Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

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第二章 東京都区別対抗学戦祭編

第24話 気になる女子高生

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(クルミちゃんのメッセージだな)


 《10月10日の午後16時に第三高に迎えに行きますわ! 5人揃って作戦会議なのですわ~》


『……アイツ、メッセージでも 「のですわ」 なんだな……』


「そうだね。もう大分慣れたよね。ハハハ」



 すっかり太陽がオレンジ色に変化してしまったが、地獄のトレーニングはまだまだ終わることなく続けられた。



 * * *


 週末、太地たいち月人つきとは「カフェ・ポメラ」に来ていた。「月人」誕生の記念すべき場所であり、二人の気分転換の場所でもある。

「月人さんのご所望の品、チョコレートムースラテにチョコレートワッフルです」

 念話ではなす太地。

『いいね~。太地だってチョコレート好きだろ! のご所望だ』

「確かにね」 

 いい笑顔を見せる太地。甘党にはたまらない組み合わせだ。昼のトレーニングを終えて、身体が甘いものを欲している状況で吸収するチョコレート。

「く~~たまらないなぁ!」

『美味え。ここの味は濃厚でいいよな!』

 月人も「超」が付くほどのお気に入りのカフェだ。

『今日は何日だ?』

「10月9日だね。あれから一週間近く立ったのかぁ。早いなぁ」

『あれ』というのはトレーニングドールを使い始めた日ということだ。ドールのおかげで太地の習得スピードは劇的に変わった。


 二人はトレーニングの進捗状況について話をし始めた。

「相手がいる状況を作ってくれた月人のおかげで、動きのイメージがより楽にできるようになった。トレーニングドールは一切攻撃が当たらないようにできているの?」

『そうだな。攻撃しない、攻撃をくらわないってコマンドを出しているからな』


「あれをさ、僕が訓練する際も欲しいんだけど。作れる?」

『もちろん可能だ。次回からやってみるか』

「うん。お願いするよ!」


 少し間をおいて月人が話す。


『もう少し太地のステータスをあげたいところなんだがなぁ』


「まぁ、そこは僕自身ではどうしようも––」


 ガタッと席を立つ音とともに女性が太地に近づいてきた。私服で断定はできないがおそらく女子高生だ。

「すみません。すごく気になる事があって。あなたどうしてチラチラを見上げるの?何回も。 ……気になるわ。」

(しまった……つい念話の際に月人の顔を見てしまっていた)

「えっと……癖でつい……」

「癖? 壁を見る癖……気になるわ。左側だとダメなの?……気になるわ」
 納得していない、そんな表情をしている。

「いや……そういうわけではないんですが……」

「気になるわ」

「すみません。気をつけます」

 なぜか謝る太地。

「いえ、こちらこそ突然ごめんなさい。気にしないで」

 謝り返す女性。


『こいつ……そのうち早死にしそうだな。大丈夫か』

「結構周囲をキョロキョロ見ているね。極度の心配性?」

『見た所、高校生って感じだな。』



「すごく周りが気になるんですね?」

 太地が話しかける。


「その……見えてしまうのよ。視野が広すぎて……」

「へぇ……なんか大変そうですね」

「あなたのそれ……癖じゃないわよね。明らかに何かを見ていた……気になるわ」

 女性は少しためらっていたが、意を決して太地に聞いた。気になっているようだ。

「あ、ですからそれは––」

 ピリリリリ!

 誰かのスマホがなる。

 そして気になり女性がスマホを取り出して電話に出る。

「もしもし、こちら天月あまつきです」

「はい。今から向かう予定です。えぇ、わかっています。色祭りの概要と対策資料はすでに準備できています––」


『色祭りだと?』

「参加者?」


「……あ、もう一つ、気になる事がありまして……
 今年の色祭りの各区の参加者リストが配られまして。唯一、青川区から第一高以外の生徒が参加します……はい。それも、青三高の生徒……気になるわ」

「しかも……二年生だなんて……気になるわ」


『おい、太地。いきなりマークされてるな』

 月人がニヤリと笑う。

「唯一の三高なの? ていうか、どの区も第一高からしか出さないのかな……」

「……はい。わかりました。それでは後ほど黒一高で」

 気になる女性は電話を切って、ボソッとつぶやいた。



「気になるわ……六条太地」


 * * *

 10月10日、放課後—

 例のごとく胴長のリムジンが青三高校庭に停車した。

『来たぞ。ですわシスターズ』

 月人が言う。

「今日も迎えに来てくれたんだね……別に青一高集合でもいいのに」

 数秒後、教室の扉をガラッと開けていつもの声が響く。

「失礼するのですわ!」

「ですわ~!」


 権田姉妹の登場だ。



「なぁ、権田さんと太地って付き合ってるの?」

 クラスメイトの片桐慶太がニヤニヤしながら聞いてくる。

「いや、付き合ってないよ」

「でもよ~。何回か迎えに来てさ、二人で何してんだよ。ちっちゃいのもいるけど」


「あ、それは……参加することになったんだ。区別対抗学戦祭ってイベントに。 慶太知ってる?」


「ハァ~!!! マジで⁈」

 慶太が腰を抜かすように驚く。椅子が倒れる勢いで。クラスメイトが注目する。

「おいみんな! 太地が色祭りに出場するんだって!」

「えぇ!!」

 二年二組がざわめく。どうやらかなり驚いているようだ。イベントの存在すら知らなかった太地とは大違いだ。

「その通りなのですわ! 今年の色祭りはワタクシ権田成美ごんだなるみが青川区代表チームに六条太地さんを推薦したのですわ~」

「そうなのですわ~」

 権田クルミも嬉しそうだ。


「今年は青川区で開催、何としても我々が勝たなくてはならないのですわ!」

「応援よろしくお願いしますなのですわ!」

 クラスがドッと沸く。

「六条君すごいね!」

「みんなで応援しにいくよ」

 太地を中心にクラスメイトが集まる。


『なんか……お前がヒーローになってるな。まだ何にもしてねーのに』


「そうだね……悪い気はしないからいいけどね」


 満更まんざらでもない太地。


「六条太地さん、そろそろ行きますわ!」

「行くのですわ~」


「了解です!」


 そして三人は胴長リムジンに乗りこんだ。

「爺や。権田邸まで」

「かしこまりました。お嬢様」

(行き先は青一高ではないんだな……あの司令室で打ち合わせかな)


 * * *


 リムジンが権田邸に到着し、太地達は例の司令室(成美専用のミーティングルーム)に向かった。


 —ガチャ


 扉をあけると、既に第一高の三人が座って待っていた。
「うぃ~っす」

「お疲れ~」

 葛城聖司かつらぎせいじ鏡慎二かがみしんじ東雲しののめあかりが太地たちを迎える。


「お疲れ様です」

 太地と権田成美も席に着く。


「それでは色祭りの作戦会議を始めますわ!」



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