した点数が個人の最終スコアとなる。

 *武器の使用は当日主催運営局から提供するアイテムのみ可能とする。

 競技への参加人数上限は各チーム5名までとする。


 得点形式(仮): 5点  /  撃破数

 *得点形式は競技参加人数の状況やその他運営局の判断により変更する。

 各チームの責任者は本大会に参加する代表メンバー5名の名簿を9月30日までに提出すること。


 詳細は追って連絡。



 * * *


(たったこれだけ? あまり具体的に決まっていない感じだ……)

『ゴンダブルースタジアム……ダサすぎる』

 月人が残念そうな表情を浮かべる。


「これだけですか?」

「そうですわ。昨年もこんな感じだったそうですわ」

「内容を知りたかったですね」

「ザックリとならわかりますわ」

 成美が別の資料を取り出して太地に見せる。

『だからプロジェクターに投影しろよ。せっかくすごそうなのがあるのに』


「昨年、一昨年の課題出題の傾向をここにまとめましたわ」

 サラッと読み込む太地。成美の意図が伝わったようだ。


「あ~なるほど。課題Aは当日考えるとして、Bはおそらく何かを作る感じですね。みんなが楽しめるような。そして、個人競技……要は勝ち抜きのバトルですね。」

「と、わたくしも想定しておりますわ。 特に六条太地ろくじょうたいちさんにはこの個人競技に期待しているのですわ」

『簡単だな。俺がいたら楽勝だろう』


「もちろん、他のライバル校を意識することも大切ですわ……しかし!」

 成美が語気を強めて話す。

「まずは青一校の生徒に『』を選んだことを話す必要がありますわ。いくら権田財閥に代表者を選ぶ権利があるとはいえ、周囲を納得させる必要がありますわ。」

『至極ごもっともな意見だな。いきなり青三校から選んだって言ったら、第一高の奴ら全員反対するぜ』

 うなずく太地。

 「結局、今回の5名は太地さん以外、皆第一校から選んでいますの」

「え? さっき、他の私立も含めて探しているって……」

(気まずいなぁ……)


「探しましたわ……隅々すみずみまで。でも残念ながら、どなたも第一校の生徒に劣る実力でしたわ。そうよね??」

「はい。その通りでございます。お嬢様」

『おい、爺やこの部屋にいたのかよ』

 月人はツッコミ役にてっしている。


「しかし……不思議なことに権田成美ではなく、この爺やさんが調べたというなら納得できる自分がいるよ……」

『あ~、それは確かに言えるな』

 月人の評価も上々の爺や。


「と、いうことは……僕はすでにアウェイな状況ということですね」

(一人だけ青三校とか、第一校の皆は嫌がるだろうなぁ)

「だから、右手で吹っ飛ばしたとクルミが語っていたそのシーンを見たかったのですわ。事実なら誰も文句は言いませんわ」

(圧倒的な強さを見せる必要がある……か……)


『なるほどなぁ……太地どうするんだ?』

「今はちょっと考えがあって……あれを見せるのはやめておくよ」

 太地は少し考えて、権田成美に提案する。


「成美先輩、3週間ほど時間をいただけませんか? 
 参加メンバーの提出期限が9月30日だから結構ギリギリになってしまいますが。
 当日、僕が青一高にうかがいますので、その時に関係者と他の代表メンバー候補者を集めておいてください。学力だろうと体力だろうと、納得させてみせますから。」


「わかりましたわ!!期待して待つのですわ!」

 大いに喜ぶ成美。月人はまたニヤリと笑っている……

 

 すっかり日も暮れて夕飯前の時刻となり、二人は帰宅することにした。


 * * *


「ただいま~。 ……ん?」

 帰った太地を真っ先に出迎でむかえてくれたのはダンボール箱の山だった。


「なんだこれ!!!」


 奥のリビングまで続き、リビングとダイニングの壁に積まれているダンボールの箱にプリントされた文字『ヨントリー ハイボール』を見て唖然あぜんとする太地と月人。


『やるなぁ、あのお嬢』

「いや、何年ぶんだよ!この量。瞬達ってこういうことか」

「あ! 太地おかえり! なんか権田財閥の娘さんを助けたんだって?」

「あ、うん。 それはそうなんだけど」

「やるじゃ~ん。 最高だよ! いい息子を持ってお母さんは幸せだ!」


 早紀子はハイボールのお土産が相当気に入ったようだ。

「ご飯にするよ! 今日の料理は早紀子特製バンバンジースペシャルサラダとそうめんだ!」

『よっしゃ~飯だ~』

 月人もかなり弾んでいた。



 * * *


「ごちそうさま~。 僕は部屋に戻るね」

「おう! ゆっくり休めよ~」

 5缶目を飲みながら上機嫌に応答する早紀子。



 部屋に入り、ベッドに横たわりながら月人に話しかける太地。



「月人さ……この前話していたpossessionポゼッション<憑依ひょうい>のこと、もう少し詳しく教えて」

 これは真面目な太地モードだと月人は察する。

『詳しくって、何を知りたいんだ?』

 
 月人が聞き返す。




「……possessionで、僕のに憑依することってできないか?」
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