Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

文字の大きさ
24 / 133
第二章 東京都区別対抗学戦祭編

第24話 気になる女子高生

しおりを挟む
(クルミちゃんのメッセージだな)


 《10月10日の午後16時に第三高に迎えに行きますわ! 5人揃って作戦会議なのですわ~》


『……アイツ、メッセージでも 「のですわ」 なんだな……』


「そうだね。もう大分慣れたよね。ハハハ」



 すっかり太陽がオレンジ色に変化してしまったが、地獄のトレーニングはまだまだ終わることなく続けられた。



 * * *


 週末、太地たいち月人つきとは「カフェ・ポメラ」に来ていた。「月人」誕生の記念すべき場所であり、二人の気分転換の場所でもある。

「月人さんのご所望の品、チョコレートムースラテにチョコレートワッフルです」

 念話ではなす太地。

『いいね~。太地だってチョコレート好きだろ! のご所望だ』

「確かにね」 

 いい笑顔を見せる太地。甘党にはたまらない組み合わせだ。昼のトレーニングを終えて、身体が甘いものを欲している状況で吸収するチョコレート。

「く~~たまらないなぁ!」

『美味え。ここの味は濃厚でいいよな!』

 月人も「超」が付くほどのお気に入りのカフェだ。

『今日は何日だ?』

「10月9日だね。あれから一週間近く立ったのかぁ。早いなぁ」

『あれ』というのはトレーニングドールを使い始めた日ということだ。ドールのおかげで太地の習得スピードは劇的に変わった。


 二人はトレーニングの進捗状況について話をし始めた。

「相手がいる状況を作ってくれた月人のおかげで、動きのイメージがより楽にできるようになった。トレーニングドールは一切攻撃が当たらないようにできているの?」

『そうだな。攻撃しない、攻撃をくらわないってコマンドを出しているからな』


「あれをさ、僕が訓練する際も欲しいんだけど。作れる?」

『もちろん可能だ。次回からやってみるか』

「うん。お願いするよ!」


 少し間をおいて月人が話す。


『もう少し太地のステータスをあげたいところなんだがなぁ』


「まぁ、そこは僕自身ではどうしようも––」


 ガタッと席を立つ音とともに女性が太地に近づいてきた。私服で断定はできないがおそらく女子高生だ。

「すみません。すごく気になる事があって。あなたどうしてチラチラを見上げるの?何回も。 ……気になるわ。」

(しまった……つい念話の際に月人の顔を見てしまっていた)

「えっと……癖でつい……」

「癖? 壁を見る癖……気になるわ。左側だとダメなの?……気になるわ」
 納得していない、そんな表情をしている。

「いや……そういうわけではないんですが……」

「気になるわ」

「すみません。気をつけます」

 なぜか謝る太地。

「いえ、こちらこそ突然ごめんなさい。気にしないで」

 謝り返す女性。


『こいつ……そのうち早死にしそうだな。大丈夫か』

「結構周囲をキョロキョロ見ているね。極度の心配性?」

『見た所、高校生って感じだな。』



「すごく周りが気になるんですね?」

 太地が話しかける。


「その……見えてしまうのよ。視野が広すぎて……」

「へぇ……なんか大変そうですね」

「あなたのそれ……癖じゃないわよね。明らかに何かを見ていた……気になるわ」

 女性は少しためらっていたが、意を決して太地に聞いた。気になっているようだ。

「あ、ですからそれは––」

 ピリリリリ!

 誰かのスマホがなる。

 そして気になり女性がスマホを取り出して電話に出る。

「もしもし、こちら天月あまつきです」

「はい。今から向かう予定です。えぇ、わかっています。色祭りの概要と対策資料はすでに準備できています––」


『色祭りだと?』

「参加者?」


「……あ、もう一つ、気になる事がありまして……
 今年の色祭りの各区の参加者リストが配られまして。唯一、青川区から第一高以外の生徒が参加します……はい。それも、青三高の生徒……気になるわ」

「しかも……二年生だなんて……気になるわ」


『おい、太地。いきなりマークされてるな』

 月人がニヤリと笑う。

「唯一の三高なの? ていうか、どの区も第一高からしか出さないのかな……」

「……はい。わかりました。それでは後ほど黒一高で」

 気になる女性は電話を切って、ボソッとつぶやいた。



「気になるわ……六条太地」


 * * *

 10月10日、放課後—

 例のごとく胴長のリムジンが青三高校庭に停車した。

『来たぞ。ですわシスターズ』

 月人が言う。

「今日も迎えに来てくれたんだね……別に青一高集合でもいいのに」

 数秒後、教室の扉をガラッと開けていつもの声が響く。

「失礼するのですわ!」

「ですわ~!」


 権田姉妹の登場だ。



「なぁ、権田さんと太地って付き合ってるの?」

 クラスメイトの片桐慶太がニヤニヤしながら聞いてくる。

「いや、付き合ってないよ」

「でもよ~。何回か迎えに来てさ、二人で何してんだよ。ちっちゃいのもいるけど」


「あ、それは……参加することになったんだ。区別対抗学戦祭ってイベントに。 慶太知ってる?」


「ハァ~!!! マジで⁈」

 慶太が腰を抜かすように驚く。椅子が倒れる勢いで。クラスメイトが注目する。

「おいみんな! 太地が色祭りに出場するんだって!」

「えぇ!!」

 二年二組がざわめく。どうやらかなり驚いているようだ。イベントの存在すら知らなかった太地とは大違いだ。

「その通りなのですわ! 今年の色祭りはワタクシ権田成美ごんだなるみが青川区代表チームに六条太地さんを推薦したのですわ~」

「そうなのですわ~」

 権田クルミも嬉しそうだ。


「今年は青川区で開催、何としても我々が勝たなくてはならないのですわ!」

「応援よろしくお願いしますなのですわ!」

 クラスがドッと沸く。

「六条君すごいね!」

「みんなで応援しにいくよ」

 太地を中心にクラスメイトが集まる。


『なんか……お前がヒーローになってるな。まだ何にもしてねーのに』


「そうだね……悪い気はしないからいいけどね」


 満更まんざらでもない太地。


「六条太地さん、そろそろ行きますわ!」

「行くのですわ~」


「了解です!」


 そして三人は胴長リムジンに乗りこんだ。

「爺や。権田邸まで」

「かしこまりました。お嬢様」

(行き先は青一高ではないんだな……あの司令室で打ち合わせかな)


 * * *


 リムジンが権田邸に到着し、太地達は例の司令室(成美専用のミーティングルーム)に向かった。


 —ガチャ


 扉をあけると、既に第一高の三人が座って待っていた。
「うぃ~っす」

「お疲れ~」

 葛城聖司かつらぎせいじ鏡慎二かがみしんじ東雲しののめあかりが太地たちを迎える。


「お疲れ様です」

 太地と権田成美も席に着く。


「それでは色祭りの作戦会議を始めますわ!」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活

シン
ファンタジー
 世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。  大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。  GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。  ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。  そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。  探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。  そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。  たまに有り得ない方向に話が飛びます。    一話短めです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます

内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」  ――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。  カクヨムにて先行連載中です! (https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)  異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。  残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。  一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。  そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。  そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。  異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。  やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。  さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。  そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...