Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

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第三章 関東大一揆、洛外編

第65話 白鬼十番隊

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「ロード解除!」

 ミニマルジェットがフッと消える。そして太地と高杉がNFNFエヌフ付近に落下しながら突っ込む。

 ドドンという轟音ごうおんとともに強い衝撃を受けて、駐車場に敷かれたコンクリートが割れて破片が飛び散る。


 白鬼能面ローダーは無言だ。


「イテテ……結構ダメージありますね。うまく着地する練習しとかないと」

「いやいや結構うまいこと降りたもんだよ。脚、折れてないし。ハハハ」

 歩きながら高杉が話しかける。

「どうもどうも~。NFNFエヌフの皆さん。今晩は。GSDジスドのエースシーカー高杉壮一郎そういちろうです。よろしく!」


「一応聞くけど、これやったの君達?」

 燃えた庁舎を指差して確認する。そして笑いながら答えるNFNFエヌフの人員。


「あぁ、そうだ」

「そうか。それで君ら五人は何て呼んだらいい?」

 高杉の質問に白鬼能面がゆっくりと答える。

「……白鬼しろおに十番隊、伍長ごちょうの茨木司だ。早速だが、GSDジスドの諸君、ここで死んでくれ」

 白鬼で【泥眼でいがん】の能面を付けた伍長茨木が構える。周りの白鬼【増女ぞうおんな】も同様に高杉と太地に敵意を向けて構える。

「「 行くぞ! 」」

 伍長茨木と高杉が激しく衝突する。太地が白鬼二人を吹っ飛ばす! そして逃した残りの白鬼増女二人が後方の天月に接近する。

GSDジスドのゴミは全員死ねぇ!」

 ロードした拳銃を構える白鬼増女たち。

「月人《つきと》!」

『わかってるって。安心しろ』

 パン! パン! パン!

 数発ほど銃声がひびくが月人が全て受け止めている。銃弾が力なく地面に落下する。

「くそ! 接近するぞ!」

 日本刀をロードして月人に襲い掛かる白鬼、そしてもう一人が月人かられて天月あまつきに向かって発砲する。

「あっ!」

 一瞬焦る太地だったが、まさかの六太が仁王立ちで宙に浮いて銃弾を止めている。前脚の肉球で。

「てめえ、俺の千鶴ちづるに手を出しやがったな。喰らえ! 鉄犬てっけんパーンチ……ん?」

 しかし、すでに月人が二人とも吹き飛ばしていた。

『おい、この三日月人みかづきと! なんでオイラの出番を横取りするんだよ!
 もう少しで千鶴はオイラにポの字になるところだったのに!』

『あぁ? 何わけわかんねーこと言ってんだバカラニアン。銃弾とめてよくやったじゃね~か』


 何やらもめているが、大丈夫みたいだ。

 その頃、高杉と伍長茨木との打撃戦が決着を迎えていた。力強くてキレのある蹴りと手刀を交わしてカウンターで能面に右ストレートを叩き込む。

 割れて弾け飛ぶ能面。そして吹っ飛ぶ伍長茨木。

「ふぅ~。結構強かったな」

 高杉の元に集まる太地と天月。月人が吹っ飛んだ五人を運んでくる。意識のある伍長茨木の素顔からは30代後半の男性に見える。高杉が話しかける。

「で、なんでこんなことしたの? これが前言ってた関東大一揆ってやつ?」

「……フフフ、そうだ。お前たちGSDジスドダミーガバメント偽の政府、そして日本の愚民ぐみん共はこれからかつてない恐怖にしばられた生活を送ることになるだろう……苦しむがいい。我々が味わった決して忘れられぬ苦痛の日々……何百倍にも大きくして返してやる」

「無関係の人間を巻き込むのはやめろ!」

 熱くなる太地を高杉が制止する。天月はスキル【見透かされた世界】を発動中だ。そう、GSDジスドにはより多くの情報が必要だった。

「……まもなく……総帥そうすいより犯行声明が出されるだろう……次は22:15 だ」

「何だって! どういう意味だ!」

「まぁ……お前らには教えてやっても構わないがな……」

 不敵な笑みを浮かべる伍長茨木。そして何かを感じ取った天月が叫ぶ。

「自爆するつもりよ! 逃げて!」

「「「 何!」」」

 伍長茨木が突如大きな声で叫び出す。

「この世の無慈悲むじひな愚民共にむごき制裁を!!」

「くそ! hardening material素材硬化 !」

『うお~!!』

 カチンと歯を立てて何かを噛んだ茨木、そして口の中に仕込まれた爆弾が爆発する。

 ド––––––––ン!

 三度の爆発音。威力は流石に低いが、GSDジスドシーカーが吹っ飛ぶ。

 天月は月人のバリアで無傷だ。そして高杉が何とか爆発より先に強固な壁を緩衝材かんしょうざいとして造り出せたことで命に別状はなさそうだ。太地もそのおかげで無事だ。

 しかし、NFNFエヌフの五人組はチリとなって消え去った。


 * * *


 その後、消防車数台とGSD医療課及び調査課が遅れて到着した。マスコミも駆けつけて報道している。太地たちは医療課に傷の手当てをしてもらいながら、小松部長とリンクして状況を報告した。そして、唯一と言っても良い物品手がかりである能面を調査課へ提出した。


「高杉さんのスキルって物質を生み出して硬化させるって感じですか?」

 消防活動を背景に太地が高杉に話しかける。そして高杉が頷く。

「あぁ、hardening materialって命名しているんだけどね。正確には触れた物質を硬化させる能力だね。でもってこの黒い腕輪のエンドサーフェイスからはイメージした形と素材が作り出せる。【SOY’Sソイズ FACTORYファクトリー】って命名しているんだけどね。もちろん僕のBloody Codeの限界値が上限ね」

(ディープアマゾナイト製のもの。父さんが探索課用に作ったエンドサーフェイスか)

「SOY’Sって……大豆ですか?」

「あ、いや、名前の『そういちろう』からSOYってつけたの。海外生活長かったんだけど、外国人にとって、壮一郎って結構文字多くて覚えてもらえないから、soyってニックネームだったんだよね」 


「な、なるほど……で、その造り出したものをスキルで更に強度をあげて乗り物として活用できたりするわけですね」

「そうそう。さすがだね。理解が早い」

 ニコッと笑う高杉。

「よく飛行機とか想像できますね。さすが航空会社好きなだけありますね」

「いや、それ言わないで。恥ずかしいから。ハハハ……」 

『すげー有用なスキルだよな。それに比べて太地のは……あのポンコツか……』

 月人が振り向いたその先には六太むったがいた。天月の膝の上に乗っかって遊んでいる。

「……まぁ、いやし担当ってことで……」

「うん。アイドルを出せるだけすごいと思うよ」


「最後の爆発は天月さんのスキルがなかったら結構危なかったですよね」

「あぁ、そうだね。こんなことあるよ。天月さんは正に探索課の生命線だね。あの黒指輪がスキル効果を大幅に広げてくれるらしいよ。いや~助かってるよ。本当に」

『いや、マジで有用なスキルだよな。それに比べて……』

 月人が振り向いたその先には天月のひざの上で爆睡する六太むったがいた。

「……まぁ、銃弾から天月さんを守ったわけだし、ちゃんと高杉さんの指示を遂行したってことで。ハハハ……」


『まあな。いずれにしても、もう少しあのを知る必要があるな。能力が全くわからん』


「わからないといえば、茨木の言葉……『22:15』 どういう意味だろう?」


 高杉が口にした言葉の意味、もちろん皆わかっている。



「どこかでまたテロ攻撃されるってことですよね。22:15に」
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